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地元と密にかかわっていくスタイル
――リフォームは地元の業者さんにお願いしたんですか?
ベッカーさん:はい。地元の建築会社の中から検討し、私の自宅を建てた業者さんも携わってくれました。地元企業を優先的に選ぶ理由は、もちろん地域への還元というのもありますが、彼らが地域の特徴を熟知していて、その土地ならではの特殊な要件にも迅速に対応してくれると期待していたからです。
――地元の経済も回っているのがいいですね。
ベッカーさん:そうですね。でも、このあたりはみんなそんな感じですよ。みんなで助け合ったり、一緒にやったりとかそういうことが多いですね。そのうち地域の方々と、ここで盆踊りとかハロウィーンとかできたらいいなと思ってます。広い校庭もありますし、クルマもたくさん停められますし。
――地元の人との交流は楽しそうですね。地元と言えば、いすみ鉄道とは何かコラボしないんですか?
ベッカーさん:ぜひ積極的にやっていきたいですね。いすみ鉄道は菜の花が有名なんですが、その保全活動に協力してまして、種まきをさせてもらったりしています。なにか便利な使い方を提案して、駅舎や車両にうちのディスプレーを導入していただくとか。ラッピング電車とかもいいですね。
――いすみ市に拠点を置いてから、自治体とのやり取りでなにか変わったことなどはありますか?
ベッカーさん:移転してから「ふるさと納税の返礼品の提供」を始めたのですが、自治体の方も喜んでくださっていますし、寄付者の方からもうれしいお声をいただくのでやって良かったと思っています。人材採用の点でも自治体の広報誌に会社紹介と求人を掲載していただいたりしています。現状は忙しくてなかなか実現できていないのですが、将来的にはさらに地域への貢献や交流をしていきたいですね。
――ビジネス面で変わったことはありますか?
ベッカーさん:広くなったことで間違いなく生産効率が上がっています。検証や商品開発に使える面積が増えて、以前と比べたらとても作業しやすくなりました。ですので、社員もどんどん増やしていきたいですね。スペースが増えたことは雇用面では大きなプラスになりましたね。
――それが今ではこんなに広い休憩室も。福利厚生の面でも良くなってるわけですね。
ベッカーさん:あと、修理に使うスペースは格段に広くなりました。例えば、修理後のエイジングにはかなりのスペースが必要になりますので、作業スペースの広さは作業効率に直結します。移転で工程ごとのスペースの最適化を実現できたので、作業フローをスムーズに進められるようになりました。
――ある程度の時間経過がないと再現できないエラーもありますもんね。
ベッカーさん:修理だけではなく仕事全体の作業効率を上げて、売り上げも伸ばしていきますので、今後も人員を拡充していこうと思います。ここには森と海の両方があるので、自然に囲まれた環境の中で仕事がしたい、という方にはぜひ来てほしいですね。共に成長し、新たな挑戦に向かっていけるチームの一員になってもらえればと思います。
――こちらに移住する場合、アパートとかマンションの事情はどうなってますか?
ベッカーさん:賃貸なら、アパートは3万円ぐらいで、一軒家だと5万円台からですね。自治体による移住者サポートもありますので探しやすいと思いますよ。
――今年は昨年にもまして、新製品のリリースが多かったと思うのですが、結局いくつぐらい発売したんですか?
ベッカーさん:今年はおおよそ100製品強を発売しました。昨年も100製品近く発売しましたがさらに増えましたね。一昨年は50製品ほどでしたので、倍以上になりました。
――やっぱり移転してスケールアップしたことで、それがリリースの数や売り上げにもつながってるんですね。
ベッカーさん:そうですね。最近は量販店様での売り上げも上がっています。あと、製品開発だけではなく、コールセンターとか修理に関わるスタッフも増えているので、サポート面でも着実に良い会社になっていっていると思います。
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