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もうすぐ海外進出!? 地固めに余念がないniconico【ニコ動今昔物語】

2012年12月13日 20時00分更新

 週刊アスキーの連載ページ『ネット早耳かわら版』に掲載している“ニコニコ動画 今昔物語”クロス連載。引き続き“ドワンゴ川上会長が見つめるニコニコ動画の未来”をテーマにして、第5回を掲載します。

ニコニコ動画 今昔物語

↑川上会長(写真右)と筆者(写真左)。ニコニコチャンネルの“週刊アスキーチャンネル”にてインタビュー風景を生放送しました。

■niconicoに変わった、ニコ動の海外進出は?
 今号のテーマは海外進出。昨年5月には台湾で関連イベント“ニコニコ大会議”を大成功させ、アジア圏での人気を再確認。今年5月には海外での展開を意識して、サービス総称を“ニコニコ動画”から“niconico”に変更したニコ動ですが、いまだに英語圏では本気を出してない印象です。ドワンゴの川上会長が語るその理由は……週刊アスキーでぜひご確認を。

 今のところニコ動は、他社とのコラボ作戦で地固めしている段階だそうです。12月8日に発売された任天堂の『Wii U』や、ソニーの『PlayStation Vita』といったゲーム機向けに視聴アプリを提供。そうすることで海外版にも自動的にニコ動のアプリが組み込まれることになり、認知度を高められるとのこと。

ニコニコ動画今昔物語
ニコニコ動画今昔物語

Wii Uソフトの『ニコニコ』(左)とPlayStation Vita用アプリ『ニコニコ』。

 さらに注目しているのが無料通話アプリ『LINE』。10月30日に開かれたデジタルマーケティング関連のイベント“ad:tech Tokyo 2012”では、カンファレンスにて川上会長と、NHN Japanの舛田淳執行役員が対談。川上会長が「海外進出時にはFacebookと組んだほうがいいかなと思っていたけど、LINEのほうがいいのかも」とコメントする場もありました。11月30日時点で世界では8000万人、日本国内では3600万人というLINEと組めれば、アジア圏を始めとする多くの地域にアピールできます。

 サイトのほうでも着々と準備が進んでいるようです。今年の夏頃まで英語版サイトを用意していましたが、最近では本家の“niconico”に統合。今まで別々のサイトに投稿していた動画を一元化して、動画プレーヤーの言語を切り替えることで、英語や台湾の繁体字のコメントが流れるようにしました。さらに動画説明文の翻訳にも対応。着々と準備を進めています。

 下は筆者が投稿した動画ですが、言語を切り替えることで、海外からのコメントが投稿されていることがわかります。

 ちなみにドワンゴのルーツは、米国企業のDWANGOにあるって知ってましたか? DWANGOは、“Dial-up Wide Area Network Gaming Operation”の略で、電話回線を使ってオンライン対戦できるシステムを指します。'95年前後、FPSの『DOOM』が米国で大流行した際、多くの人が利用して一躍有名になったそうです。

 米DWANGOの生みの親で、ドワンゴの前進となったドワンゴジャパンにも出資したロバート・E・ハントレー氏は、'09年に来日し、ニコ動のイベント“ニコニコ大会議全国ツアー2009-2010 in 高知”にも出演していました。

 ニコ動は'06年12月12日にスタートし、今年の12月12日で7年目に突入しました。“ラッキーセブン”のこの年に、英語圏で大ブレイクできるか注目ですぞ!

■関連サイト
週刊アスキーチャンネル(ニコニコチャンネル)

■週刊アスキー 連載ページ『ネット早耳かわら版』
 リニューアルしてパワーアップしたネット情報満載の連載ページ。SNSを使いこなすテクニックやウェブアプリやサービスの紹介、ソーシャルメディアの話題など、盛りだくさんの4ページでお届けしている。

■著者紹介-広田稔
 ウェブサイト“ASCII.jp”でMacやネットサービスなどのネタを担当。初期からニコニコ動画を取材し、2007年には笛のお兄さんの「Fooさん」を取材(関連サイト)していたりして、有り体にいえば“ニコ厨”(ニコ動好きな人)、好きが高じて『ニコニコ動画めもりある ~ニコニコ大会議編~』という書籍を執筆。

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