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スラスラ度マシマシ!愛用者続出『Su-Pen』の新ペン先はこうして誕生した:第1回

2012年07月02日 14時00分更新

 心地よい手書き入力のためにつくられたスマホペン、『Su-Pen』。編集部にも愛用者の多い逸品だが、一部の製品で書けなくなるなどの不具合が発生し、問題点をクリアーしたバージョンアップ版の発売となった。書き味の悪くなった旧Su-Penは無償で新しいものと交換してくれるという神対応。

 バージョンアップによって何がどう変わるのか、新ペン先誕生に至る開発秘話を聞いてきましたよ。

su-pen2

『Su-Pen(スーペン)』 ●MetaMoJi ●価格2980円 
●全長 約106ミリ、重量 約20グラム 

――私(ライター牧野)の初代Su-Penは問題なく今も使えてますが。

植松さん(7notes&Su-Pen開発者)
「大半は問題ないんです。ちょっと品質の不安定なものがあって。

浮川社長
「最初のころは1件も不具合なんて出てなかったんですよ。もっとあとになってからですね。

――なので、無償交換していただくのもなんだなーって。

浮川社長
「新バージョンは書き味もよくなっているので、せっかくですので使ってみてください。すーっと軽く書いていただけば。


――……はいはいはいはい!(スラスラ度向上してますの意


植松さん
「ペン先の繊維を完全に見直していて、編み方もちょっと変えたので、ちょっと目が粗くなったように見えます
けどね」

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↑左が新しいペン先、右が初代のペン先。

――どういう場合に書き味が悪くなってしまうんですか?

植松さん
「わりと大きな生地を使っていたため、1ミリとか2ミリレベルの欠点が布メーカーさんのチェックから漏れてしまったようです。(運悪く)その部分にあたってしまった場合は、ですね。」

浮川社長
「大半はまったく問題がないんですけどね。」

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↑MetaMoJi(メタモジ)の浮川和宣社長。手書き文字変換アプリ『7notes』シリーズの生みの親。

――初代のものは特殊な生地なんですよね。

植松さん
「はい。Su-Penでしか、使われていない生地です。導電繊維かつ伸縮性のあるもので、「この生地、用途ないですかねえ?」と探されていたものを「我々にちょうどいい!」ということで使ったんです。もともとペンのためにつくられた生地ではなかったんで、品質にちょっとバラツキが出てしまって、性能の落ちやすい部分があったんですよ。」

浮川社長
「研究用につくった生地をそのまま。世の中に流通しているようなものだと、それなりのクオリティーの試験を通すんでしょうけど、研究レベルだったのでそこまではやってなかった可能性もあります。もともと利用目的が違ってたものですから。(バラツキについて)研究所の人とお話ししたときに、ちょっとそんな顔してましたね(笑)」

岩田さん(広報さん)
「我々のほうとして非常に困ったのは、見た目ではわからないことです。我々がテストしたときにはまったく問題なく書けるものが、ある期間を経たり、ある程度使ったときに、なぜか急にバラツキがでてきてしまう。

植松さん
全部、きちんと検品してるんですよ。

――え、全部ですか!?

浮川社長
「製造していただいているところは全品検査のところなんです。最初から。ただ、基本的に摩耗(まもう)しない素材ですから、これはダメ、これはいいという見極めが自分たちの手元ではどうしてもできない。それが前バージョンの大きな欠点だったんですよ。
なので、今度はそういう欠点の出てこないような繊維、生地の新しいつくり方でやろう、せっかくだから徹底して新しいものを開発しようと思ったんですね。」

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↑そして誕生したのが新ペン先の『Su-Pen』。ペンセットとペン先2本セット、どちらもパッケージの色が変わった。

――さて、次回は新『Su-Pen』ペン先のために自作した自家製“耐久性試験機”のお話です。(第2回へつづく

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