2012年10月24日17時00分

Windows情報局ななふぉ出張所

国内キャリア各社のWindows Phone最新動向

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • Pocket

 10月に入り、国内の携帯キャリア大手3社が相次いで2012年冬モデルの新製品を発表しました。しかしWindows Phone 8について、海外では続々と端末が発表されているにも関わらず、国内では1機種も発表されないという結果に終わり、落胆した方も少なくないと思います。

 筆者はソフトバンク・ドコモ・KDDIそれぞれの発表会について現地取材し、幸運にもそれぞれの質疑応答で質問する機会を得ることができました。そこで、今回は各社の発表会を振り返りつつ、Windows Phoneの今後について考えてみたいと思います。

■ソフトバンクによるスプリント買収の影響は?

 10月9日(火)、ソフトバンクが冬春モデルの発表会を開催しました。Windows Phoneについて、質疑応答での孫正義社長の回答は「常に検討はしている」というもので、前回同様に具体的な情報は得られませんでした。発表会時点では、ソフトバンクがWindows Phoneを発売する可能性は低いという印象を受けました。

国内キャリア各社のWindows Phone最新動向
↑ソフトバンクの冬モデル発表会。

 なお、10月18日よりソフトバンクモバイルのオンラインショップにおいて“プリモバイル祭り”が開催され、東芝の『X02T』が4029円という安さで販売されました。この端末は、“Windowsを搭載した携帯電話”という意味で、以前に“Windows phone”または“Windows Phone”と呼ばれていた時期もありますが、OSにWindows Mobileを採用しており、現在のWindows Phoneとは互換性がありません。

国内キャリア各社のWindows Phone最新動向
↑プリモバイル祭りで登場した『X02T』。

 一方、ソフトバンクが全米第3位のキャリアであるSprint Nextelを買収したことについては、興味深い動きと言えます。SprintはWindows Phone 7端末として『HTC Arrive』を発売したことがあります。

国内キャリア各社のWindows Phone最新動向
↑キーボード付きのWindows Phone 7端末『HTC Arrive』。『HTC 7 Pro』のSprint版だ。

 仮にSprintがWindows Phone 8端末を発売した場合、それをソフトバンクが日本に持ち込む可能性はあるのでしょうか。一般に、Sprint向けの端末は3G規格がCDMA対応したものになると思われるため、そのままソフトバンク向けに展開することは考えにくいと言えます。

 とは言え、日本のキャリアがWindows Phoneのお膝元とも言えるアメリカのキャリアを買収したことも事実です。今後の展開によっては、注目すべきキャリアになるかもしれません。

■ドコモのWindows Phone 8は遅れる

 10月11日(木)のドコモによる冬モデル発表会では、質疑応答において「Windows Phone 8の遅れ」についてのコメントがありました。

国内キャリア各社のWindows Phone最新動向
↑ドコモの冬モデル発表会。

 5月に行なわれた夏モデル発表会において、当時の山田隆持社長は「Windows Phoneを冬モデル以降で検討する」と発言していました。しかし今回の発表会で加藤薫社長は「Windows Phone 8はいろいろな事情で遅れている。マイクロソフトと端末メーカー間の問題と認識している」と回答しました。

 ドコモによる初のWindows Phone参入として期待が高まっていただけに、残念な結果と言えます。発表会当日の新聞報道では、マイクロソフトがWindows Phone 8の国内メーカー向け投入を見送ったという情報もあり、加藤氏の発言を裏付けています。

 一方で加藤氏は、Windows 8を含むWindowsプラットフォームのビジネス需要の高さにも言及しています。Windows 8ではタブレット端末が増加することから、3GやLTE通信に対応したモデルがドコモから発売される可能性はあると言えます。Windows Phoneについても、大口のビジネスユーザーからの引き合いがあればマイクロソフトや端末メーカーを動かす可能性はありそうです。

国内キャリア各社のWindows Phone最新動向
↑Windows Phone 8の企業向け機能。

 これまでのWindows Phoneはコンシューマーをターゲットに展開されてきました。しかしWindows Phone 8では企業向けの機能が強化され、OSのセキュリティー強化や企業内アプリのサイドロード(※Windows Phone Storeを通さずにアプリをインストールすること)、既存のWindows資産管理への統合が可能になるとされています。

■KDDIもノーコメント、マイクロソフトが鍵を握る?

 10月17日(水)にはKDDIが冬モデル発表会を開催。質疑応答で田中孝司社長は、Windows Phoneについて「ノーコメント」としつつも、補足的な発言をしています。

国内キャリア各社のWindows Phone最新動向
↑KDDIの冬モデル発表会。

 田中氏はやや言葉をぼかしつつも、「マイクロソフトの意向により、秋冬には間に合わなかった」というニュアンスの発言をしています。また、発表会後の関係者の取材でも、これを裏付ける回答が得られました。

 すでにKDDIは冬モデルに続く春モデルの存在を予告しており、新製品の発表を期待できそうです。ただ、KDDIの意向だけではWindows Phone 8端末を発売できないという事情があるようです。

■Windows Phone 8の開発者向け情報はどうなる?

 このようにWindows Phone 8の日本国内への展開は、いったん見送られることになりそうです。その本当の理由とはなんなのか、日本マイクロソフトの広報に取材を申し込んでいますが、「現時点では説明できる段階にない」とのこと。この点については、今後も継続して情報提供を依頼する予定です。

 そして、Windows Phoneアプリの開発者についても気になるところです。

 前回もお伝えした通り、国内ではWindows Phoneの開発者向けアプリコンテストが何度も開催されています。しかしWindows Phone端末が発売されず、イベントや情報提供もなくなってしまえば、せっかくWindows Phoneに集まってきた開発者が離れてしまう恐れがあります。

 Windows Phone 8では、アプリの開発環境が大きく変わっており、新機能についても盛りだくさんの内容となっています。また、Windows Phone 8の開発環境(SDK)についてはNDA下での配布となっているため、10月29日のWindows Phone 8の正式発表後、さらに多くの情報が公開されるものと思われます。

国内キャリア各社のWindows Phone最新動向
↑Windows Phone 8向けアプリ開発の概要。

 仮に日本でWindows Phone 8端末が発売されなかった場合、開発者向け情報の提供はどうなるのでしょうか。この点について、10月4日に開催された開発者向けイベント“Developer Camp 2012 Japan Fall”の場で、開発環境を担当する日本マイクロソフトのエバンジェリスト長沢智治氏に質問してみました。

 最初に長沢氏は「端末の発売については関与していない」と前置きしつつも、「端末がリリースされるかどうかに関わらず、Windows Phoneに関する技術情報はできる限り提供していくというのが基本的な方針」と回答してくれました。このことから、開発者向けの情報提供は続行されると期待してよさそうです。

山口健太さんのオフィシャルサイト
ななふぉ

関連記事

あわせて読みたい

最新のニュース

アスキーストア人気ランキング

アクセスランキング

Like Ranking