Adobe ExpressとLINEの相互連携! 新しいクリエイティブの時代
「Adobe Express」についてはこのほか、アドビとLINEヤフーの協業の第一歩として2024年2月をめどにLINE広告を作成できる「LINE Creative Lab」との相互連携が開始されることも発表された。基調講演後の記者説明会には、LINEヤフー 上級執行役員 マーケティングソリューションカンパニー カンパニーCPOの二木祥平氏が参加し、アドビとともにクリエイターのコンテンツ制作を支援していきたいとの抱負を語った。
なお同日にはnoteとも、「Adobe Express」を使って、noteの見出し画像を作成できる機能の提供開始が発表されている。
デモンストレーションの最後には、マーケティングマネージャーの轟 啓介氏登場。同日ベータ版を終了して、「Adobe Firefly」のウェブサイトで一般公開されたばかりの「Adobe Firefly Image 2 Model」を使用し、画像の生成や「生成マッチ」を用いたスタイル変更の機能を紹介した。轟氏はさらに、10月に開催された米国の「Adobe MAX 2023」で、将来の機能をチラ見せする「Sneaks」として紹介された「Project Stardust」のデモンストレーションも実施。写真内の人やモノをオブジェクトとして認識し、動かしたり、消したり、背景を生成したりが簡単にできる様子に、会場に集ったクリエイターから感嘆の声があがっていた。
基調講演後の記者説明会でベルスキー氏は、クリエイターとマーケッターをつなぐ「Adobe Express」の可能性に言及。「クリエイティブとマーケティングの世界はどんどん近づいている」と話し、生成AIを用いることで個々にパーソナライゼーションされたコンテンツの制作や、そのときどきに応じたアジャイルマーケティングが可能になると語った。
また「Adobe Express」によって、「クリエイティビティに参加できる人の数を増やすことができる」とも。「生産性はコンピューターに置き換わり、今後はビジネスマンもクリエイティビティをもとに評価される時代になる」とベルスキー氏。「ビジネスパーソン全てにクリエイティブツールを提供したい」、「Creative CloudのミッションはCreativity for All」と話し、「生成AIは誰もがクリエイティブに対して自信を取り戻せるツールだ」とも話していた。
一方、生成AIによってマーケッター自身がコンテンツを制作できるようになると、クリエイターの仕事が減るのでは? という質問には、「プロの仕事の5割は実はやりたくない、繰り返しの作業。作業から解放されれば、新しいアイデアや可能性を模索する時間を得られる」と回答。「新たなソリューションが生まれ、マーケティングが改善し、デジタル体験が向上する。そうなれば企業はもっとクリエイターを採用したいと考えるはず。実際にエンジニアの世界では、生産性が向上し続けている一方で採用も拡大し続けている」との持論を展開した。
なお「Adobe MAX Japan 2023」ではこのほか、Adobe Fontsの最新アップデートとしてまんがのフキダシに最適な「貂明朝アンチック」が追加された。すべてのかなに濁音、半濁音がつけられるほか、複数の感嘆符や長い音引きなどを使いやすくする工夫もされている。また、アドビが開発中の新しい技術を紹介する「Sneaks」では、テクニカルリサーチアーティストの伊藤大地氏が、音声を簡単に切り分けできる「Project Sound Lift」を本邦初公開。米国の「Adobe MAX 2023」でも話題を呼んだ、模様が変わるドレス「Project Primrose」も披露され、注目を集めていた。
GPT 2023年11月16日、アドビは東京ビッグサイトで4年ぶりに「Adobe MAX Japan 2023」を実施。約3600人が参加した基調講演では、里村明洋氏とスコット・ベルスキー氏が、生成AI「Adobe Firefly」を含むCreative Cloudの最新アップデートを紹介した。週刊アスキーの最新情報を購読しよう