リアルとファンタジーがせめぎ合う　『NAM EXHIBITION A FANTASY IN LIFE』

2011年03月01日 12時11分更新

　池尻大橋のクリエイティブスタジオ『PUBLIC/IMAGE.3D』にて、NAMによる初の個展『NAM EXHIBITION A FANTASY IN LIFE』が3月13日（日）まで開催中です。

　NAMとはグラフィックデザイナーの中沢貴之氏とフォトグラファーの間仲宇氏により結成されたグラフィック/アートコレティブ集団。グラフィックの視点に写真表現を癒合させたファンタジー感あふれる作品で今話題となっています。

　会場には巨大なキャンバスに出力された新作を含む作品群と、中央にはセットが組まれています。そのセットを見ればすべて手作業で制作されており、合成はないと実感できるはず。糸にひとつずつ付けられた卵や皿、マシュマロ。重さがあるはずなのに、まるで重力を無視するかのような佇まいで迫ってきます。また、息を吹きかければ揺れる程の繊細さをも併せもち不思議な感覚になれます。

　日常と非日常か交差、リアルとファンタジーがせめぎ合う、その瞬間を切り取ったかのような世界観は、美しいのひと言。その作品をひと目みれば、この世界の中に自分自身も一度没入してみたいという想いが湧きあがってくるはずです。現代のだまし絵的な要素を内包にしているようにも個人的には感じました。

　会場に足を踏み入れた瞬間、一気に彼らの世界に飲み込まれる本展覧会。体験する価値は十二分にあります！ぜひ！