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Windows情報局ななふぉ出張所

WP7.8へのバージョンアップや新端末についての最新情報

2012年12月05日 17時00分更新

 Windows Phone 8の発売から1ヵ月が経過しました。日本での発売予定はまだ発表されていないものの、世界各国で端末が店頭に並び、多くのユーザーが手にしています。その一方で、既存のWindows Phone端末に対するアップデート『Windows Phone 7.8』の状況も気になるところです。

 そこで今回は、Windows Phoneの最新情報をお届けしてみたいと思います。

■Windows Phone 8の売上は4倍?

 11月28日、米マイクロソフトの年次株主総会においてスティーブ・バルマーCEOは、Windows Phone 8の売り上げについて言及し、「前年同期比で4倍」に達していることを明らかにしました。株主総会の動画(外部サイト)はマイクロソフトの投資家向けサイトで公開されています(Windows Phone 8の売り上げについては46分付近)。また、バルマー氏は特にノキアとHTCのWindows Phone 8端末が世界各地で売り切れになっていることを指摘し、その勢いを強調しています。

Windows Phone 7.8への期待
↑年次株主総会でWindows Phone 8について言及するスティーブ・バルマー氏。

 昨年のWindows Phoneの出荷台数がそれほど大きなものではないだけに、4倍という数字が大成功というわけではありませんが、まずまずのスタートといったところでしょう。年末商戦が終わった年明けに、Windows Phoneのシェアがどれくらい上昇しているのか注目したいところです。

■Windows Phone 7.8は2013年の早い時期に

 2012年6月のWindows Phone Summitでは、既存のWindows Phone端末からWindows Phone 8へアップグレードパスは用意されないことが発表されました。そのかわりに提供されるアップデートが『Windows Phone 7.8』です。

Windows Phone 7.8への期待
↑2012年6月のWindows Phone SummitにおけるWindows Phone 7.8の発表。

 Windows Phone Summit以降、これといった追加情報がなかったWindows Phone 7.8ですが、11月28日付けでWindows Phoneの公式ブログ(外部サイト)に新情報が公開されました。

 公式ブログでは、Windows Phone 7.8の提供開始は2013年の早い時期になることが初めて明らかにされました。ユーザーからは年内リリースを期待する声もあっただけに、やや失望が広がっています。

 具体的なアップデートの内容として、すでに発表されているとおり、Windows Phone 8の新しいスタート画面に対応することが説明されています。ブログ記事はWindows Phone部門を統括するテリー・マイヤソン氏の名義で書かれていますが、同氏はLumia 900でWindows Phone 7.8の開発中のビルドを使用したとき、まるでまったく新しい電話になったかのように感じたと述べています。

Windows Phone 7.8への期待
↑Windows Phone 8の新しいスタート画面。Windows Phone 7.8にも同等の機能が提供される。

 Windows Phoneにおけるスタート画面は、単にアプリを起動するためのランチャーというだけでなく、情報を動的に表示する“ライブタイル”の集合となっています。Windows Phone 8では、ライブタイルのサイズを変更できるようになったほか、画面の大部分をライブタイルが占めるようになり、使い勝手が向上しています。これがWindows Phone 7.8でも使えるようになるというのが、最大のアップデートと言えそうです。

 スタート画面以外の新機能として、タイルの色などに使われるアクセントカラーが20色に増加すること、Bingのトップページでおなじみの印象的な写真をロック画面に使用できることが紹介されています。また、ゲームとして人気の高い『Angry Birds Space』や『Angry Birds Star Wars』がWindows Phone 7.8にも移植されるとのことです。

Windows Phone 7.8への期待
↑現在はWindows Phone 8専用のAngry Birds Star WarsがWindows Phone 7.8にも移植される。

 今回の発表により、Windows Phone 7.8の提供時期が明らかになった点は一歩前進と言えます。しかし全体的にWindows Phone Summitの時点から大きく進展した印象を受けず、アップデート内容もWindows Phone 8に比べて見劣りすることも否めません。特に、発売からわずか半年でメジャーバージョンアップの道が絶たれてしまったNokia Lumia 900の存在を考えると、Windows Phone 7.8にはもう少し多くの機能を期待したいところです。

 もちろん、日本のWindows Phoneユーザーなら、国内唯一のWindows Phone端末である『IS12T』へのアップデート提供も待ち遠しいところです。公式ブログでは具体的な機種名についての言及はないものの、できる限り多くのWindows Phone端末にアップデートを提供する予定であると説明されています。

■Windows Phone 7.8世代の新端末にも注目

 Windows Phone 7.8で注目したいのが、ローエンドWindows Phoneの動向です。ノキアは最新の低価格端末として、従来と同じWindows Phone 7.5を採用した『Lumia 510』を発表しています。Lumia 510はインドや東アフリカで1万5000円程度の価格で販売されているとのこと。スペック的には同じローエンドという位置付けのLumia 610と比べて、大きく見劣りしていません。

Windows Phone 7.8への期待
↑Lumia 510はローエンドながらも、Windows Phoneのユーザー体験や豊富なカラーバリエーションをしっかり提供。

 さらにWindows Phoneの公式ブログでは、Windows Phone 7.8を搭載した“新モデル”の登場をほのめかしており、その目的としてエコシステムの強化や、より多くの人にWindows Phoneを手にしてもらうことを挙げています。これはすでに店頭に並んでいるWindows Phone端末がWindows Phone 7.8プリインストールになるだけでなく、未発表の新機種が搭載してくる可能性もあるわけです。

 現在のWindows Phone 8端末はハイエンドを中心に、もっとも低価格なモデルでも300ドル台というミドルレンジの『HTC 8S』があるのみ。また、ノキアがまだ発表していない700番台、600番台の新機種についても気になるところです。

 Windows Phone 7.5の直近のアップデート『Tango』では、256MBメモリーのローエンドWindows Phoneに対応しました。しかしその対応機種はまだまだ少ないのが現状です。Windows Phone 7.8では、特にローエンドの価格帯における新機種に期待できそうです。

山口健太さんのオフィシャルサイト
ななふぉ

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