「MacBook Proをおすすめしたいユーザー像」をアップルが示した
今回の発表会ではアップルの幹部が、新しいMacがターゲットに見据えるユーザー像を明確に捉えて、それぞれのタスクに対する相性の良さをアピールしていました。
MacBook Proは「プロが使うもの」という先入観が固定されつつありました。アップルによると、MacBook ProはM3搭載機が「学生・個人の起業家・クリエイター」、M3 Proは「プログラマー・プロのクリエイター・研究者」、M3 Maxは「AI開発者・3Dアーティスト・プロのビデオクリエイター」など、異なる作業負荷に対して十分に応えるパフォーマンスを最新のチップが備えているといいます。誰でも気軽に選べるハイスペック・モバイルPCとして、MacBook Proの魅力を再定義できるか、発売後のアップルによるTVCMなどを活用したプロモーション戦略にも注目です。
Appleシリコンが誕生する以前に発売された、インテル製チップを搭載する「旧式のMac」からの買い換えも積極的に促しています。インテルベースのMacBook Proよりも処理スピードは約11倍速くなり、内蔵バッテリーによる連続駆動時間は11時間長く持つようになるといいます。ティム・クックCEOも「Macを体験するなら今でしょ」と、発表会の中で呼びかけていました。
新色の「スペースブラック」が追加されたことで、すでにMacBook Proを愛用するユーザーの買い換えに対するモチベーションも高まりそうです。スペースブラックはM3 Proチップ、またはM3 Maxチップを搭載するモデルしか選べないカラーなのが残念ですが。今回のMacBook Proでは陽極酸化皮膜処理を施すことによって、ダーク系カラーの筐体に目立ちがちな指紋の付着を減らす工夫を凝らしています。ブラックよりも明るいスペースグレイ、シルバーにも同じコーティングを施しているようです。
一方、オールインワンスタイルのiMacは、家族やオフィスの共有PCとしても人気を博してきました。M2チップをスキップして、一息にM3チップを搭載したことで、やはりインテル製チップを搭載するiMacからのアップグレードをアップルは強くプッシュしています。24インチの4.5K Retinaディスプレイの映像と空間オーディオのコンビネーションは確かに強力です。12月2日にはコジマプロダクションによる「デススト」Mac版のリリースも控えています。グラフィックスに凝ったゲームをiMacでプレイできる機会が楽しみです。
筆者紹介――山本 敦
オーディオ・ビジュアル専門誌のWeb編集・記者職を経てフリーに。取材対象はITからオーディオ・ビジュアルまで、スマート・エレクトロニクスに精通する。ヘッドホン、イヤホンは毎年300機を超える新製品を体験する。国内外のスタートアップによる製品、サービスの取材、インタビューなども数多く手がける。
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