AirPodsに強力なライバル!
Jabra Elite 10はヘッドトラッキング機能も搭載
デンマークのオーディオブランドであるJabraは、ドルビーアトモス再生や、これをベースにしたヘッドトラッキング機能を搭載するワイヤレスイヤホン「Jabra Elite 10」を発表しました。ヨーロッパには9月から249ドル(約3.6万円)で発売を予定しています。本機は日本上陸の予定もあるイヤホンです。
Jabraは長年に渡ってヒアリングエイド(聴覚補助)機器の開発に携わっている、GN Audioグループのオーディオブランドです。イヤホンのハウジング(外殻)が完全には密閉されていない「半密閉型」構造として音に切れ味を持たせつつ、人間工学に基づくデザインにより耳にピタリと吸い付くようなフィット感を合わせて実現しました。現地で試聴した筆者は、半密閉なのに分厚いサウンドにとても驚き、Jabraの開発者に何度も「本当に半密閉なの?」と繰り返し確認してしまいました。
本機に搭載する高性能なチップセットはJabraが自ら設計しています。設計開発の過程ではドルビーラボラトリーズと密接に連携しながら、ドルビーアトモスによる立体音楽体験のほか、イヤホンを装着するユーザーが顔の向きを変えても、コンテンツの音源があるべき位置に定位するドルビーヘッドトラッキングの機能を作り込み、これらをElite 10に搭載しました。
Jabra Sound+アプリからは各機能のオン・オフが選べます。ドルビーアトモス再生はApple MusicやAmazon Musicが配信するネイティブなドルビーアトモス対応のコンテンツに限らず、通常のステレオコンテンツからのリアルタイム変換による立体化にも対応します。
筆者は本機を試聴して、立体空間の広さ、顔の動きを正確に追従するヘッドトラッキングの精度がJabra Elite 10の魅力だと感じました。ワイヤレスイヤホンによるドルビーアトモス再生やヘッドトラッキング体験は、先行してアップルのAirPodsやビーツの一部モデルが対応してきました。同じコンテンツをベースにフェアな比較も必要だと思いますが、例えばAirPods Proの中立的なサウンドに対して、Jabra Elite 10はもっと音楽的な起伏に富んだサウンドという印象を受けました。
立体音楽体験やヘッドトラッキングに対応するワイヤレスイヤホンは、これからも数多く出てくると思います。ソフトウェアによるイコライザー的な機能ですが、IFAで発表された新製品の中ではシュアのヘッドホン「AONIC 50 Gen 2」もSpatializer(空間化)の機能を搭載しています。特にハイエンドクラスのワイヤレスイヤホン・ヘッドホンには欠かせない機能として、立体音楽体験が広がる可能性があります。
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