ダメだと思うからダメに感じてしまう
だが、こうも語る。
「日本が駄目だと思うと、駄目だと思えてきてしまう。最近、日本が駄目だと言い過ぎではないか」としながら、「SAJの荻原紀男前会長(豆蔵 K2TOPホールディングス会長兼社長)から、日本のクラウドは絶対にあるべきだという話をもらった。チャレンジする勇気をもらった」とし、「それまでは、あまり人を採用していなかったが、ガバメントクラウドに認定されるかどうかわからない段階から、それを目指し、毎年100人を採用することにした。SAJにチャレンジする意味を教えてもらい、チャレンジする勇気をもらった。そして、その結果、条件付きではあるが、ガバメントクラウドに認定された」
この経験をもとに、チャレンジする姿勢が薄れていたことを自ら反省しながら、「チャンスをもらって、チャレンジをして、それを乗り越えるという、あたり前の起業家精神が日本にはなくなっている。また、私たちは、デフレに慣れ過ぎていたのではないか。いまこそ、インフレの経営に変えていくことが重要である」と強い口調で語った。
SAJは長年の歴史のなかで、ソフトウェア産業の地位向上とともに、産業基盤の整備に取り組んできたが、新たな役割として、チャレンジするマインドづくりを支援する団体に進化しているともいえそうだ。
田中会長は、「2023年の賀詞交歓会では、日本は『アゲの年』になると言った。実際、長期金利があがり、物価があがり、賃金もあがった。2024年も『アゲの年』となることを確信している。『アゲ』のときが来ているいまこそ、みんなで力を合わせて、この国を良くしていきたい。ソフトウェアは、絶対にこの国を変える。また、デジタルの力がこの国を変える。停滞することで儲けていた人たちが儲からないようになり、変化し、成長させることで儲けようとしている人たちが儲かるようになれば、日本は良くなる」と語った。
そして、「日本全体が成長するなかで、デジタル業界も成長し、企業も、社員も成長し、未来を一緒につくりたい」と語る。
ソフトウェア産業の挑戦するマインドが、日本全体の成長を支えることになる。
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