2011年12月06日11時30分

“だって僕らはロックンローラーですから” NICO Touches the Wallsインタビュー

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今年の4月に『PASSENGER』、そして12月には『HUMANIA』と、1年に2枚のオリジナルフルアルバムを発表したNICO Touches the Walls。今回は新作『HUMANIA』についてたっぷりメンバー4人にお話を伺いました。なお、週刊アスキー12月6日発売号には愛用品やプレイリストも掲載中。併せてチェックしてください!!

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肉食系ということです

――今年2枚目のアルバムが完成。できあがっていかがです?

光村 自分たちのバンド人生をかけた渾身の一枚。空っぽになるまで音楽をつくろうと挑んだので、完成して本当にすっからかんです。全部出し尽くした爽快感と満足感があります。

――そこまで打ち込んだ理由とは?

光村 音楽は僕らにとっての聴き手との唯一のコミュニケーションツール。そこで草食系でいてもしょうがないなと思ったんです。ガツガツ、ずうずうしく俺たちはこうなんですよ! と包み隠さず自分たちの本音を音楽に載せてみんなと会話をしたかった。それが、音楽をやり尽くそうと決意したきっかけです。

対馬 肉食系ということですね。

――『HUMANIA』というアルバム名も意味深です。

光村 それに人間のマニアックな部分、人格の核を追求してとにかく普段声に出したくても出せない、恥ずかしい素性をさらけ出したかったんです。それを切り取って、人格のサラダボールにしたかった。どの曲たちも違う人格をもっているというように。きっと聴き手が自分自身を深く掘り下げていったときに必ず出会う人たちが曲の中に存在していると思います。それをしたことで結果的に僕らの世代がいかにゴチャゴチャした気分を抱え生きているのかを提示できたと思うんです。

――ゴチャゴチャした気分というと?

光村 一見ピュアなラブソングや男っぽいロックなど多種多様なジャンルの曲があるのですが、歌詞の内容だけに注目すると実は主人公が全員ダメ男と思うくらいダークサイドをまとっているんです。

坂倉 しかもいろんなダメな面があるんですよ。

光村 単純に人格だけを切り取れば、ここまでダメ男の話が揃わずに、もっと美しいアルバムができると思ってました。でも終わってみたら驚くほど悲しい歌が多くて、悲しくない成分がない曲が見あたらない。どこかしら悲しみを背負っている、だからこそ吹き飛ばすなり、手を叩いてその瞬間は楽しいでしょうと歌えるんだなと。これが僕らの世代の抱えているものだし、自分たちの陰と陽のバランスなんだろうと仕上がって感じました。

――歌詞が本当に赤裸々ですよね。

光村 今回は自分が普段の生活で思い当たることしか書かなかったので、視点はどの曲もニッチで赤裸々。だって僕らはロックンローラーですからね。そこから始まるというか、正直な人のほうがいいじゃないですか。だからは僕は死ぬほどバカ正直になりたいと今回のアルバムで思ったんです。

対馬 みっちゃん(光村)のバカ正直というのは制作中に感じていました。以前は曲をもってくるときも「まだあるよ、こんなのもあるよ」と隠している匂いがあったんです。でも今回はそういうのがなくて、全部吐きだしているのかなと思ったんです。きっと4人全員が同じ方向を向き、本当にバンドなんだなって感じた瞬間もあった、そういう雰囲気だからみっちゃんがそうなったんだなって。だから、本当に4本の矢は折れない! って実感しました。

音楽の扉が完全に開いた状態

――新作はより内側へ入っていきながらもポップさがあります。

坂倉 僕らはすごく外に向かったアルバムができたと思っているんです。それはとても大事なことですよね。
光村 自分たちの内面に徹底的に入り込んだ作品だからこそ、それが外に向いていたのは本当に良かった。音の向こうに常に聴き手がいることを意識して言葉を選び、アレンジを決めたんです。音楽を聴いたことで聴き手が素直に僕らに想いを返してくれるような、そのくらい包容力のあるものを目指したし、そして作品を通して人と人とが繋がっていくこともイメージもしたんです。……『HUMANIA』は“HUMAN”と“MANIA”の造語ですが、国の名前っぽいじゃないですか。僕はこのアルバムは『HUMANANIA』というひとつの国のような気もするんです。自分自身、国旗がすごい好きで、いろいろな本をもっているのですが。このアルバムはひとつの『HUMANANIA』という国に同じ思想だけど性格の異なる人が集っていて、孤独な歌から家族の歌、そして自分の中の天使や悪魔、人と何かの交わり、そのつながりの連鎖で国が成り立っているような感じもしたんですよね。

――国、ですか。確かにこの人格のサラダボールはある種の国家とも考えられますね。古村さんは作品のポップさやキャッチーさに関してどうですか?

古村 本当になんでもあり。俺たちの世代がいろんな音楽を聴いてきたことをそのまま出せたので。本当に今までいちばん強く、俺たちらしい作品だと思っています。

――強くて、そして自由ですね。

光村 そうですね。みんなのびのび演奏しているし、メンバーの音楽の扉が完全に開いた状態。現時点での決定版です。それにジャンルがバンドによってはっきりわかれている僕らの世代のロックバンドのイメージに、新たな色を加えられるなとも思っています。俺らみたいなバンドもいるんだと。そういう力ももったアルバムだと思うんです。自分たちもまたつくれと言われても絶対につくれない、それほど魂を注ぎ込んだので、長く聴いてもらえたらうれしいですね。

週刊アスキー12月6日発売号に掲載のプレイリスト。今回は特別に6曲選曲していただいたので、掲載できなかったものも含めてお楽しみください!

【お題】
冬の散歩で聴くと染みる曲

選曲:NICO Touches the Walls


【コメント】
寒い日にひとりイヤホンをしながら荒川や隅田川、土手を目指して歩く用の曲です。(坂倉)坂倉は散歩が趣味なんです! 夜な夜な街を徘徊しているんですよ。職務質問もされたみたいなのですが、そんな坂倉さんが染みる、そしてメンバーがおススメの曲を選んでみました。(光村)

【1曲目】
The Verve
『This Time』(アルバム『Urban Hymns』収録)iTunes

僕の中の染みる定義はいかに音が濡れ、ぴちゃぴちゃしてるかなんです。ディレイやリバーブ感がイイ。(坂倉)

【2曲目】
Dreams Come Ture
『LOVE LOVE LOVE』(シングル『LOVE LOVE LOVE/嵐が来る』収録)

寒いと人肌恋しくなるので女性の歌が聴きたくなります。ひとりで「うんうん」と歌詞に酔いしれます。(対馬)

【3曲目】
STING
『Englishman In New York』(アルバム『Field of Gold-The Best of STING-』収録)iTunes mora

クラリネットやホーンなどの楽器の音が冬の寒い夜っぽい。だから誰が聴いても冬に合うはずです。(古村)

【4曲目】
カズン
『冬のファンタジー』(アルバム『ラブ&スマイル』収録)mora

地元の男友たちと必ず冬になると2人でハモります。「去年、俺下だったから今年上ね!」という感じで。(光村)

【5曲目】
RADIOHEAD
『Idioteque』(アルバム『Kid A』収録)iTunes mora

無機質な音とともにボーカルの冷たいながらも熱くなっていく様が冬に聴くといい感じです。(坂倉)

【6曲目】
尾崎豊
『ダンスホール』(アルバム『回帰線』収録)mora

冬は侘びしさを共有しやすい季節なので真っ先に聴きたくなる。冬に聴くといっそう心に染みてきます。(光村)

NICO Touches the Walls ニューアルバム
『HUMANIA』

様々な人間の性が垣間見れる

8ヵ月ぶりの新作は人間をテーマにした傑作。人が内包するさまざまな性が曲から沸き上がってくる。
●初回盤CD+DVD3200円 通常盤2800円 ●12月7日発売 ●キューンレコード

【プロフィール】
光村龍哉(Vo.&Gtr.)、古村大介(Gtr.)、坂倉心悟(Ba.)、対馬祥太郎(Dr.)によるロックバンド。2007年にデビュー。TVCMやドラマ、映画などで楽曲が起用され話題になっている。2012年1月より全国ツアー““NICO Touches the Walls TOUR2012 HUMANIA””を予定している。
●関連ページ NICO Touches the Walls公式HP

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