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どうしても休止したいのだ

2008年10月06日 11時00分更新

win_vista_lg.jpgビスタの終了は“スリープ”というのが標準の使い方だ。少なくともマイクロソフトはそう考えている。
XPではスリープさせると、復帰しなかったり再起動してしまうことがよくあり、正直“使えない”機能だった。しかしビスタのスリープは、ほとんどそういうこともなくなり、実用性は高い。まぁ、夜中に勝手に起動していたり、再起動していたりすることもあるが。これはおそらく、OSやソフトの自動アップデートの機能を有効にしているからだと思われる。
ともあれ、私は基本的にはスリープを日常的に使っていてあまり不満はない(少しはある)。なにより次回使うときの起動時間が段違いだ。

参考までに手元のパソコンで起動時間を計ってみた。(今回ちょっと話が長いです)

機種A デスクトップPC
CPU ペンティアム4(3GHz)、メモリー 1.5GB、Vista Ultimate
シャットダウンからの起動 4分27秒
スリープからの起動 22秒
機種B デスクトップPC
CPU Core2 Duo E6320(1.86GHz)、メモリー 2GB、Vista Home Premium
シャットダウンからの起動 3分44秒
スリープからの起動 13秒

機種C ノートPC
CPU Core2 Duo U7600(1.2GHz)、メモリー 2GB、Vista Business
シャットダウンからの起動 1分30秒
スリープからの起動 12秒

(ビスタ起動後、ウェブブラウザーとメモ帳を自動起動し、メモ帳に文字が書き込めるようになるまでの時間をストップウォッチで計測。スリープと休止状態は、ウェブブラウザーとメモ帳を起動した状態でスリープまたは休止状態にした)

機種によって違うので個々の数値はあまり意味がないが、電源オフからの起動に比べ、スリープからの起動は10分の1くらいの時間で済むということがわかる。
XPのときからの慣れでビスタにしてからも電源を切っている人がいるが、私はスリープにすることをお勧めする。特にノートパソコンでは、画面を閉じたときにスリープするようにしておけば、次回画面を開いたときにほとんどタイムロスなしに続きから作業できるので、非常に快適。しかも、消費電力も必要最低限に抑えられる。ただし、スリープから復帰しなかったり、電源が落ちてしまうことがないとは言えないので、作業中のデータはスリープ前にきちんと保存しておきたい。

さて、ビスタのスタートメニューの右下三角を押すと、“ログオフ”や“スリープ”、“再起動”といった終了方法を選ぶことができる。

vista08071401.jpg
↑ビスタの終了メニュー。おそらくこれが標準的なもの。

vista08071402.jpg
↑ノートパソコンでは、“休止状態”というメニューがある場合もある。

この“休止状態”ってなんだ? XPにもあったので、ご存じの方はいるかと思うが、一応おさらいしておく。

スリープ
作業中の状態をメモリーに保持したまま、CPUなどを省電力モードにする。微妙に電力は消費する。起動が速い。
XPでは“スタンバイ”、それ以前は“サスペンド”とも呼ばれていた。

休止状態
作業中の状態をハードディスクに保存し、電源を切る。電源を切るので電力は消費しない。起動時間はシャットダウンとスリープの間のどこか(後述)。
XPでも“休止状態”、以前は“ハイバネーション”とも呼ばれていた。

どちらも、終了前の状態を保存しておいて、次回起動時に続きから作業できる点では同じ。起動時間と消費電力が違う。

ところで、ビスタのスリープは厳密にはただのスリープではない。“ハイブリッドスリープ”という。
これは、終了時の状態をメモリーにも保持するが、同時にハードディスクにも保存するというもの。基本的にはスリープなのだが、なんらかの原因(たとえば、ノートパソコンのバッテリーがスリープ中に切れるとか)で電源が落ちても、次回起動時はハードディスクに保存しておいた状態から作業を開始できるというもの。
そして、このハイブリッドスリープを使用するときには、なぜか“休止状態”が使えない。逆に休止状態が使えるときにはハイブリッドスリープが使えない。

基本的には、ハイブリッドスリープを使えばいいような気もするが、冒頭に書いた「夜中に勝手に、再起動していたりする」ときなど、なぜか終了前の状態が保存されていなくて、続きからできなかったりする。また、スリープ時の消費電力がもったいないという人など、どうしても休止状態にしたい人は、ハイブリッドスリープをオフにするような設定をしなくてはならない。

以下はその方法。

1.コマンドプロンプトで、休止状態を有効にする

スタートメニューの“検索の開始”欄に“cmd”と入力。上のほうにアイコンが表われたら右クリックして“管理者として実行”を選択する。

vista08071403.jpg

コマンドプロンプトが立ち上がったら、まずは、使っているパソコンが休止状態などに対応しているかどうかを調べる。
powercfg /a
と入力してEnterキーを押す。

vista08071404.jpg
     ↓
vista08071405.jpg

上図のような感じで、
“以下のスリープ状態がこのシステムで利用可能です:”の右に“休止状態”とか“ハイブリッドスリープ”とか書いてあったら、それが対応しているということ。今回は“休止状態”があればオーケー。

次に休止状態をオンにするため、
powercfg /h on
と入力してEnterキーを押す。特にエラーなどが出なければ、コマンドプロンプトを閉じる。

vista08071406.jpg

vista08071406b.jpg
↑このように表示される場合は、コマンドプロンプトを“管理者として実行”していないのが原因。

2.コンパネでハイブリッドスリープをオフに

コントロールパネルの“システムとメンテナンス”にある“電源オプション”をクリック。

vista08071407.jpg

“お気に入りのプラン”の欄で、今自分が選択しているプランの下の“プラン設定の変更”をクリック。

vista08071408.jpg
↑この例の場合は、“バランス”を選択していたので、その下の“プラン設定の変更”をクリック。

表示されたウインドーで“詳細な電源設定の変更”をクリック。

vista08071409.jpg

リストから“スリープ”を探し、左横の[+]マークをクリック。

vista08071410.jpg

サブメニューが表示されるので“ハイブリッドスリープを許可する”の左横の[+]をクリック。
“設定”のドロップダウンリストから“オフ”を選択。この画面で表示されるメニューは、パソコンによって多少違うかもしれないが、設定すべきは、ハイブリッドスリープをオフにするところ。最後に“OK”ボタンを押して完了。

すると、スタートメニューの終了メニューに“休止状態”が表われる。

vista08071411.jpg

ノートパソコンの場合は、電源接続時とバッテリー駆動時で、違う設定ができるはず。なので、電源接続時はスリープにしておいて、バッテリー駆動時は休止状態にするということも可能。

最後に、休止状態からの起動は、スリープと比べてどのくらい遅いのか調べてみた。最初のほうのデータに休止状態を追加。

機種A デスクトップPC
CPU ペンティアム4(3GHz)、メモリー 1.5GB、Vista Ultimate
シャットダウンからの起動 4分27秒
休止状態からの起動 46秒
スリープからの起動 22秒

機種B デスクトップPC
CPU Core2 Duo E6320(1.86GHz)、メモリー 2GB、Vista Home Premium
シャットダウンからの起動 3分44秒
休止状態からの起動 1分59秒
スリープからの起動 13秒

機種C ノートPC
CPU Core2 Duo U7600(1.2GHz)、メモリー 2GB、Vista Business
シャットダウンからの起動 1分30秒
休止状態からの起動 39秒
スリープからの起動 12秒

おおっ! 休止状態が意外と速い。たしかにシャットダウンとスリープの間のどこかではあるが、かなりスリープ寄りと言えそう。
これだったら、休止状態を常用してもいいのではという気もしてきます。
(加藤兄)

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