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iPhone People+週アスPLUS 連動企画

iPhoneゲーム開発者インタビュー 第6回 RucKyGAMES

2011年01月23日 07時00分更新

※このテキストは2010年10月に発売されたiPhone People誌面企画のために御回答いただいたメールインタビューの全文です。御回答の内容等は当時のものです。
※アプリの価格はAppStoreでお確かめください。
 

この発想力と開発の速度は、いったい
なにに支えられているというのだろう

 iPhoneゲームのインディーズシーンにおいて、「奇才」の名をほしいままにする、RucKyGAMES。『i刺身』や『ぬ』といったタイトルでキワモノぶりを発揮しつつ、『GeoDice』『GeoBlocks』等のパズルゲームもきれいにこなし、ついにはメジャーデベロッパーであるハドソンとのコラボレーションタイトルまでリリースしてしまった(『僕とちくわと鉄アレイ』。第2弾の制作も決定している)。日本のiPhoneゲームシーンが生んだ奇跡。ただ、どうほめそやそうとも、「奇」の一文字から逃れることはできない。

 

●SELF SELECTION

リーゼント vs トロンボーン
リーゼント vs トロンボーン
App Storeはこちら→リーゼント vs トロンボーン
(C)RucKy

 
【1】このアプリを着想されたきっかけをお聞かせください。

 トロンボーンを一目見たときから、こいつはおもしれぇ楽器だ、秘めたる力があるぜと思っていました。そしてある日の昼、六本木ヒルズ近くの西友の前あたりを歩いていた時、おもしろいぐらいのリーゼントの人がいたのです。二つの長い物。これらをコラボしたらおもしろいかなと思い、このアプリを作りました。

【2】このアプリを、ユーザーがどんな感じで遊ばれることをイメージされていますか?

 自らの道に迷った時、何か落ち込むことがあった時、自分ってなんで駄目なんだろうと思った時、そんな時に遊び、「あぁ、こんなくだらないものがあるんだから、俺なんて全然問題ないじゃないか、がんばろう」と思ったりしてほしいです。

【3】同ジャンルのアプリと比較して、「ここが違う」というポイントがあればお聞かせください。仮に「このアプリに同ジャンルのものはない」という場合は、その独自なところや、「なかったら作った」というような理由をお聞かせください。

 トロンボーンアプリはけっこうありますが、リーゼントアプリはなかったので作りました。嘘です何も考えてません。他の音楽アプリとは一線を画すというかベクトルが違いすぎてもはやよくわからないです。

【4】アプリに関する今後のアップデート予定をお聞かせください。

 リリース以来一年弱放置してましたが、この度Game Center対応しました。その先は直感に任せます。神のみぞ知る。

 

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>=<
App Storeはこちら→>=<
(C)RucKy

 
【1】このアプリを着想されたきっかけをお聞かせください。

 サクサクできるアプリが作りたい、フリックで何か遊べるタイトルが作りたい、GameCenter対応アプリで新作を簡単に作りたい、計算ゲームを作りたい、これらが融合されて作ろうと思いました。四則演算で偶数奇数を振り分ける形を最初想定していましたが、偶数率が高いのと振り分けが2つだと単純過ぎて微妙だなと思い、試行錯誤している内に現在の3つに振り分けという形に落ち着きました。自分で遊んでみると、答えが10の存在がいいスパイスになってていい感じだと思います、というかまぁうざいですね。出てくるな! 一瞬思考止まる!

【2】このアプリを、ユーザーがどんな感じで遊ばれることをイメージされていますか?

 脳トレみたいに、サクサクっと計算練習をしたい時にとかですね。
 このアプリを遊んだお陰で、今のところボケてません! 効果抜群!

【3】同ジャンルのアプリと比較して、「ここが違う」というポイントがあればお聞かせください。仮に「このアプリに同ジャンルのものはない」という場合は、その独自なところや、「なかったら作った」というような理由をお聞かせください。

 計算ゲームだけどテンポ重視に作ったので、早解きスキルがかなり求められると思います。Game Center対応ってのも魅力の一つだと思います。ここまでサクサク遊べる計算ゲームはそうないよって誰かが言ってたかもしれません。

【4】アプリに関する今後のアップデート予定をお聞かせください。

 タイトル名を決めたい……。いろんな人に「これ、何て読むんですか?」って聞かれる日々なのです。

 

GeoDice
GeoDice
App Storeはこちら→GeoDice
(C)RucKy

 
【1】このアプリを着想されたきっかけをお聞かせください。

 AppStoreのゲームのサブカテゴリになぜかさいころカテゴリがあるので、このカテゴリなら上位を狙いやすいんじゃないかなと思ったのがきっかけです。サイコロカテゴリの注目度の低さを計算には入れてませんでした。あとはサイコロには数字の要素があるため、パズルゲーム向きだなと思い現在の形まで持っていきました。

【2】このアプリを、ユーザーがどんな感じで遊ばれることをイメージされていますか?

 電車の中で時間が余った時などにプレイしてもらいたいです。短時間で遊べるモードがあるので、隙間時間にぜひ。

【3】同ジャンルのアプリと比較して、「ここが違う」というポイントがあればお聞かせください。仮に「このアプリに同ジャンルのものはない」という場合は、その独自なところや、「なかったら作った」というような理由をお聞かせください。

 連鎖でドンドンとつながっていき、画面全部のサイコロを消すことができると気持ちイイです。生まれてきてよかったなぁと少しだけ思えるかもしれません。

【4】アプリに関する今後のアップデート予定をお聞かせください。

 ランキングの状況を眺めつつAchievementsの追加などを検討したり、おもしろいゲームモードが思いつけば追加などをしたいです。

 

ぬ
App Storeはこちら→
(C)RucKy

 
【1】このアプリを着想されたきっかけをお聞かせください。

 学生時代、教科書に書いてある文字を塗り絵のようにひたすら塗るという行動をしていたのを、ある日思い出したので作りました。「ぬ」という単語をメインにしたのは、塗りつぶす箇所が多いからです。あと「ぬ」という文字自体好きです。他の平仮名に比べてシュールですよね。

【2】このアプリを、ユーザーがどんな感じで遊ばれることをイメージされていますか?

 出題される問題がよくわからない日本語たちなので、文字を書かなければいけない作業をする前に遊んでいただくと、そのあと書く文章などが変な感じになったらいいなとか思ったりしています。日常生活で平仮名を見た時に、つい数えたくなってると嬉しいです。ざまぁ!

【3】同ジャンルのアプリと比較して、「ここが違う」というポイントがあればお聞かせください。仮に「このアプリに同ジャンルのものはない」という場合は、その独自なところや、「なかったら作った」というような理由をお聞かせください。

 「ぬめぬめ」はゲーム的に言うと10なのですが、ぬめぬめと検索して引っかかる唯一のアプリです。これに気づいた時ガッツポーズしました。ただ、その単語で検索しないんですよね、普通は。

【4】アプリに関する今後のアップデート予定をお聞かせください。

 何とかしてGame Center対応したいです。あともう少しテンポよく遊べるようにしたいですね。

 

僕とちくわと鉄アレイ
僕とちくわと鉄アレイ
App Storeはこちら→僕とちくわと鉄アレイ
(C)2010 HUDSON SOFT

 
【1】このアプリを着想されたきっかけをお聞かせください。

ハドソンを題材にネタを考えるというお題で、真っ先に出てきたのがちくわと鉄アレイをが出てきたあのゲームでした。あとはこの2つを組み合わせて何をしようかなと思い、いろいろ考えてたら気づいたら鉄アレイにちくわがはまってました。「ちくわの穴に鉄アレイを通そうとしたらちょうどいい感じに鉄アレイの持つ部分がちくわになり、その状況を楽しむ一人の少年の感動的ストーリー」とメモってありましたがよく意味がわかりません。

【2】このアプリを、ユーザーがどんな感じで遊ばれることをイメージされていますか?

 日本人だと一年に3回ぐらいの頻度で起きるかもしれなくもないかもしれないでお馴染みの、ちくわを投げたくなった時ですね。おでん以外でちくわに触れる機会って少ないですよね。おでん食わないタイプの人っていつちくわに触れるんでしょうか。

【3】同ジャンルのアプリと比較して、「ここが違う」というポイントがあればお聞かせください。仮に「このアプリに同ジャンルのものはない」という場合は、その独自なところや、「なかったら作った」というような理由をお聞かせください。

 ちくわアプリとしても、鉄アレイアプリとしても初です! 世界初タイトル! いえす!

【4】アプリに関する今後のアップデート予定をお聞かせください。

 Game Center対応したいです。掛け軸のパターンも増やしたいですね。
 

●iPhone一般に関する質問

【1】以降、一般的な質問です。まず、iPhoneアプリを作ってみようと思われたきっかけをお聞かせください。

 自分で考えたものを形にして表現する場所を探していて、以前はFlashで色々作っていたのですが、いつでもどこでも遊べる形のものが作れるというのが魅力的だったのでiPhoneアプリを作ろうと思いました。

 これはちなみに建前です。

 本音はなんか一発当ててひと儲けして隠居したいという気持ちがあり、目をお金マークにして宝くじを買うような気持ちで作ってます。ただお金儲けるぞー! というタイトルは思いつかないので、思いつくがまま作ってなんか当たってくれればいいなぁ。という感じです。

【2】他のプラットフォームとは違う、iPhoneアプリ開発の魅力をお聞かせください。逆に魅力ではなく、苦労される点もあれば、お聞かせください。

 世界に市場があるということ、アイデア次第で大ヒットに繋がる可能性を秘めているということ。コンシューマではまずまちがいなく通らないというか冷静になればこれなんで作ったん? というタイトルを出せること。今までのプラットフォームにないものが出てくるという、秘められたおもしろさが詰まっていますね。このアイデア羨ましい! っていうアプリに触れるのが楽しみであり恐怖でもあります。

【3】現状のiPhone市場について感じられていることをお聞かせください。

 現在人気のアプリたちはできもよくすばらしいと思いますが、類似タイトルと数百万ダウンロードの差が出てるのがにゃんとも。アプリ自体のでき以上に、目立つことが大事なんだなと思います。というか目立つことが大事すぎますね。上位にあるタイトルよりも全然できのいいほぼ同じゲームとかが下の方でくすぶってるのをよく見ます。

 救われたいです。

【4】現状のiPhoneユーザーについて、どのような層をイメージされていますか? また、それにあわせたタイトルをリリースしようとお考えですか?

 ユーザー層はわかりづらいですが、情報を得る場所は少ない層と思っています。AppStoreのランキングやオススメに載っているアプリしか見ないようなユーザーがかなりいるかなと。そこを狙って、ランキングに入るアプリ、オススメに載るアプリをどんどん作っていきたいです! 無理! これができたら苦労してない! もっと贅沢するわ! できてればコンビニのアイス126円の値段に躊躇しない生活してるよ!

【5】iPhone市場の今後は、どのようになるとお考えですか?

 iPhone本体自体の台数は今後も伸びていくと思いますが、アプリ自体はiPhone本体の伸びに比べてそこまで伸びていないですね。現状のAppStoreが当分続くと思います。書籍も凄いですが、テレビなどでもけっこう出てくるので他のメディアからのもり上げに期待したいです。

 個人的なことを言えば、とりあえずAppStoreランキング一位を一日だけ貸して欲しいです。

【6】最後に、読者のみなさんへ、メッセージをお願いいたします。

 AppStoreでruckygamesと検索してください。無駄にタイトルが並ぶと思います。何か気になるタイトルがあればぜひダウンロードをお願いします。これからもAppStoreの流れに身を任せつつ、我が道を進み続けたいと思います。何やってんの? アホなの? とか思われようが適当に生きたいと思います。むしろ逝きたいです。

 フリーダム! おれはじゆうだ!!

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