週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

自分の情報を変更すると相手のアドレス帳が自動更新される次世代アドレス帳『ダイアゴナルキット』β版スタート

2011年10月06日 21時41分更新

 ダイアゴナルは、クラウドベースで連絡先を交換するサービス『ダイアゴナルキット』のベータ版サービスを開始した(ダイアゴナル=対角線、キット=Keep in Touchの意)。

 これは、マイページに住所や電話番号などの個人情報を入力しておき、自分が承諾した相手に常に最新の情報を教えられるというもの。たとえば引っ越しで自分の連絡先が変わっても、自分の情報を書き換えるだけで相手のアドレス帳のデータベースも更新されるため、わざわざ住所変更のはがきを送ったり、メールを送ったりして登録変更を相手に頼む必要がなくなる。

 個人で使うぶんには誰でも無料で、企業が利用する場合はアカウント維持費が毎月1000円。OSを問わず、IEやChromeなどブラウザーから利用する。

自分の個人情報登録画面はこんな感じ
ダイアゴナルキット
↑至ってシンプルな、いわゆる普通の住所管理ソフトふう。写真も登録できる。セルフ情報ページでは個人的な住所やアドレスが入力可。ザインが強烈に地味だが、来年の正式サービスまでにはなんとか……とのこと。いっそデザインテンプレートとかで自由にカスタマイズできるようになるといいんだけどな。

 いわゆるSNSと大きく違うのは、完全に1対1のコミュニケーションを重視しているため、誰と誰が知り合いになったのかといった交友関係が、人から勝手にのぞかれない点。もちろん共通の知り合いを検索して「知り合いですか?」と強引に紹介したり、楽しい休日に上司の誕生日を知らせてきて平穏が脅かされることもない。一個人が誰と知り合ったかどうかも個人情報として守られるべきというのがダイアゴナルの基本スタンスだ。

 もう少し具体例を紹介すると……。

 仕事で利用した場合、名刺交換した相手の情報を帰社後に手打ち(あるいはスキャンしてOCRをかけて修正するといった一連の作業を)する必要がなくなる。また、久しぶりに会う人が昇進していたにも関わらず、前の役職で呼んでしまうといった事故も防げる。新製品のDMを送りたいのに相手のアドレスが変わってしまって、相手に電話をかけて再度メールアドレスを訪ねるといった手間もなくなるのだ。

もらった名刺を入力してる時間がない!
ダイアゴナルキット
↑というかマメじゃないので、気が遠くなる状況が、定期的にやってきます……。人に会うのは楽しいのに。

 個人で使った場合も、ケータイやスマホなどを乗り換えた際にアドレス帳全送信機能を使って友人にメールし、友人それぞれに登録変更をしてもらうといった必要もなくなる。お互いが自分の情報だけ管理しておけば、古い学生時代の友人と連絡がとれなくなるということもない。もちろん、すべてはダイアゴナルを当たり前のように使う世界になったらの話……なんだけど。

 と、いうわけで実際に登録してみた。利用するにはベータ版のサイトに飛んで自分で個人情報を入力し、自分の登録ページの案内URLを送るか、すでに利用している人から招待メールを受け取ろう。どちらにせよ、必須なのはメールアドレスのみとなる。

ダイアゴナルキット

 リンク先のフォームで名前や生年月日を自分で入力し、登録。利用規約がでるので同意する。すると、自分だけのホーム画面に飛ぶ。

ダイアゴナルキット

 登録完了すると自分のホーム画面に飛ぶ。中央下にあるのがアドレス帳で、承認を希望したり、自分が希望した相手の名前が表示されるエリア。相手ごとにステータスが表示されるが、単純にON=承認済み、NOは未承認という意味だ。アドレスがたまってきたら名前や会社名などで検索すればいいだけだ。

 公開承認は、相手の名前の横にある”編集”ボタンから。

ダイアゴナル

 簡単に選べる情報開示は"全て"、"セルフ情報のみ"、"会社の所属先情報のみ"の3項目。自分が決めたルール(所属先情報と、個人のアドレスだけ開示したいが自宅住所は教えたくない……など)で承認すればいい。

 情報はcsvファイルとしてダウンロードでき、年賀状用の宛名ソフトとも連携可能。積極的にAPIの公開も行なっていく予定だ。正式サービスまでには、スマホ既存の住所録とシンクできるアプリも開発する、と代表取締役の山川隆氏は語る。

 で、素朴な疑問として、私のように会社のアドレスを使って簡単に(ある意味無断で)登録できてしまうわけで、じゃあわざわざお金を払う企業アカウントのメリットはなんのさーと思うのが普通だが、会社が企業契約を結べば、利用している従業員(会社のアカウントで登録している人)を集約できるという利点がある。これによりビジネス相手の所属先情報を全社(あるいは任意の組織単位)で管理・把握できるようになるとのこと。

 過去に取り引きしてたA社の名前を検索すると、A社とリンクしている従業員Bさんの名前が出てくるため、Bさんに現在のA社の状況を聞いたり仕事を頼んだりといった使い道が可能になるというわけだ。(※ただし、企業がアクセスできるのは、あくまでも従業員の所属先情報のみ。個人レベルでのリンク情報がのぞかれることはないのでご安心を。)

 淡泊でビジネスライクなところが日本人にウケそうな『ダイアゴナルキット』。クラウドベースで管理できるアドレス帳はなんにせよ便利なので、2012年4月の正式サービスまで、どのように進化していくのか楽しみです。

●ダイアゴナルキット
https://www.diagokit.com/

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう