xMEMSを搭載したヘッドホンの試作機を視聴
同社はクリエイティブやNoble Audioと提携していて、すでにいくつかの製品は発売済みだ。今回も、「Cowell」を搭載するクリエイティブの「Aurvana Aceシリーズ」やNoble Audioの「Falcon Max TWS Earbuds」といった製品を展示していた。
音質について、過去にもレビューを掲載しているので詳しくは割愛するが、極めて優れた中域以上の描写力を持っており、制作スタジオのマルチウェイモニターで鳴らす音を、耳元に閉じ込めたような分離感が楽しめた。
クリエイティブのAurvana AceシリーズとNoble AudioのFalcon Max TWS Earbudsは、「Cowell」という同じドライバーを採用しているが、全体的な音質の印象が異なっていたのも面白い。
価格も、メーカーも異なるので当たり前と言えば当たり前なのだが、それ以上に、ハウジングの設計やドライバーの組み合わせによって、音質の印象が変化しても、描写力や分離性能はしっかりと維持できるという、MEMSスピーカーの実装時の能力の高さが感じられた。
国内未発売のUSB Type-C接続モニターや
xMEMSを搭載したヘッドホンの試作機を視聴
国内未発売製品としては、Noble Audioの「XM1 IN Ear Monitor」が展示された。Cowellと8.3mmのダイナミックドライバーを搭載したUSB Type-C接続のインイヤーモニターで、米国での販売価格は699ドル。
視聴したところ、品質の高いダイナミックドライバーによる低域のボリューム感を持っているのに、中域から上が全く埋もれていない。歪みは(全くと言っていいほど)感じられず、音源がナチュラルに出力されているし、帯域のバランスも非常にいい。
また、ヘッドホンにMEMSスピーカーを搭載した試作機も視聴できた。薄型のダイナミックドライバーをハウジング外側に、MEMSスピーカーを内側にスタッキングして搭載しており、ドライバー全体のサイズは、大型のダイナミックドライバーを1基搭載するのと変わらない。
音質としては、やはり中広域の描写力の高さに尽きる。構造的に、MEMSスピーカーの方が耳に近い場所に位置していることも手伝っていると思うが、低域の出力の高さがあっても、中域以上の帯域がほとんどマスクされていないのだ。
xMEMSは、本稿で紹介しているCowell以外にも複数のMEMSスピーカーをユニット形式で生産しているから、これから、さまざまなMEMSスピーカーを搭載した製品が市場に出てくることを思うと、いまから楽しみである。
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