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Photokina2012開幕 フルサイズカメラ、ソニーNEXのコンパチ機に欧州レンズメーカーがミラーレス用新製品

2012年09月19日 12時34分更新

 ドイツのケルンで9月18日に世界最大のカメラショウ『Photokina2012』が開幕。現地から、注目メーカーのブースレポートをお送りします。

ハッセルブラッド
開幕当日のビックリ発表はこれ
デザインと素材にこだわったミラーレス一眼を突然発表

Photokina2012

 スウェーデンのハッセルブラッドは、古くは66判の一眼レフシリーズ、現在は中判デジカメ『H』シリーズでプロカメラマンに信頼がある。業界的にはHシリーズの新機種『H5D』を発表する噂はあり、実際に発表した。

Photokina2012

↑中判デジカメの雄Hシリーズの最新機種H5Dと同時発表のレンズ24mm F4.8は35mm換算17mmの超広角。

 んが、予想していた人は皆無の“APS-Cサイズの素子を搭載したミラーレス一眼”を発表した。その名は『Lunar』で、ハッセルの技術力と、イタリアのデザインが融合したカメラ。実際会場にはグリップや本体に“木”や“革”、そして“ファイバー”を使ったモックアップが無数に並んでいる。

Photokina2012
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 実際に手にすると、グリップの形状は絶妙で、バランスもいい。が、ふとレンズを見ると、見覚えがある。我が愛機、ソニーのNEXシリーズのレンズではないか。

Photokina2012
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 なるほど、ソニーはEマウントの規格を開示するとアナウンスしているから、互換マウントのカメラがついに登場したのかと感動した。説明員も、ソニーと協力していると言ってるし。
 ふと液晶に目をやると、むむ、見覚えのある表示。

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 げ、これなNEXそのものではないですかお客さん、困りますね、最初からそういってくださいよ。というわけで、2400万画素CMOSというスペック、ダイヤルやファインダーの位置をよくみれば、これはNEX7ですよね。

Photokina2012
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つまり、スウェーデンとイタリアの革をかぶったNEX7なのであった。でもグリップいいし、高級感ははんぱないのでいいかもと思ってきて、値段を聞くと「5000ユーロから」ですから約50まんえんでございます。溜息。
 でも来年の1月には発売するそうです。ちなみにソニーはグローバルサイトにて、ハッセルとの提携をきちんと発表していました。フイルム時代、ハッセルは富士フイルムと提携していて、Hシリーズの初期も同じカメラを発表していたのですが、今度はソニーとということですね。まさか、ソニーがハッセルと協力して中判カメラを開発とか・・・・ないとはいえまい?

 

ライカ
新しいMはM10ではなくライカMです

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 ドイツのカメラといえばライカ、泣く子も黙る(?)ライカは、今回、Hall1という建物を丸ごと借りきる巨大ブースを設定でみんなを驚かせました。既報のとおり全レンジで新製品を発表するという力の入り方です。
 注目はMシリーズの新機種M。これまでの最新機種がM9だったので、常にM10の噂が業界に流れていたのですが、なんとなくiPad3でなく新しいiPadといわれた気分で実機を触らせていただきました。

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 ライカMにはEVFが装着できます。自称EVFエンスーの私はもちろん付けていただきました。

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 M9と比べると、なんとなくひとまわり小さくなったのかなと思っていたが、スペック上は若干高さが増えたとか。そのせいで、逆に幅が小さくなったような印象。右肩の段差もなくなっている。

 EVFでフォーカスするときには、Mのマークの右下にある銀のボタンを押すと、合焦している部分が赤く表示される。AFではないが、フォーカスアシストが受けられるわけで、視力が弱まった自分のようなものにはうれしいEVFなのである。フルサイズセンサー+Mレンズでどんな動画が撮れるかも非常に興味があるところだ。

Photokina2012
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↑アクセサリーシューのすぐ下にあるのが、新設されたEVFの接点だっ!!
 

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↑ライカMの試用カウンターは常に2重3重の人垣で、ドイツのみなさんの期待の高さが感じられる。

 X2シリーズは、Paul Smithデザインの限定版を発表で全世界1500台。色味が伝わりにくいが、上から渋めのオレンジ、本体がダークグリーン、底面がライムグリーンという感じだ(あくまでも個人の感想です)。ライカMにも装着できるEVFも付けてみました。

Photokina2012
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 さらに、ボディ3色と革を選べるアラカルトなX2も発売するから、どっちにするか悩もう。

Photokina2012
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 こちらも新しくなった中判デジカメのライカSで、Mと同様に名称ルールが変わって、S2の後継だからS3でなくライカSなんです。

 30×44mm3750万画素のCCDを搭載で、1万9500ユーロでございます。

Photokina2012
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 見た目、大きいので超重量級と思いがちだが、実際手にするとあれ?と思うほど軽く感じる。スリップのデザインもよくて、下手なフルサイズ一眼よりこっちのほうがいいと思えるのがライカマジックなのである。ちなみに左肩の丸いダイヤル様のでっぱりが内蔵されたGPSユニット。レンズは同時発表のライカ スーパー・エルマーS f3.5/24mm ASPH.です。フードの形が素敵ですね。

Photokina2012
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 最後になったが、もっとも身近な価格帯のD-Lux6とV-Lux4も触りました。実は今回の取材のメインカメラは某社の某LX7なのだが、D-Lux6はその姉妹機である。

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 LX7のグリップのところがフラットな形状になっているから、なんとなく全体が薄いような錯覚。もちろんすべての数字も文字もライカフォントでかっこいいのである。

 

ツァイス
シュナイダー
ドイツが誇る名門レンズメーカーも
ミラーレスへシフトなのだ


 こちらも泣く子が泣き止むという、自分も大好きなツァイスです。35mm用のレンズを2本発表したのだが、55mmF1.4のデザインがなんだか気持ちよさそうなので持たしてもらいました。

Photokina2012
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 新デザインのシリーズは、ニコンD800の3600万画素のように、高画素化するフルサイズ一眼レフのための超高解像度仕様だそうで、まずはニコンとキヤノン用が発売となる。フォーカスリングの感触は見た目より軽めで、きもちいい。

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↑本体と一体となって曲線を描くフードを取ると、途中で切れたような印象になる。

 

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 そして、こちらもウレシイ新製品、ミラーレス一眼用のAFレンズシリーズで、やはり2400万画素といった高解像素子に対応した製品。レンズボディからフードへの曲線が美しい。

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 来年の夏に発売が決定で、富士フイルムのXシリーズと、ソニーのNEXシリーズの2種類が用意される。もともとソニーにはツァイスの名前が付いた交換レンズがあるからツァイス愛なみなさんがユーザーにいるに違いなく(自分もだからね)、この戦略は正しい。

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 12mmF2.8と32mmF1.8、50mmF2.8のマクロの3本で、APS-Cなので35mm換算で、18mm、48mm、75mmとまさにオイシイところを狙い撃ちでございます。

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↑こちらは同時発表のAPO Sonnar T*135mmF2。

 

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 おっと、ツァイスのブースにノキアコーナーが。そして、発表したてのWindows Phone 8搭載のNokia920が! カメラ機能だけは触らせていただきましたが、高感度が特徴です。

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 もしろんツァイス製のカメラユニットも置いてありましたよ。


 さて、こちらもファンが多いシュナイダーのブースにマイクロフォーサーズの表記が。ちかづいてみると3本のレンズが展示されており、こちらも参考ではなく、来年の発売決定だそうです。

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こちらは名称もすでに決定していて、Super-Angulon 20mmF1.4と Xenon 30mmF1.4、 MakroSymmar 60mmF2.4です。M4/3は2倍だから、28mmと60mmと120mmって、広角―標準―マクロという並びも、ツァイスと同じです。

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↑シュナイダーはiPhone用の高性能アダプターレンズも出していて、ラインアップを拡充中。

 ヨーロッパではアジアほどミラーレス一眼が伸長していなかったそうですが、世界市場を考えて、2巨頭が同時に参入することになったわけですね。

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