2013年01月09日21時04分

完全にプロジェクター! ハンディカムHDR-PJ790V使用レポ

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HDR-PJ790V

 ソニーハンディカムのフラッグシップモデル『HDR-PJ790V』の使用感と画質のレポートをお届けする。なお、PJ790Vの特徴や仕様については、こちらの記事を参照して欲しい。

●PCディスプレーとしても使えるプロジェクター機能

 PJ790Vの最大の特徴は、HDMI入力により搭載されているプロジェクターを単独で使えること。従来モデルの『HDR-PJ760V』にもプロジェクター機能はあったが、投影できるのはビデオカメラ本体で撮影した映像のみだった。しかし、HDMI入力を搭載したPJ790Vは、撮影した映像はもちろん、HDMI出力を搭載した機器を接続してその映像を投影できる。例えば、ノートPCを接続してミラーモードで投影することだってできる。PCからの認識も普通の液晶ディスプレーと同じ扱いだ。なお、プロジェクターの性能としては、854×480ドット、輝度35ルーメンとポータブルプロジェクターと同レベルの性能だ。

 実際に、レノボのUltrabook『IdeaPad Yoga』からHDMI出力してみたところ、この通りWindows8のタイルUIが表示された。セカンドディスプレー扱いなので、ディスクトップはもちろん、パワーポイントのスライドを出したり、YouTubeの動画をフルスクリーンで見たり、DirectXを使用したゲームをすることもできた。プロジェクターとしての描画速度も良好で残像感はほとんどど見られない。また、『MacBook Pro』の13インチRetinaディスプレイモデルでも同様に使えた。

HDR-PJ790V

 とはいえ、Windows8のタイルUIは、アプリを使うための最低解像度が1366×768ドット。そのため、UIのトップページは表示されるもののアプリを起動しようとすると、解像度不足でアプリが実行できない旨の警告が出て起動できなかった。プロジェクターとしての解像度が低いため、最低解像度が決まっているソフトの起動は注意が必要だろう。

HDR-PJ790V

 プロジェクターとして使う方法だが、カメラ側面のメモリーカードスロット部分にHDMI出力とプロジェクターの入力“PROJECTOR IN”のマイクロHDMI端子が並んでおり、“PROJECTOR IN”にHDMIケーブルを接続し、青色の“PROJECTOR”ボタンを押す。

HDR-PJ790V

 “PROJECTOR”ボタンを押すと、ビデオカメラで撮影した映像と”PROJECTOR IN”に接続した機器のどちらを投影するか選択できる。“本機で撮影した画像”を選ぶとビデオカメラの再生モードになり、ズーム用のスライダーと“PHOTO”ボタンで映像の選択と決定を行なって再生する。

 “外部機器の画像”を選べば接続したHDMI機器からの映像が出力される。なお、音声は本機で撮影した映像の音声とHDMI機器からの音声入力は両方とも液晶下部のスピーカーかイヤホン端子で聞ける。スピーカーはサイズが小さく出力も低いため、高音はよく聞こえるが低音部が弱い。あくまで簡易的なものと考えた方がいいだろう。もし、より音質を重視するなら、イヤホン端子に外部スピーカーを接続するか、マルチインターフェースシューに装着する2.5Wのポータブルスピーカー『RDP-CA3M』(既報参照)を使用した方が良い。

HDR-PJ790V

 プロジェクターのレンズは液晶の裏に搭載されているため、液晶を動かせば、そのまま投影された映像を上下に調整できる。なお、キーストーン調整(台形補正)はないため、投影面に対してできるだけ液晶部分が平行になるように設置するのがオススメだ。液晶を90度回転、プロジェクターのレンズを真上に向けられるので天井にも投影できる。白い壁紙の天井なら、寝ながら楽しむといったこともできそうだ。

HDR-PJ790V

 なお、プロジェクターのフォーカスは前モデルと同じく液晶の上部にあるスライダーで無段階調整可能だ。

HDR-PJ790V

 部屋の明かりを消した部屋で24インチサイズになるように投影したところ。解像度が低いためか、フォーカスを調整しても小さい文字は読みにくい。とはいえ、前モデルよりも解像度と明るさが向上しているため、動画の再生時は思ったほど解像度の低さは気にならない。編集部の会議室で試してみたところ、投影サイズが24インチ前後までなら、室内の明かりを付けた状態でもなんとか視認することができたが、それ以上の投影サイズになると厳しかった。部屋の明かりを消せば、50インチ前後まではクッキリとした映像で楽しめた。

●よりクッキリと精細感が高くなった画質

 PJ790Vのズーム性能は前モデルと同様、光学ズーム10倍、エクステンデッドズーム17倍、デジタルズーム120倍だ。センサーや空間光学手ブレ補正ユニットなども前モデルから継承している。そのため、画質面では大幅な向上は見られないが、やや精細感が高くなり、物体の輪郭がよりクッキリと出るようになった。なお、以下の作例はすべてフルHD 60pで撮影したもの。

HDR-PJ790V

 最大広角の26ミリで撮影。細かい物体や橋の細い線がボケずにシャープな描画となっている。また、色が飛びやすい青空がキレイにグラデーションになっているのも好感がもてる。

HDR-PJ790V

 エクステンデッドズーム17倍で橋をアップにしてみた。ズーム時特有の前モデルと同じで周辺光量の変化やボケはまったく見られない。精細感も広角時と変わらない印象。空間光学手ブレ補正により、手持ちでもブレの少ない安定した映像が撮れる。

HDR-PJ790V

 さらにデジタル120倍で撮影。ここまでズームできるのは便利だが、手持ちでの撮影は少しの動きでも大幅に映像が揺れるためほぼ困難。

HDR-PJ790V

 フォーカス性能のテストとして、夕方の低照度環境でズームアウトしながら走行する列車を撮影した1コマ。フォーカス性能の低いビデオカメラでは、この条件では被写体を追いきれず、ヘッドライトの光に影響されてフォーカスが迷ってブレてしまうことがあるが、PJ790Vではピントを合わせたい列車の先頭部をブレずにキッチリとフォーカスし続けることができた。また、ジャギーが出やすいステンレス車体のラインは、60p撮影の恩恵で滑らかに描画されている。前モデル同様、ビデオカメラとしての基本性能もピカイチだ。

HDR-PJ790V

 ダイナミックレンジと低照度時のノイズを見るテスト。ゲインを上げると色が飛んでしまうことがある機関車前面の銀色の“EF64 1052”という表記をしっかりと描画。また、機関車下部の黒い部分のディテールは潰さずに立体感も表現。ダイナミックレンジの広さはコンシューマー機としては最高レベルと言って良い。また、低照度下では青い車体にカラーノイズが乗りやすいが、拡大してもほぼカラーノイズは皆無。これは低照度撮影に強い“Exmor R”CMOSセンサーの性能によるところが大きい。

HDR-PJ790V

 カメラ機能で撮ったJPEGの写真。ビデオカムながら最大2408万画素(6544×3680ピクセル)とイマドキのコンパクトデジカメ並の画質で撮れる。

●被写体の音をよりピンポイントに録音するマイク

 PJ790Vで外見的にも大きく変化したのがマイクだ。前モデルのPJ760Vでは、マイクは本体の上部などに内蔵されていたが、PJ790Vでは、NEX-VG30やVG900の5.1chサラウンドマイクを小型化したような形状のマイクを搭載。また、音のダイナミックレンジは従来の2倍となっており、より大きいな音から小さな音までひろえるようになった。むしろ画質よりも音質の向上の方が大きな変化と言える。

HDR-PJ790V

 従来の製品でもレンズのズームに連動してレベル調整が行なわれていたが、本機ではより周囲のノイズを抑えながら、カメラを向けた被写体から発する音を集中的にひろっている。例えば、以前は駅で列車を撮っていると、周囲の構内アナウンスや喧噪など、音が大きいものはそれだけ大きな音量で録音していた。しかし、本機ではカメラを向けた列車から出るモーター音やエンジン音がより強調されているように聞こえる。また、“くっきり音声”機能も強化され、人の声もより鮮明にひろうようになった。なお、本機から音声のゲイン調整もできるようになった。

●まとめ

 前モデル『HDR-PJ760V』では、あくまでビデオカメラにプロジェクターが付加機能として搭載されていたが、本機ではビデオカメラとモバイルプロジェクターが1台2役として独立して使えるようになった。外出先でPCやスマホをつないでプレゼンしたり、旅行先のホテルで映像や写真を多人数で楽しんだりと幅広く活用できる。バッテリー駆動でプロジェクターが使えるため、電源のない場所でも場所を問わず投影できるのも便利だ。

 また、ビデオカメラとしても現状のコンシューマー機において画質、音質、手ブレ補正で文句なく最高と言える性能を発揮。ただし、15万円という価格はコンシューマー用ビデオカメラとしてはやや高価なのがネックだ。とはいえ、HDR-PJ760Vより前の世代のハンディカムや他社のビデオカメラの画質、音質に満足できないなら本機に買い換えることで、期待を裏切らない性能を発揮してくれるだろう。

■関連サイト
ソニー ハンディカム

 

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