2011年07月03日13時39分

「ミク、マジ、テンシ!」のかけ声も… 初音ミク基調講演レポート

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 ロサンゼルスで開催中の“アニメエキスポ 2011”。EXPO(博覧会)というだけあって同人誌の即売会とはひと味違う。今回は初音ミクの基調講演まで行なわれていました。

 出演したのは、クリプトン・フューチャーメディアの代表取締役の伊藤博之氏と、今回のミクノポリスのマネージメントディレクターを務めている週刊アスキーのF岡総編集チョの2人。最初にF岡総編集チョが、ミクノポリスのイベント概要を説明して、続けて伊藤社長が初音ミクにおける創作の広がりを語った。また、ボカロ曲のレコメンデーションサービス“MIKUBOOK.com”も発表された。
 

アニメエキスポ 2011

基調講演に登壇した伊藤博之氏(右)とF岡総編集チョ

 冒頭、MCとして日本のポップカルチャーを紹介するサイト“Culture Japan”を運営するカリスマオタク、ダニー・チュー氏が登場。ダニー氏の呼びかけで、会場全体が「ミク、マジ、テンシ!」とコールしていました。 会場内では、かなりの数のボーカロイドキャラのコスプレをした人おり、アメリカでの人気の高さがうかがえました。

アニメエキスポ 2011

 講演ではF岡総編集チョが昨年10月につくったという企画書も披露。「とにかくアメリカでライブをやろうという企画で、最初に渡したのがアニメエキスポのスタッフだった」とのこと。

アニメエキスポ 2011 アニメエキスポ 2011

 「ミクさん、マジ天使」という決まり文句があるから、ロサンゼルスで開催という冗談みたいな話も。

 初音ミク×ハローキティーのコラボも発表。日本文化好きな来場者にとってはどちらもなじみ深いキャラクターで、会場では大きな拍手が起こっていた。

アニメエキスポ 2011

 伊藤社長は「会場にはボーカロイドのファンだと思うコスプレの方がたくさん居て、すごく楽しんでいます」とあいさつ。初音ミクが誕生した背景について、「2004年に発売された最初のボーカロイドでは、キャラクターが存在しなかった。こういう商品だと買いづらい側面があったので、たくさんの人に喜んでもらうために、初音ミクというキャラクターを付けた」と説明した。その後、『鏡音リン・レン』や『巡音ルカ』など、声優さんを起用し、キャラクターを付けたボーカロイドのシリーズを発売し、日本で12万本以上が売れたという。

 さらに、初音ミクを巡る創作の広がりについても言及。従来、音楽のクリエイターと聴き手は離れた存在だったが、動画共有サービスが登場し、聴き手に作品を届ける媒体の役目を果たしたことで両者がつながったと説明していた。その動画共有サービスの中で、初音ミクの存在も広まっているという。

アニメエキスポ 2011
“初音ミク”で検索すると、YouTubeでは36万6000件、ニコニコ動画では9万件以上の動画が見つかる。

 また、初音ミクがここまで広がった背景には、創作の連鎖が大きな役割を果たしているとのこと。例えば、オリジナルのパッケージから、ビデオが生まれ、それを元にコスプレをする人が生まれる、といった具合だ。

 クリプトンでは、こうした創作の連鎖をスムーズするために“ピアプロ”というサービスを立ち上げた。ピアプロは、相手に感謝を伝えれば、投稿された作品を素材として自由に使えるという規約を設けており、現在45万以上のコンテンツが登録されている。

アニメエキスポ 2011 アニメエキスポ 2011

 講演では創作の例として“亜種”の登場を紹介しており、“はちゅね”や“シテヤンヨ”など、デフォルメされたキャラが載っている2枚目のスライドが表示されると客席から笑い声が上がった。

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 また、初音ミクが技術者(Geek)に愛されている点についてもいくつか例を挙げて紹介していました。

アニメエキスポ 2011
無料で使える3Dグラフィックソフト『MikuMikuDance』を使って、Treow氏の曲にまさたかP氏が映像を付けた“Chaining Intention”という曲のPVを流していた。
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 “Innocence”という曲に登場する“あの楽器”と呼ばれるショルダーキーボード。“あの楽器”を実際につくるという試みがニコニコ動画で起こった。

アニメエキスポ 2011
理大生の“みさいる”氏が2年かけて制作した初音ミクのロボットにも言及。この子供と一緒に居る写真には、会場も驚いていた。
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 もちろん関連グッズへの広がりも目立つ。2.5頭身ぐらいの小さなフィギュア“ねんどろいど”も紹介。米国でも公式グッズを販売していくという。

アニメエキスポ 2011 アニメエキスポ 2011 アニメエキスポ 2011

 レーシングカーやゲーム、ファッションなどさまざまな形でコラボも広がっている。

 こうした広がりについて、伊藤社長は「ひとつのエコシステムを形成していると思う」と説明。「既存のハリウッドで映画を作るとなると、非常に大きなお金をかけてトップダウンでつくるが、こちらはボトムアップ型。つくり手のユーザーやファンの盛り上がるモチベーションを大切にして導いていく試みだと思っている」と、新しい動きであることを強調していた。

アニメエキスポ 2011

 その後、伊藤社長は初音ミクのライブが世界各地のメディアで取り上げられたことに触れて、「今後は世界のファン、クリエイターをつなぐために初音ミクが求められていくだろうし、われわれの活動も拡大していくべき」と語り、レコメンデーションサービスの“MikuBook.com”を発表。

 現状の機能はビデオやイラスト、音楽をフォロワーに推薦するというものだが、「思いついてつくり始めて1ヵ月で完成させた。あまり高機能ではないけど、世界のユーザーをつなぎ合わせるためにトライしながらつくっていきたい」と今後の発展に触れていた。

アニメエキスポ 2011

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