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ガチャピンも真っ青! 世界初“WiMAX2”の実地テストで下り150Mbpsを目撃

2011年07月07日 09時05分更新

 UQコミュニケーションズが、次期WiMAX規格『WiMAX2』(IEEE802.16m)の実地テストを世界で初めて実施しました。現在下り最大40Mbpsの『WiMAX』に対して、下り最大330Mbps出せるという夢のように速い無線通信規格です。

WiMAX2

 同社は昨年10月にもCEATEC JAPANの会場内でWiMAX2の40MHz帯域幅のテストを行ない、下り300Mbps超を記録したそう。今年5月には、2.6GHz帯の電波を利用する実験試験局の免許を取得。今回は40MHzではなく、理論値で下り165Mbps、上り55Mbpsの20MHz帯域幅を利用しました。


マジで、瞬間最高150Mbpsを見たよっ

 テスト環境は、KDDI大手町ビルの外部に設置したWiMAX2の基地局から400メートル圏内。WiMAX2のアンテナを立てたバスで移動しながら、基地局との間のデータ通信速度をPCとディスプレーでモニタリングしました。

WiMAX2
↑テストに使ったバス。車両の上面前方に4本のアンテナが見えます。クリックで拡大して確認してネ!
WiMAX2
↑KDDI大手町ビルに立てた基地局(アンテナ)。こちらも4本必要です。

※WiMAX2では、4本のアンテナを使う“4×4 MIMO”(Multi-Input Multi-Output、送受信の両方に複数のアンテナを用いて、高速かつ大容量な情報伝送を行なう技術)を採用しています。

 

 バスの出発は基地局前から。ここでは、安定して130Mbps前後~140Mbps台を記録。150Mbpsを超えたのも、基地局から100メートル以内のあたりです。基地局から離れると100~120Mbpsになり、さらに皇居の内堀に近づくと、80Mbps近く落ちることもありました。これはMIMOの特徴で、ビルがなくなると電波が反射しなくなるため、速度が下がるのだそうです。

WiMAX2
↑バスの車内はこんな感じで、PCの速度計測ソフトの映像をディスプレーに出力していました。
WiMAX2
↑基地局の近辺では130~140Mbps台のことが多かった。
WiMAX2
↑基地局の近辺では、速度が落ちても130Mbps前後。
WiMAX2
↑基地局から100メートル以上離れると速度が落ち始める。
WiMAX2
↑とはいえ、100~120Mbpsきちんと出ます。
WiMAX2
↑電波を跳ね返すビルがなくなると、速度は一気に低下。
WiMAX2
↑皇居前の道路では、60Mbpsまで下がることも……。
WiMAX2
↑ビル街に戻ると、スグに速度が回復します。

 

 ただし、正直に言うと、実際に自分のPCやWiMAX2ルーターでネット動画を見たり大きなデータをコピーしたりしてみないと、従来の無線通信規格との違いは体感できません。高速で実用的っぽい! ということはわかったので、早く次の段階のテストをしてみたいものです。次はWiMAX2対応端末やルーターのテストでしょうか!? 製品リリースは来年の予定となっています。

WiMAX2
↑WiMAX2のボードやUSB接続の端末が参考展示されていました。米国、GCTセミコンダクターもの。早く製品化されるといいな。


 ちなみに、WiMAXとWiMAX2は後方互換が可能です。つまり、WiMAX2の基地局ではWiMAXも利用できます。ユーザーがWiMAX2対応機器をもっている場合、WiMAXの基地局しかない場所では下り最大40Mbpsで、WiMAX2の基地局がある場所では下り最大165Mbpsで、切り替えたりしながら両方使用できます。従来のWiMAX対応機器では、WiMAX2の基地局しかない場所でも、下り最大40Mbpsでその基地局を利用できます。

WiMAX2
↑WiMAXとWiMAX2には互換性があり、従来のWiMAX対応機器や基地局がムダになることはありません。

 

秋にまたWiMAXスマホが出る!? 地下鉄でも利用可能に

 さて、順番は前後しますが、WiMAX2発表会のようすも少しレポートします。下り40Mbps、上り10MbpsのWiMAXは6月に契約数が累計100万を突破。「今秋にはWiMAX内蔵スマートフォンが続々発売予定」としており、詳細な時期は未定ですが東京メトロや都営地下鉄、地下街でも使用可能になるそうです。

 日本は世界で最もWiMAXが普及しており、ゲストとして登壇したインテルの宗像取締役副社長も、「WiMAXは世界で最も成功した(無線通信サービスの)例」と称賛しました。
 さらに、シークレットゲストとしてガチャピンとムックも登場。WiMAXのイメージカラー、青色バージョンの『ブルーガチャムク』も映像で現われました。
 ふたりとも5歳で、ふつうのガチャピンとは手首のポンポンの数が違う、ふつうのムックとは異なり頭にツノがある(ホント?)などの相違点があるそう。あといろいろ自己紹介していましたけど、まぁ詳細はコチラでどうぞ。

WiMAX2
↑ガッチリ手を組んだガチャピン、UQコミュニケーションズの野坂社長、インテルの宗像副社長、そしてムック。
WiMAX2
↑映像、全体的に青くね……? とか野暮なことはつぶやかないからねっ!
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