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iPhone5SにNFCナシ! 第三OSも幻? ~覆面座談会:MWC2013

2013年03月06日 13時00分更新

 実は毎年恒例で、MWC最終日に他媒体含むライター・編集者のみなさんと密会をしております。そこでは必ずテーマを決め、ひとりずつ語っていただいくということをしております。ちなみに昨年のテーマは”クアッドコア”でした。スマホにそこまで処理速度が求められているのか? 賛否両論ございましたが、この1年でマルチコア化は加速しました。

MWC
↑他媒体含むライター・編集者の皆さまと歓談のひととき。なお、場所をあやふやに伝え、数名を路頭に迷わせた件について「それを含めて体験である」と、アックン・オッペンハイマーは開き直っています(誠に申し訳ございませんでした)。

 今年のテーマですが期間中、記者の間で最も話題になったこと、それはズバリ……“スリ”ですね間違いなく。MWC開催地であるスペインは失業率が50%越えと非常に高く、それは今年に限ったことではないのですが、実に多くのお知り合いの方が被害に遭われ、最終日もその話題で持ちきりでした。中にはニセ警官にお金を奪われたなんて方も……。スペイン旅行の予定がある方は、くれぐれもお気を付けください。

 さて、MWCに話を戻しますと、チップ競争も落ち着き、今年はNFCと新しいモバイル向けOSに対する関心が最も高かったと言えます。

──会場にはNFC専用の入場ゲートが設けられ、NFC関連技術やサービスの出展も目立ちました。

入場もNFCに
MWC
↑事前に専用アプリをダウンロード、窓口でレジストを済ませると、以降はスマホをピッとするだけで入れるように。事実、こちらのほうが断然空いていたうえ早かったのですが、一度ASCII.jp末岡記者が空気を読まず、通常ゲートを真っ先に駆け抜けた際は、殺気を抱きました。
会場の壁にもNFC
MWC
↑たんにURLと紐づけられているだけで、誰もピッとやってませんでした(そもそも気付かれていない?)。

「(NFCは)もはやスマホの標準仕様となり、端末の普及に加えてキャリアや金融機関の準備も整い始めております。まさにワールドワイドでの“電子マネー元年”といったところではないでしょうか」

「ただ、日本ではFeliCaが先行しているから、新鮮味が薄いですよね。ずいぶん温度差を感じています」

「使い勝手もFeliCaのほうが洗練されていますからね。本体のバッテリーが切れても使えたりとか、ウィジェットで残金確認できたりとか……」

「ハッキリ言って全然進んでいますよね。日本では課金はFeliCa、クーポンや入場などはNFCというふうに使い分けることになるでしょう」

「ドコモがそう言っていますよね。NFC決済対応のSIMカードを出しましたが、これも海外でもFeliCaを便利に使ってほしいって意味合いが濃いようです」

「iPhoneが対応したら、また状況が変わったりするでしょうか?」

「まずFeliCaはないでしょう、アップルがキャリアと共に戦略を練るとは考えにくい。NFCは、ここでも意見が割れていますが、私はもう少し先と考えます。MacやiPadなどでもNFCをサポートし、自社のサービスと連携して“何か”ができるという部分まで詰めてから展開するのが、アップルらしいやり方と思うので」

──新しいモバイルOSは“オープンソース”と”HTML5”という共通項をもっています。Tizenは年内、Firefoxは夏に搭載端末がリリースされるというスケジュールで進行しているようですが、果たして本当に“第三”のOS時代は到来するのでしょうか?

「マスコミが……まぁ我々ですが、煽っているという部分はあって、実際のトレンドが依然、Androidであるということは揺るぎません。そもそも第三って言っていいのかすら……」

「WindowsPhoneとBlackBerryは帝国を築いているとは言えませんから“第三”で問題ないかと。メーカーやキャリアが前のめりですからね」

「Androidだって最初は存在すら怪しかったじゃないですか。プラットフォームの立ち上がりって、だいたいこんな雰囲気ですよ」

「ユーザー視点で言わせてもらうと、もうAndroidでいいじゃないかって思うんですけど、メーカーに聞けば開発には意外な苦労があるんですってね。最新のバージョンがなかなか入手できないとか、個別の要望を聞き入れてもらえないとか……」

「TizenやFirefox OSは陣営、メーカー、そしてキャリアの三者が協力して育てていこうというマウンドが強くあります。集合知的な、本来の意味でのオープンソースへの期待ともとれますね」

「ただ、メーカー側にとっては、自社技術が必然的に流出してしまうというデメリットもあります。アプリメーカーにとっても同じで、HTML5アプリはコードが丸見えです。いかに優位性をもったまま開発できるかがポイントとなるでしょう」

「Firefox OSの場合、アプリ周りは現行の“コンパイルされたプログラムをダウンロードする”手法も対応可能としていますよね」

「しっかり著作権を守っていくことで、エコシステムを構築し直すと」

「とにかく“巨大な何か”に主導権を握られた状態では、なかなか商売やりにくいと、こういうわけですね」

ともにHTML5ベースのオープンOS
MWC
↑「Firefoxは狐、TIZENはランプの精と、いずれも“化ける”キャラクターをトレードマークにしているということに気付いたオレ、天才」と、いい年してぬいぐるみが手放せないライターN。
エコシステムの再確立を目指す
MWC
↑“ユーザーの体験”という部分は直接あまり触れられていませんが(そもそも完成していない)、事業者と開発側に対するメリットや権利を守ることを最重視して進められている点が、現行のOSと最も異なる部分と言えるでしょう。

──2014年の今ごろは第三のOSを搭載したスマホを手に、さらなる未来を語っていることでしょう。あ、会計はスマホでお願いします。領収書はアスキー・メディアワークスで……。

 なお、週刊アスキー今週号(3月4日発売)巻頭に、まるっとわかるMWC特集をドーンと掲載しております。つれづれとPLUSでレポートしてまいりましたが、これさえお読みいただければ、向こう1年モバイル市場のトレンドを知ったかぶりできるお得仕様となっております。お時間のない方こそ、ぜひ紙で。余計なプッシュ通知もないし、集中できるってもんです。

MWC2013まとめ

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