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Intel第14世代Coreと最新自作PCのトレンドに合わせて進化

ゲーミングマザーボードは高効率、低発熱のVRM、大型のVRMヒートシンクを基準に選ぼう。「MAG B760M MORTAR WIFI II」レビュー

2023年12月28日 11時00分更新

文● 石川ひさよし 編集●ASCII
提供: エムエスアイコンピュータージャパン

CPU電源回路は変わらず。ゲーミングのミドルレンジ層を想定したチップ構成

 CPU電源回路を見ていこう。まずCPU電源端子は8ピン×2基。VRMフェーズ数は12+1+1。チップを見ていくと、PWMコントローラがRenesas「RAA229132」、12+1フェーズのMOSFETがRenesas「RAA220075R0」、残り1フェーズがMonolithic Power Systems「MP87670」。

CPU電源端子は8ピン×2基

CPU電源回路

PWMコントローラはRenesas「RAA229132」

 これはMAG B760M MORTAR WIFIとまったく同じ構成だ。ヒートシンクも同じデザインなので、CPU電源回路での変更はない。ただし、用いられているチップがRenesas製をメインとしているあたりがゲーミング向けマザーボードのミドルレンジであり、下位のスタンダードモデルなどとの違いと言えるだろう。高効率で低発熱、寿命が長いといったメリットがある。とくにメインのMOSFETのRAA220075R0は75A対応品で、ハイエンドCPUがブースト時に要求する大電力でも、変換効率のよいところで供給できる。

メインのMOSFETはRenesas「RAA220075R0」

残り1フェーズのMOSFETはMonolithic Power Systems「MP87670」

大型ヒートシンクで冷却する

 ベンチマークでVRM温度のログを計測してみた。使用したCPUはCore i9-14900Kで、ビデオカードはMSI「GeForce RTX 4070 Ti GAMING X SLIM 12G」、室温は20℃前後で計測した。

 まずCINEBENCH R23のMulti Coreテストを10分間。ほぼCPU負荷のみで長時間ということもあり、VRM温度は右肩上がりだが、最大68.5℃。バラックでの計測でVRM付近はほぼ無風ということもあり温度は上昇した。

CINEBENCHの温度推移

 続いてPCMark 10。CPU負荷もほどほどなので、VRM温度もおおむね37℃台で推移しており、最後のDigital Content CreationシナリオでCPU負荷が高まった際に最大温度42℃を記録した。

PCMark10の温度推移

 そして3DMarkのTime Spy。それなりにCPU負荷も入るため、VRM温度は序盤ゆるやかに上昇、中盤に落ち着きやや低下傾向にありつつ、最後のCPUテストで最大温度46.5℃を記録した。

3DMarkの温度推移

 CINEBENCH R23はともかく、PCMark 10や3DMarkの温度推移を見るかぎり、VRMの発熱は抑え込まれており不安要素はない。

 実際のゲームの例としてBLUE PROTOCOLとFINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマークを2560×1440ドット、それぞれ最高画質設定で実行した際のグラフを見ておこう。VRM温度はどちらも40℃以下に収まっており、最大温度はBLUE PROTOCOLが38℃、FFXVベンチマークが39.5℃だった。

BLUE PROTOCOLの温度推移

FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマークの温度推移

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