夢を抱くなら昔の未来か今の現実か
かつてのシトロエンは未来志向の技術至上主義に走る余り商業的には失敗してしまいました。それで数多くの技術は「昔の未来」として封印されてしまいました。そうした意味ではロータリーエンジンとハイドロニューマチックを重ねて見ることもできましょう。
冒頭のICONIC SPがクルマ好きに受けるのは、過去の文脈を継承した美しい未来が見えるから。それが「あらかじめ失われた未来」であっても、我々のようなクルマ好きには大いなる歴史的伏線回収のように見えるのであります。
自動車を使う目的は人や荷物を積んで移動すること。それができれば昔のように木炭を燃やしてEVを成立させてもいいはずですが、メカニズム全体を覆う外皮の形状も含め、動力装置にも理想の未来を求めるわけであります。
対してSUVというのは理想ではなく現実。未来ではなくて現在。あまりにも夢がないのではないかと昔は考えていましたが、SUVはユーザーニーズの理想を形にまとめたもの。エンスーが求める理想と何が違うのか。クルマに夢を求めるより、夢を現実にするためクルマを使う。そっちも楽しそうでいいじゃないと、やっと思い始めた私です。
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