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【インタビュー】“いい夏は記憶の中にしかない” RHYMESTERスペシャルインタビュー!!

2011年08月01日 18時31分更新

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新しいし、真実だ

――キャリア初のサマーアルバム。できあがっていかがですか。

宇多丸(以下宇) 2011年の夏に必要なサマーソングたちだと思います。震災が起きて、当初は音楽を聴いたり、パーティーをする気分ではなかったですよね。とは言っても夏は必ず来てしまうし、迎えなくてはならない。震災をなかったことにするのではなく、その中で自分たちを鼓舞させたり、素敵な瞬間があるじゃないかと。楽しむことをあきらめないぞと思わせられる曲、それを意識してつくりました。

DJ JIN(以下J) 2011年の夏は忘れられないものになるんだろうなと。本当に興味深い1枚ができたと自負していますね。

Mummy-D(以下D) それにHIPHOPで夏というテーマに限定して、よくこんなに曲ができたなとも思っていますね。今回は2曲目から4曲目まで、メンバーがそれぞれ考える夏をテーマに制作したんです。ひとりだとこんなにもバラエティーに富んだものができないだろうし。3人はバランスがいいなぁと思いました。

――ところでなぜ夏をテーマに?

 実は虎視眈眈と1年寝かせていて、俺らにしてはすごい計画的に準備をしていたんですよ。サマーソングは今までつくったことがなかったし、HIPHOPやPOPミュージックの華ですよね。だからいずれは挑戦すべきものというか。でもものすごい数のサマーソングがある中でどうアプローチをするかが問われるところで。その中で通り一遍ではなく、誰もやっていない表現はほとんどないと思っていたんです。でも、今回は「画期的かも!」と思える方法でアプローチできたんです。

――それはズバリ?

 ズバリ、“いい夏は記憶の中にしかない”という真理を突いたことですね。記憶やこれから起こる予感。つまり“夏真っ盛りはよくない!”という。いいことは事前か事後にしかない。そういう考えで夏を捉えたところが新しいし、真実だと思って。
 

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つまり童貞感ですよ

――それで夏の代名詞的な言葉はほぼ歌詞に皆無なんですね。

D “夏のど真ん中だけ描かない”というおもしろい仕上がりになったかな。夏の事を思い出していたり、そこかに夜、遊びにいく寸前のことだったり。真ん中だけ抜けている感じがあるよね。

――基本、各曲女性の影は見えますが、男ばかりな感じがするんです。ラストの『ザ・サウナ』がそれを絶妙に表現していて、男どうしが結局最高〜! みたいな。

全員 (爆笑)

 それはとても深いところですよ。『フラッシュバック、夏。』でキャッキャ、キャッキャしていたヤツらの話ならば、『サマー・アンセム』で昼があって、『マジック・アワー』で夕方になって。『into the night』で夜に遊びに行こうってなるんだけど、最終的に集まったのは男ばかり。「あれ?」ってなって『ザ・サウナ』にという1日の時間の流れがあるんです。今回のアルバムに出てくる登場人物は全部共通していると思ってもらって構わないんですよ。きっと『into the night』の最後に出てくるのは渋谷のスクランブル交差点。ハチ公側からTSUTAYA方向に向かって信号待ちしてる感じ。

 あれ? 『into the night』で女の子は来ないんだ? 

 来ないんじゃない?

D 俺は来ないと思ってたら“今年最後の熱帯低気圧、オレの背後に接近中!”のフレーズで女の子が来た! だと考えてたよ。ハリケーンに女性の名前を付けるのをイメージしてたんだけど。でもそこは聴く人の取りようによってご自由にだね。

 そう、とにかくグイグイ何かが集まってくる感じが大事なんですよ。

――で、仲間と集合して最終的にはサウナへ男どうしだけで行くわけですが……。

 そう、だからいい瞬間は前か後。「あのときは結局みんなでサウナ行ったよな」といい思い出になるんです。

 そのなんか上手くいかない感というか。それが夏の切なさにつながってるんだよね。オトコの捉える夏かもしれないけど、つまり童貞感ですよ。童貞感を俺らはどうしても捨てられないんです。特に夏ともなるとね。

J やはりそちらサイド。夏の弱者たちを描くのが俺らの使命なんですね。

――夏の恋愛弱者ですね。でも聴くと不思議と勇気づけられる。

J だからこのアルバムは俺らからの“お中元”ですよ、夏の元気な御挨拶。しかも一種類はなく、詰め合わせ。いろんな種類の想いと曲が入ってますし。

 それと夏は苦手、だけどイメージとしては好きという方のためのサマーソング集。きっと週刊アスキーの読者ならわかってくれると思うんですよね!
 

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RHYMESTER ニューミニアルバム

『フラッシュバック、夏。』

今年の夏だからこその1枚

過去、未来のみに限定し、夏の思い出の真理を突いた最新作。男なら誰しも一度は味わったことのある事例が心をつかんで離さない!!
●初回盤2100円、通常盤1890円 ●発売中 ●キューンレコード   

【プロフィール】
メンバーは写真左からMummy-D(Rap/Produce)、DJ JIN(DJ/Produce)、宇多丸(Rap)によるHIP HOPグループ。別名“キング・オブ・ステージ”。1989年結成。
RHYMESTER公式サイト 

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