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Windows Home Serverブランドの消滅は本当に正しい選択だったのか?

2012年07月06日 09時30分更新

Windows Home Server is Dead...

 日本時間の7月6日未明に発表された新しい“Windows Server 2012 Essentials”のFAQ(関連リンク:FAQのPDF)において、Windows Home Serverには次期バージョンが存在しないことが明らかになりました。

Q: Will there be a next version of Windows Home Server?
A: No. Windows Home Server has seen its greatest success in small office/home office (SOHO) environments and among the technology enthusiast community. For this reason, Microsoft is combining the features that were previously only found in Windows Home Server, such as support for DLNA-compliant devices and media streaming, into Windows Server 2012 Essentials and focusing our efforts into making Windows Server 2012 Essentials the ideal first server operating system for both small business and home use—offering an intuitive administration experience, elastic and resilient storage features with Storage Spaces, and robust data protection for the server and client computers.

※Windows Server 2012 Essentials Frequently Asked Questionsより抜粋

 使ったことがない、そもそも名前を聞いたことがないという人もいるかもしれませんが、Windows Home Serverは現時点でも、Windowsマシンをネットワーク経由で最も簡単に丸ごとバックアップ/復元できる手段で、私イトーも愛用している製品。
 たとえばネットワーク内にWHSをセットアップしておけば、仕事柄たくさんのソフトウェアインストールで不安定になったマシンを、簡単に安定時の状態へと書き戻すことができます。最新版の2011ではドライブエクステンダー(複数ドライブをまとめて1ドライブとしてふるまわせる機能)が省かれるなどいくつか疑問点はあったものの、総じて”Windowsマシンの簡単バックアップ”という点においての魅力は変わらないものでした。(その一方でプロモーションに成功したとは言えませんでしたが……)。

 AppleはMacOS Xで『TimeMachine』という秀逸なバックアップ機能を提供していますが、WHSはこのWindows版といえるもの。同様の機能を持つソリューションとしては、Windows Server 2012 Essentialsとして残っていきますが、法人向け製品ということで$425と簡単に導入できる価格帯ではなくなります。

 動画、音楽、写真など、個人や家族の思い出や趣味と結びついたコンテンツは今後もどんどん増え続けます。ネットワーク経由のバックアップソリューションは、これらの大事な個人データを簡単確実に保護する重要な手段です。
 WHSブランドの不振ゆえの決断であることは容易に推測できますが、“一般消費者向けバックアップソリューションの新規開発をやめてしまう”という選択は、早まった選択ではないか?と思わずにはいられません。
 なお英語版FAQを見る限り、WHSの現行版であるWindows Home Server 2011単体製品における現行チャネルでの販売期間は、2013年12月31日までのようです。

【7/6 14:00追記】
初出時の誤植を修正しました。ご指摘ありがとうございました。

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