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ありがとう谷澤、元気でねフォンチー、アイドリング!!! 7号・8号卒業ライブ完全レポ

2012年01月21日 11時00分更新

 2012年1月20日、フジテレビONEにて『アイドリング!!!』の #827 が放送された。そのタイトルは『あと約1時間で卒業ング!!!さらば!7号谷澤恵里香スペシャル!』。この放送をもって、7号・谷澤と8号・フォンチーは、完全に「元アイドリング!!!」になった。

 アイドリング!!!メンバーとしての2人のラストシーンを見届けたいま、卒業ライブから3週間と遅ればせながら、彼女たちの卒業ライブを振りかえってみたい。

卒業スペシャル収録

 800人の観覧者で超満員となった、フジテレビ V5 スタジオ。卒業ライブにさきがけ、8号・フォンチーと7号・谷澤恵里香それぞれの卒業スペシャル番組が収録された。

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超満員の観覧者がすし詰めとなったスタジオ。誰もが時代の証人になるべく、そして5年間の労をねぎらうために、フジテレビに詰めかけた。(残り2時間42分)

 収録では、2人のデビューからこれまでの活躍を紹介するビデオを上映。フォンチーの黒フォンチーぶりに会場が沸き、伝説の“ヤザワ少佐”には歓声が挙がった。

 それまで当たり前のように観ていた放送の1回1回が、いまとなっては宝石のように輝いて見える。2人の若かりしころの姿(いまでもじゅうぶん若いですが)に5年という時の流れを感じつつ、収録はなごやかな雰囲気で進んでいった。

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先に収録を終えたフォンチーは、6号・外岡から手渡されたハイビスカス(造花)の花束を手に、盟友・谷澤の収録を暖かく見守っていた。(残り2時間38分)
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谷澤は自らの収録では終始笑顔を見せ、途中にはMCのバカリズム升野と記念写真を撮る余裕も。(残り2時間38分)

 この収録ではうっすらと涙ぐみメンバーもいたものの、終始おだやかなムードが続いていた。なにしろ卒業の本番はこの後のライブなのだ。いまから感情を無駄遣いするわけにもいかない。その時を待つメンバーたちは、2人に暖かい拍手を送っていた。

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谷澤には、3号・遠藤からチューリップ(造花)の花束が贈られた。この日の谷澤は終始、気丈な姿を見せていた。(残り1時間44分)

卒業ライブ

 いよいよ、谷澤とフォンチーを送り出す卒業ライブがスタート。満員の客席には、ふだんのライブとは異なる種類の感情が充満していた。2人の一挙手一投足を見逃すまい、2人の姿を脳裏に焼き付けよう、そんな決意が、会場を埋めたファンからは感じられた。

M1 『キミがスキ』

 1曲目は、デビューシングルのカップリング曲である『キミがスキ』。1期生の2人を送り出すには納得の選曲だろう。目の前には谷澤とフォンチー。ボクたちはいつも、このアイドル2人にドキドキしてきたのだ。

 『キミがスキ』の最後は、フォンチーによる『アナタが……』のセリフで締めるのだが、この日ばかりは違う言葉で締めくくっていた。『アイドリング!!!が!』

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卒業ライブは20人がステージに勢ぞろいして、にこやかな表情でスタート。(残り1時間44分)
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フォンチーは「牧場から来たハイジ」と言われていたころのような柔和な笑顔だ。(残り1時間43分)
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同じく優しげな笑顔で歌う谷澤。素敵な笑顔は変わらないが、体型はデビュー時に比べるとかなりスラッとした。(残り1時間43分)
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こうやって2人が並んで踊る姿はこの日が見納め。あらゆるシーンが思い出の1枚となる。(残り1時間42分)
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スポットライトが後光のように谷澤を照らす。デビュー時は素人同然だった彼女もいまや、多くの後輩をもつ頼れる先輩だ。(残り1時間40分)
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1曲目が終了。ホリプロの後輩である24号・野元も、まだ笑顔を見せる余裕がある。(残り1時間39分)

 ここでメンバーはナンバー順に整列。見慣れた光景のはずだが、今日ばかりは特別な意味を持つ。列の左端に1期生5人が並ぶのを観られるのは、この日が最後だからだ。

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3、6、7、8、9。この並びを見るのもこの日が最後だ。ちなみに現在の収録セットは、一部のデザインが初期の球体展望室時代に少し似ており、不思議な感覚に襲われる。(残り1時間36分)

M2 『U』

 2曲目にもってきたのは『U』。3期生加入後の比較的新しい曲だが、谷澤とフォンチーを含む年長組6人が歌う曲でもある。

 1期生というくくりとは別に、全員が21歳以上という年齢の近いメンバーどうしで最後に同じ曲を歌うことにはまた、格別の感慨があるのだろう。

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年長組6人が残り、ステージが暗転。しっとりとした『U』がはじまった。(残り1時間35分)
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手前の遠藤に視線が向いた谷澤。きっと無意識に、仲間のことを観ていたのではないだろうか。(残り1時間34分)
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フォンチーと16号・菊地は、谷澤を含む同学年。アイドリング!!!に残る菊地がいまブレイクを果たしていることは、フォンチーにとっても心強いはずだ。(残り1時間34分)
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卒業する2人がフロントに立つフォーメーションを披露。アダルトな魅力ももつアイドリング!!!の姿をファンは目に焼き付けていた。(残り1時間31分)

M3 『ラブマジック♡フィーバー』

 3曲目は一転して、アップテンポの『ラブマジック♡フィーバー』。いまとなっては不思議だが、この曲に参加する1期生は谷澤とフォンチーの2人だけだ。2人が主役の卒業ライブゆえ、欠かせない曲といえよう。

 この曲では合間合間の決めゼリフが見どころのひとつ。谷澤にとって最大の見せ場でもある『ラブマジック、サンキュー!』は、この日ばかりは彼女の感謝の気持ちに置き換わっていた。『アイドリング!!!、サンキュー!』

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若手メンバーも加わって、縦ノリの『ラブマジック♡フィーバー』がスタート! みんなでジャンプジャンプ!(残り1時30分)
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フォンチーが教えて『あげる!』。これからもいろいろ教えてくださーい。(残り1時間30分)
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「アイドリング!!!」(残り1時間27分)
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「サンキュー!!」(残り1時間27分)
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最後はおなじみのポーズでフィニッシュ。卒業ライブといえどもしんみりせず、楽しげに歌うのがアイドリング!!!流だ。(残り1時間26分)

M4 『GO EAST!!! GO WEST!!!』

 4曲目は大人組10人で歌う『GO EAST!!! GO WEST!!!』。もちろん谷澤とフォンチーもオリジナルメンバーだ。カップリング曲ながらライブでは定番曲で、ノリのよさが人気の曲でもある。

 この日の2人はとにかく、万全のパフォーマンスを見せていた。決して「デタラメで乗り切れ」なんてことはなく、アドリブもきちんと入れつつ、最後のステージを務め上げようという姿勢が伝わってきた。

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2年にわたった20人時代の大人組が『GO EAST!!! GO WEST!!!』を熱唱。この組み分けも、キッチリとした意味を持つのはこの日限りだ。(残り1時間26分)
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「ゴーイースト! ♪」(残り1時間25分)
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「ゴーウエスト! ♪」(残り1時間25分)
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最後は肩を組み合って仲間同士で熱唱。だって何年後も何十年後も、みんな友達ですよね!(残り1時間22分)

M5 『百花繚乱アイドリング!!!』

 ここで1期生だけがステージに残り、しばしトーク。谷澤もフォンチーもまだ涙は見せていないが、遠藤の衣装で鼻をぬぐうフリをするなど、最後の日まで谷澤が自分の役割を守り続けていたのが印象的だった。

 そして、「1期生が最初にもらった曲」の『百花繚乱アイドリング!!!』。記者はこの瞬間がくるのを覚悟していた。そう、イントロ終わりにファンが『フォンチー!』と絶叫するコールも、今日が叫び納めだからだ。

 果たして、ディストーションのかかったギターがイントロを奏で始めると、満員の観客はその瞬間のために、気持ちを集中したはずだ。拍の裏を喰う印象的なホーンが鳴り響き、最後の瞬間が近づく。

♪タララ ターララ ラーララー パッパッ パパパパ
♪タララ ターララ ラーララー パッパッ パパパパ
♪タララ ターララ ラーララー パッパッ パパパパ
♪タララ ターララ ラーララー
「フォンチー!!!」

 その瞬間、記者のカラダには電流が走った。比喩ではない。本当に電気ショックのように、なにかがこみ上げた。きっと、私など比べ物にならないほどアイドリング!!!に愛情をもつファンは、それ以上の衝撃を感じたはずだ。とにかく、ビリビリきたのだ。

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遠藤の衣装で鼻を拭く谷澤。さらりと受けて立つ遠藤もまたすごい。アイドル戦国時代といえど、このバラエティ力に並ぶグループはいないだろう。これも1期生がつくりあげてきたのだ。(残り1時間20分)
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1期生が気を付けの姿勢で整列。もちろん、百花繚乱が始まる合図だ。(残り1時間19分)
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♪タララ ターララ ラーララー パッパッ パパパパ(残り1時間19分)
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「ワン ツー スリー ゴー!」 正直、このあとのコールの瞬間は電気ショックの印象しか覚えていない。(残り1時間18分)
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「パーヤ パーヤ パッパッパ パーヤ♪」(残り1時間18分)
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「打つぞホームラン♪」 これからも芸能界でホームランをかっ飛ばしちゃってください!(残り1時間18分)
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これまで何百回、いや何千回、このポーズを繰り返してきただろうか。だがそれもこの日が踊り納めなのだ。(残り1時間18分)
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ゴー! ゴー! と腕を突き上げる1期生5人。彼女たちがアイドリング!!!にいてくれたことこそが、ミラクリングなんです!!!(残り1時間17分)

M6 『ガンバレ乙女(笑)』

 1期生5人はそのまま続いて、奇跡の名曲にしてデビュー曲の『ガンバレ乙女(笑)』に突入。6年経ってもなにひとつとして色褪せていないこの曲は、これからも代々のアイドリング!!!たちが歌い継いでいくことになる。

 3人だけになる1期生が今後、1期生トリオとして『ガンバレ乙女(笑)』を歌っていくかどうかはわからない。だが、アイドリング!!!の魂でもあるこの曲は、いつまでも受け継がれていく。だからこそ、11thライブでは5期生候補生たちにこの曲を踊らせたのではないだろうか。

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なにか未来を感じさせるようなイントロで始まる『ガンバレ乙女(笑)』。この5人で歌う姿もこれで最後だ。(残り1時間16分)
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谷澤とフォンチーは、どんな予感をカバンに詰め込んで、芸能界の荒海に乗り込んでいくのか。(残り1時間15分)
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うんうんとうなづくおなじみのポーズ。アイドリング!!!を卒業しても、弾けるファイティングポーズを忘れずに!(残り1時間15分)
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卒業する2人が高らかに熱唱。これまでその笑顔でボクらを照らしてくれてありがとう!(残り1時間14分)
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ファンは懸命のコールで谷澤とフォンチーを祝福。ライブでは終始、ステージと客席が一体となっていた。(残り1時間13分)

M7 『モテ期のうた』

 ガン乙から間髪を入れず、まさかの5人だけで『モテ期のうた』を披露。ふだんは大人数でグルグル円を描くのが定番だが、考えてみればこの曲は1期生時代最後のシングル曲でもあり、この5人で歌うにはふさわしい選曲なのだ。

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思わぬタイミングでモテ期がきたぞー。背後から照らされながら5人がくるくる回る。(残り1時間12分)
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『Snow celebration/モテ期のうた』は、初のオリコンベスト10にランクインしたシングルでもある。これからももっとモテちゃってください!(残り1時間12分)
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各種バラエティ番組でモテモテの谷澤。調子に乗り過ぎはダメよ!?(残り1時間10分)

M8 『台場の恋の物語』

 この日、この曲を期待していたファンも多かったのではないだろうか。いっぽうで、初めて聴いたという人も少なくなかったはず。それもそのはず。『台場の恋の物語』が披露されたのは、2009年3月の5thライブ以来、2年9ヵ月ぶりだからだ。

 いっぽうで初期のナンバリングライブでは定番でもあったこの曲。かつてはヤザワ少佐の衣装で歌ったという歴史もあったりする。それゆえ、イントロが鳴ったときの客席の反応はビビッドだった。

 なにより重要なのは、この曲はバカリズム升野がいないと成立しないという点。最近、他のアイドルを推すというネタを多用するバカリズムだが、実はアイドリング!!!愛に満ちあふれているところを、この卒業ライブで見せてくれたのは、谷澤・フォンチーにとってもファンにとってもうれしかったところだろう。

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ムード歌謡の雰囲気満点の『台場の恋の物語』には、紫の照明が映える。(残り1時間6分)
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顔面に涙のメイクを施したバカリズム升野が登場。電人ザボーガーに見えちゃった人は、歳がバレますよ。(残り1時間5分)
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この曲では社交ダンスふうの振りが見どころ。フォンチーはAD植松氏とダンス。(残り1時間5分)
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谷澤は森ディレクターとのコンビネーション。すっかりノリノリのポーズだ。(残り1時間4分)
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ここでバカリズムが谷澤に絡みだす。むしろこのくだりこそが、『台場の恋の物語』の真骨頂なのだ。(残り1時間4分)
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円を描いて振り回す振り回す! 力の限り振り回すバカリズムもプロなら、精一杯振り回される谷澤もプロだ。(残り1時間3分)
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ついに遠心力に負けてすっころぶ谷澤! 遠慮なく投げ飛ばすのがアイドリング!!!流だ。(残り1時間3分)
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そして標的はフォンチーに。このあとの展開を考えれば、そりゃあイヤな顔にもなりますって。(残り1時間2分)
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するとバカリズムは振り回したりすることなく、いきなりのタックル!?(残り1時間2分)
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そのまま一気に寄り倒し! この次のカットは大事なところが丸見えなので自粛させていただきました。(残り1時間1分)
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気分の収まらない升野は、男性スタッフに次々ととび蹴り! あくまで容赦しないところがアイドリング!!!なんです。(残り60分)

M9 『Iのスタンダード』

 ここで再びステージ上には20人が集結。そう、アイドリング!!!には20人全員がそろわないと歌えない曲があるのだ。

 もちろん曲は『Iのスタンダード』。この曲を歌うこと自体が、アイドリング!!!の結束を表わしている。今後、人数が増えても歌い継がれるのかどうか不明だが、少なくとも20人バージョンは今回がラスト。ファンはメンバーそれぞれの決めゼリフに酔いしれていた。

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ステージに全員が登壇。何度も書きますが、アイドリング!!!はフルメンバーでいるときが一番美しいのです。(残り56分)
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谷澤はいつでも「七転八起!」。何回転んだって、大きくなって起き上がるんです。(残り55分)
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フォンチーはもちろん「喧嘩上等」。ホントの喧嘩はダメだけど、その勢いでこれからの仕事に取り組んじゃう!(残り54分)
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I と愛が合わさって、アイドリング!!!はここまで大きくなりました。2人の愛はこれからも、綿々と受け継がれていきますよ。(残り52分)

M10 『Like a Shooting Star

 楽しかった卒業ライブも、この曲で放送ぶんはラスト。最後を飾るのはライブでも定番の『Like a Shooting Star』だ。

 谷澤とフォンチーは、ボクらにとっては長年の功労者かもしれないが、芸能界的にはまだまだ輝き始めたばかり。そんな2人を送り出すにはピッタリの曲だったと言えよう。

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星屑が降るなか、全員で『Like a Shooting Star』を歌い上げた。(残り47分)
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フォンチーは今後、どんな星となって輝いていくのだろうか。ベトナム国旗のように大きな星として輝いてほしい。(残り47分)
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そして谷澤も、流星のようにきらめいていくはず。まだ涙は見せないよ。(残り46分)

テレビ生放送 エンディング

 10曲目が終わった時点で、卒業ライブの生放送は終了。バカリズム升野と、最初期から番組アナウンサーを務める斉藤舞子アナが、卒業する2人の労をねぎらった。

 最近は他のアイドルのファンを公言するバカリズムだが、デビューから見守ってきた愛情は深いはず。最後はガッチリと握手で2人を祝福してくれた。

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生放送のラストで談笑するバカリズム、斉藤アナ、フォンチー、谷澤。この写真だけならふだんの収録と変わりない。(残り46分)
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テレビを観ているファンに、最後のお手振り。画面の向こう側ではたくさんの人が涙していたかもしれない。(残り43分)
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会場のファンも、2人に向けて懸命にサイリウムを振っていた。美しい光景だ。(残り43分)
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バカリズム、斉藤アナとがっちり握手を交わす2人。最後までおちついた態度を見せていた点は特筆すべきだろう。(残り41分)

M11 『ベタな失恋~渋谷に降る雪~』

 ここからは、会場に来たファンだけが観ることができた貴重なシーンだ。まずはキュンキュンアイドリング!!!による『ベタな失恋~渋谷に降る雪~』。最近は「○○アイドリング!!!」的なユニット名を付けることもなくなったが、キュンキュンは外岡、谷澤、河村、朝日によるユニットだ。

 ここでは本ライブで初めて、フォンチーが舞台袖に引っこみ、谷澤が残る組み合わせを披露。まずは谷澤の見せ場というわけだ。

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盟友・外岡と2人で熱唱する谷澤。1月6日が発売日だったゆえ、この時期に歌うにはピッタリの曲でもあった。(残り39分)
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歌が終わると、気丈な河村が涙ぐむシーンも。それに笑顔で応じる谷澤の強さは、ほかのメンバーもぜひ受け継いでもらいたいものだ。(残り35分)

M12 『NA・GA・RA』

 続いては、フォンチー率いるユニット・ギザギザアイドリング!!!による『NA・GA・RA』。すでに4人のうち2人が卒業しているギザギザだが、新メンバーに19号・橘と20号・大川を入れ、昨年11月12日のニコはちライブで同曲を披露したのは記憶に新しい。

 古参ファンには常識だが、キュンキュンやギザギザは、メンバーが4つのユニットに分かれてそれぞれの曲を歌い、順位を競うというコンセプト。最近の枠組みで言えば、チーム“Flavor”(谷澤)とチーム“スタミナ丼”(フォンチー)でそれぞれ持ち曲を歌うようなものだ。

 だが、とくにギザギザはフォンチーが卒業することにより、オリジナルメンバーは17号・三宅ひとりになってしまう。それゆえニコはちライブでの披露は驚きをもって受け止められたのだが、この日はパフォーマンス後に三宅が「ひとりにしないで~」と涙を流したのが、ファンの心を打っていた。

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ギザギザアイドリング!!!のオリジナルメンバー2人が熱唱! マイクスタンドを使う曲は、いまのところこの曲しかないはず。(残り31分)
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最後、ビシッと決めポーズを決めた、はずだが、三宅だけイマイチ角度が甘いような……。(残り28分)
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その理由は、ひとりぼっちになってしまうことへの不安だった。大丈夫、あなたには仲間がいますよ!(残り27分)

M13 『Snow celebration』

 ライブの残るはあと2曲のみ。ライブ後半の定番曲『Snow celebration』だ。冬の卒業式にふさわしい曲だろう。

 この曲では、曲中にステージに雪を模した紙ふぶきを降らせるのが定番の演出。いつも見慣れたはずの雪なのだが、この日ばかりは谷澤が妙にその雪に反応していたのが印象的だった。きっと彼女には、涙雨ならぬ涙雪に見えたのかもしれない。

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両手を挙げるこのダンスとくれば『Snow celebration』。どんな状況になっても、グループ卒業しても、キミはひとりじゃない。(残り25分)
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谷澤とフォンチーが2人並んで歌うのもあとわずか。いまや貴重な光景を、ファンは目に焼き付けんばかりに注目していた。(残り23分)
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客席の上方を見上げる谷澤。彼女の視線の先にはなにが映っていたのだろうか。(残り21分)
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ハラハラと舞い落ちる紙ふぶきに目を奪われる。これまで何回も体験してきたはずなのに、同じ光景に見えなかったのかもしれない。(残り20分)
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思わず上を見上げた谷澤。後列の11号・森田も連られて見上げてしまうほどに、谷澤は紙ふぶきに気を取られていた。(残り20分)

M14 『friend』

 そしてついに、この瞬間がやってきた。アイドリング!!!の一員として歌うのは、泣いても笑ってもこの曲が最後となる。

 思えば、12月4日の11thライブでは、この『friend』が昼公演のラストだった。卒業しても、芸能界の大海原に乗り出しても、ボクらは谷澤とフォンチーの味方だ。そんな思いが客席には満ちあふれていたことだろう。

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アイドリング!!!として最後のパフォーマンスを務める谷澤。ここまで涙を見せなかったプロ意識は、さすがのひとこと。(残り19分)
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こちらも気丈にステージを務めたフォンチー。彼女なら間違いなく、自分のポジションを築き上げていくはずだ。(残り19分)
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最後、1期生の5人が中央部分に固まって、フィニッシュに向かう。心なしかメンバーの表情から、悲しみが伝わってくるようだ。(残り17分)

そして、卒業

 全14曲が終了。谷澤とフォンチーがアイドリング!!!として歌うシーンは、もうなくなってしまった。

 ここまでこみ上げる感情を抑えていたメンバーたちも、次々と涙腺が緩み出し、素直な気持ちを口にし始めた。

 なかでもファンの心を打ったのは横山。「だって、これ言ったら、終わっちゃうんでしょ?」と、贈る言葉を掛けることさえためらう彼女に、ファンは同じ気持ちを感じていたはずだ。

 だが、終わりは次の始まりでもある。満員のファンをバックに記念撮影を行なったころにはもう、彼女たちには笑顔が見え始めていた。前に進み続けるという芸能人の運命を、彼女たちは背負って生きていくのだ。

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全曲を歌い終わったメンバーたち。魂が抜けたのか、1期生たちは覇気のない表情を見せていた。(残り15分)
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緊張が切れ、2人と抱き合う外岡。今後いつでも会えるとは言え、ステージ上でいっしょにパフォーマンスするのはこれで最後だ。(残り12分)
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贈る言葉を口にすることを拒んだ横山。その気持ちはファンも一緒だ。マスコミ陣でさえ、これを記事にしたら終わってしまうという気持ちをもっていたかもしれない。(残り10分)
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ついに感情が堰を切った後輩たち。(残り9分)
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涙を見せる者、呆けた表情になるもの。大事な人を送り出すというのは、とても複雑な感情だ。(残り9分)
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誰よりも谷澤を慕い、しかも谷澤自身に好影響を与えていた26号・尾島。その涙は、美しかった。(残り8分)
これがアイドリング!!! 20名です!
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20人そろっての記念撮影は、本当にこれがラスト。大事なファン様に見送られながら、きっちりと笑顔を見せてくれた。(残り6分)
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記念撮影ではこんな明るい笑顔も。この切り替えこそ、彼女たちが厳しい芸能界で生き残っていくのに必要な要素だろう。(残り5分)
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一瞬、フォンチーがレスをくれた。そのまなざしはどことなく優しげだ。(残り4分)
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こういう笑顔を「晴れやか」というのだろう。卒業式が終わろうとしているこの瞬間、2人はやり終えた充実感も感じていたはずだ。(残り2分)

ラストシーン、そして

 最後は谷澤とフォンチーをステージに残し、メンバーたちは退場。本当に最後の挨拶をファンに行ない、2人は美しく卒業していった。

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2011年12月23日 20:48 アイドリング!!! 7号・谷澤恵里香(左)、アイドリング!!! 8号・フォンチー。(残り30秒)
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2011年12月23日 20:49 タレント・谷澤恵里香(ホリプロ所属、右)、タレント・フォンチー(SMA所属)。(卒業)
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最後は2人そろって笑顔で決めてくれました。ベトナム出身のフォンチーさんは、ベトナムフェスティバルの宣伝部長などで活躍しています。東京の下町出身の谷澤恵里香さんは、『くだまき八兵衛X』のレギュラーなどで活躍中です。(卒業20秒後)
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アイドリング!!! 1期生3人と、元アイドリング!!! 2人が談笑。5年間以上いっしょに活動してきた仲良しさんなんです。(卒業1分後)

編集後記(みたいなもの)

 1月11日、記者は東京・中野の劇場、中野ポケットに足を運んだ。そこでは舞台『空色ドロップ』のゲネプロが公開され、キャストの記者会見が催されていた。

 戦争をひとつのテーマとしたこの作品には、未来と過去が見える知識人という女性が登場。特攻隊員の未来が見えてしまうのだが、それを優しい嘘で覆い隠すという、難しい役どころだ。

 その役を演じていたのは、元アイドリング!!!のフォンチー。以前から積極的に舞台に出演しており、今回も難しい役を自分なりにこなしていたのが頼もしかった。

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3週間前と同じフォンチー。でもきっと、少し違うんだろう。週アスでは谷澤恵里香さんとフォンチーさんを、応援し続けます!(14日後)

 この取材時に感じたのは「ああ、フォンチー、変わってないな」ということ。でも考えてみれば、当たり前。自分の中学や高校の卒業式を思い起こせば、卒業式の半月後に自分がそうそう変わっていたなんてことはないだろう。

 でも、数ヵ月、半年、1年経ったとき、きっとボクらは以前とは違うフォンチーを目にしているかもしれない。それはきっと、谷澤恵里香においても同じはずだ。

 そしてフジテレビONEでは1月20日、ようやく卒業スペシャルが放送された。これで、アイドリング!!!としての2人は見納め。正直、この放送が終わるまでは気持ちの上で、この記事を書くことができなかった。お待たせしてしまってゴメンなさい。でも、アイドリンガーのみなさんには、この気持ちがわかってもらえると思います。

●関連サイト
アイドリング!!!公式サイト
谷澤恵里香 オフィシャルブログ 「やざわッていいます」
フォンチーオフィシャルブログ「フォンとにチーっとずつ頑張ります!!」

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