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速い! 美しい! IE9日本語正式版がついに配布開始

2011年04月25日 14時00分更新

ie9

■ダウンロードサイトでIE9日本語版を入手!
 東日本大震災を受け、インターネットインフラへの影響に配慮して延期されていた『Internet Explorer 9日本語版』公開。その配信がついに開始される。マイクロソフトは引き続きネットインフラへの影響を考慮し、3段階に分けるかたちで提供を実施する。まず、4月26日午前0時よりマイクロソフトのサイトでダウンロード提供を開始。その後、IE9ベータ版&RC版ユーザーへの自動更新を開始。さらに時間をおいて、通常のWindows Updateで対象ユーザーへの通知を行なう。つまり、IE9をすぐに利用するためには、マイクロソフトのサイトへ行って自分でダウンロードする必要がある。
『Internet Explorer 9のサイト』
http://windows.microsoft.com/ie9/

■IE8から約20倍! 圧倒的に速くなった
 IE9は、新たにマルチコアCPUに最適化した新設計のJavaScriptエンジン“Chakra”を採用。さらに、DirectX APIを活用したGPUアクセラレーション機能を搭載し、ビデオストリームやオンラインゲームのような重いグラフィックタスクを高速処理できるようになった。GPUアクセラレーションはインテリジェントに働き、ハードとソフトによる処理が動的に切り替わる点はなかなか先進的だ。

 さらに、デフォルトキャッシュサイズが250MBに増大。キャッシングアルゴリズムを改善し、キャッシュヒット率向上によってページ再描画を高速化している。また、負荷の高いアドオンを容易に無効化できる『アドオンパフォーマンスアドバイザー』を新搭載。アドオンが原因で起動や遷移時間が遅延していると、メッセージが通知されるようになった。ユーザーはそこから選択画面を開き、即座に遅延に結びつくアドオンを無効化できる。こうしたさまざまな改善により、IE9はIE8に比べて非常に軽快にキビキビと動作するようになった。

JavaScriptベンチマークで好結果
ie9

『SunSpider0.9.1 JavaScript Benchmark』で計測。IE8 はもちろん、ライバルのブラウザーをしのぐ結果が得られた。ウェブアプリなどは、JavaScript でつくられているものが多い。IE9 により、ウェブの使い勝手向上が期待できる。
※【テスト環境】自作PC CPU:Core i7-2600K(3.4GHz) メモリー:8GB マザーボード:ASUSTeK P8H67-M EVO グラフィック:CPU内蔵 ストレージ:Intel X25-M Mainstream SATA SSD(120GB) OS:Windows7 Ultimate(64bit) IE9:9.0.8112.16421、Chrome:10.0.648.205、Firefox:4.0


 起動時間についても、IE9はIE8から大きく改善している。ブラウザーを起動してホームページに設定した『週刊アスキーPLUS』が完全に表示されるまでを手動で計測したところ、IE8が3.3秒かかったのに対し、IE9は2.3秒と1秒も短縮した。
※【テスト環境】DELL Vostro 3700 CPU:Core i7-Q720(1.6GHz) メモリー:6GB ストレージ:2.5インチHDD(7200回転) OS:Windows7 Professional(64bit) 起動は、2回目以降の起動(ホットスタート)を計測、5回の平均。

 マイクロソフトは、IE9や次世代のIE10のデモンストレーションを示すため、『Internet Explorer Test Drive』というデモサイトを用意している。ここにある『Speed Demos』の『FishBowl Benchmark』や『Speed Reading』などを各ブラウザーで見ると、表示速度を比較できる。ほかにもHTML5やCSS3をふんだんに使ったデモ用コンテンツを大量に用意。見るだけでも楽しいので、IE9を導入した暁にはぜひ訪れてみてほしい。
『Internet Explorer Test Drive』
http://ie.microsoft.com/testdrive/

IE9 vs Chrome10 vs Firefox4速度比較(FishBowl Benchmark) Part1

↑『Speed Demos』の『FishBowl Benchmark』では、金魚鉢の中の魚を増減して負荷を変えられる。IE9はGPUアクセラレーションがモリモリ働くようで、表示速度はほかのブラウザーより数段上だ。

IE9 vs Chrome10 vs Firefox4速度比較(FishBowl Benchmark) Part2

↑実は、ChromeもGPUアクセラレーション機能を搭載しているが、初期設定では無効になっている。そこで有効にして試してみたのだが、『FishBowl Benchmark』のデモに関していえば大きな効果はなかった。

■バッテリーがもつ!? 節電にも強いIE9
 さらにIE9は、節電にも役立つという。先日、米マイクロソフトのブログにたいへん興味深いエントリーが公開されていた。IE9やChrome10、Firefox4などで消費電力を厳密に測定したところ、IE9が最も低消費電力だったんだとか。少しでもバッテリーをもたせるならIE9ということになる。

ニュースサイト表示時の消費電力
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↑HTML4 で作成された一般的なニュースサイトを表示している際の消費電力を比較。※出典:IEBlog

複数サイト表示時のバッテリーのもち
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↑空白ページ表示時では、IE9、Chrome、Firefoxで差はない。さまざまなサイトを開くと差が出てくる。※出典:IEBlog

■シンプルなメニューで表示領域が広く!
 IE9は速くなっただけではない。見た目の部分も大きく生まれ変わっている。操作ボタンやメニューが整理され、より洗練度が増した。アドレスバーと検索窓を統合し、ホームやお気に入りボタンを右上にシンプルにまとめるなど、最新のブラウザーのトレンドを上手に昇華させたデザインが目をひく。タブの高機能化や、より的確でわかりやすい通知も実現。そのほか、HTML5対応など、新時代のブラウザーとしてふさわしいつくりとなった。

アドレスバーと検索窓が一体化した
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↑アドレスバーに語句を入れ、検索エンジンを選べば即座に検索できる。“▼”印から、最近の履歴やお気に入りも選択可能。枠左側の大きな“戻る”ボタンが使いやすい。

ブラッシュアップされたタブ
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↑タブはアドレスバーの横に1列化。タブをドラッグすると別ウインドーに分離できるなど高機能化した。“新しいタブ”を開くと、よく使うサイトが並ぶ。

通知は必要に応じて画面最下段に登場
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↑アドオンに関する通知やセキュリティー関連の通知、ファイルダウンロード時の通知などを表示。黄色表示で注意喚起する機能もある。

表示エリアが格段に広くなった
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↑IE9はボタンやメニューの領域を徹底的に狭くし、表示領域を拡大。Firefox4とChrome10を同サイズで開いて重ねて比べると、IE9 の表示領域がいちばん広いことがわかる。タテの差は歴然だが、実は枠線がFirefoxより1ピクセル細く、ヨコも広い。

HTML5に対応し、リッチな表示も楽しめる
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↑ウェブの次世代標準である”HTML5”に対応。ビデオストリーミングなど、リッチでヘビーなコンテンツもハードウェア支援を駆使して快適に表示する。『SVG 女子』は、Scalable Vector Graphicsレンダリングによるアニメーションコンテンツ。SVG の特性を生かし、大スクリーンでもシャープで滑らかなアニメーションを実現する。
『SVG女子』(カヤック)
http://jsdo.it/event/svggirl/


 IE9は、ほかにも“追跡防止リスト”や“ActiveXフィルター”を搭載して、セキュリティー機能が強化されるなど、注目機能が盛りだくさん。4月25日発売の週刊アスキー5/10-17合併号では、上記で紹介した内容のほか、IE9をさっそくバリバリ使いこなすために知っておきたい活用テクニックを紹介しています。ぜひご覧ください。
『Internet Explorer 9』のダウンロード(4月26日午前0時提供開始予定)
http://windows.microsoft.com/ie9/
 

IE9をインストールしたら、続いてこちらの記事をチェック↓

速い! 美しい! IE9を軽快に使いこなす活用テク9

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