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ニコニコ動画で人気の歌う絵師“秋 赤音”がメジャーデビュー!

2011年08月24日 15時39分更新

 ニコニコ動画やイラスト投稿サイト“pixiv”出身の歌う絵師、絶叫シンデレラと呼ばれる“秋 赤音”が遂にメジャーデビュー。しかもライトノベル作家“綾崎隼”とのコラボ小説が電撃文庫MAGAZINEで発表され、その挿絵も担当しています。今話題の彼女に直撃インタビューを行ないました。なお、8月23日発売の週刊アスキーの音楽ページにもインタビューと愛用機材。そして特製プレイリストも掲載中。併せてチェックしてみてください!

 

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赤とんぼのことなんです

――ニコニコ動画で火が着きデビュー。投稿のきっかけは?

 だいたいの人といっしょで自分の作品を観てほしかったんです。日本じゃなくてもいいのでいろんな人たちが作品をどう思うのかが気になったんですよ。感想を言ってくれるということは、それだけの価値があるということだから、ほめ言葉でも批判でもなんでもいい。私も好き勝手に歌を歌い、絵を描いているので、言う側も好き勝手でいいと思うんで。

――なるほど。とはいえ自己主張をしながらも、顔出しはしませんよね。

 普段の生活をしている19歳の私と“秋 赤音”は別人だと考えているので。リアルと混合したくない。それに“秋 赤音”は欲の塊なんですよ。でも表現はしたいんだけど、あまり表に出たがらないし、コミュニケーションもしない、謎の人物。分けたいというよりは、最初から自分の中で自然に分かれてます。

――“秋 赤音”というアーティスト名もとても気になりますが。

 赤とんぼのことなんですよ。地元が田舎で、秋になるとブンブン飛び回っているので親近感がありまして。小さいときからそこにいたし、自由だけど、一定の時期しか存在しないから儚い。そこがいいなって。
 

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(C)2011 COCHITORA,Inc All Rights Reserved イラスト/秋 赤音

今後もコラボを続けてみたい

――ところでデビュー作、ライトノベル作家 綾崎 隼とのコラボプロジェクト『二人で書(描)いてみた』も話題で。(小説は『電撃文庫MAGAZINE Vol.21』に掲載中)

 できあがった小説は少女の葛藤、闇。思春期のどうしようもない感じが曲同様いっぱい入ってます。今までは歌も絵も創作に関してはすべてひとりでやることが多かったんです。他者とやるといろいろぶつかりはあるけど、その先に行けるなと実感しました。コラボ相手と自分、それぞれの個性を認め合い、尊重することで、素晴らしい物が生まれるんだなって。

――しかも出来上がった小説を踏まえて挿絵も秋さんが描く。投げたボールがまた戻ってくる感じですよね。

 小説の挿絵にはとても興味があったので、おもしろかったです。

――小説と歌は似ていますが、共通点と違う部分はどこでしょう?

 言葉を使う部分が共通してますね、歌詞や小説の台詞に共感したり。あと物語を紡げる部分もいっしょですね。違うところは歌は勝手に耳に入ってくるけど、小説は読まないと絶対に入ってこない点だと思います。

――そのコラボの小説が完全オリジナルではなく、既存の小説『蒼空時雨』(メディアワークス文庫)の登場人物“紀橋朱利”の過去にさかのぼった作品、つまりスピンオフだというのも画期的だと思いました。

 最初は「オリジナルではないんだ!」と思ったんですが、出来上がった作品を読んで、とてもすんなりと世界に入り込めたんですよね。もともといるキャラクターなので、自分の中に先入観があったにも関わらず。まるで、最初から一緒みたいな感じに。本当に綾崎さんの物語の世界に入り込めたし、いっしょに生み出せた手ごたえはあります。メインのキャラではないんですけど。でもこれがコラボなんだって。歌と小説は一体化できるんだと実感できましたね。既存の小説の主人公の過去の物語なので、小説のファンも楽しんでもらえると思います。もちろん私の音楽を好きな人も楽しめるので、いろんな方向から入るための扉が開いている感じがしますよね。まだまだこのコラボに対して興味が続いているので、今後もコラボを続けてみたいと思ってます。
 

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秋 赤音 デビューシングル
『antinotice/花弁』

ニコ動で話題の歌姫がデビュー

“現代の歌う絵師”、“絶叫シンデレラ”と呼ばれニコ動で人気の秋 赤音のデビューシングル。小説とのコラボとも話題に。
●初回盤800円、通常盤500円●発売中 ●トイズファクトリー

【秋 赤音プロフィール】
あきあかね。歌い手、絵師。1991年生まれの19歳。ニコニコ動画にアップした動画やイラスト投稿サイト“pixiv”にアップした作品が話題になりデビュー。
公式HP 

また今回はスペシャルとして『antinotice』を生み出したwowaka氏にもコメントを頂きました!

wowaka エッジの立った格好いい曲を、少し退廃的・内向的な歌詞を、というコンセプトのもと作りました。小説とのコラボレーションもあるとのことで、どんな化学反応が生まれるか楽しみです。

【wowaka プロフィール】
動画サイトにてVOCALOIDを使用した楽曲による、オリジナルの平面構成による静止画をアイコンに用いた投稿形態で活動を開始。発表した楽曲の総再生数は約1200万再生に及ぶ。今回『antinotice』を秋 赤音に楽曲提供した。


 『アンハッピーリフレイン』
wowaka
●2500円
非日常レコーズ
 

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【綾崎 隼プロフィール】
小説『蒼空時雨』で2010年1月にアスキー・メディアワーク文庫でデビュー。最新作『ノーブルチルドレンの告別』を8月25日に発表予定。今回のコラボ『二人で書(描)いてみた』では、『antinotice』を元に『蒼空時雨』で登場する紀橋朱利を主人公に小説を描いた。

『蒼空時雨』
綾崎 隼
●570円
メディアワークス文庫

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