壁際から17cmで100インチの大画面を実現
本体サイズは幅604×奥行き426×高さ153mmで、重量は10.6kgだ。やや大きめで存在感があるが、デザインが美しいことが気に入った。超短焦点プロジェクターは画面のすぐ下に置かれるので、映画鑑賞中にどうしても目に入る。だからデザインの美しさは重要なのだ。前面から側面にかけて縦のスリットが入ったデザインも洒落ているし、優雅なカーブを描く天面の形状も室内の照明などで美しいシルエットが浮かぶ。
設置はスクリーンがある壁面のすぐ下に置くだけ。壁から17cm離せば100インチ、41cmなら150インチの投影が可能だ。17cmはほぼ壁際と言える距離だから、多少サイズが大きくても邪魔になりにくい。背の低いAVラックなどと組み合わせれば、プレーヤーやAVアンプといった機器と一緒に設置できる。
調整はほぼ自動で完了
驚いたのが設置時の調整だ。独自のAI画像調整技術「Aiimage」を搭載しており、4隅の微調整や画面の歪み補正などがほぼ自動で完了する。もちろん、フォーカス調整も自動。設置して電源を入れて画を出したら。そのままでもほぼ不満のない画が出てびっくりした。プロジェクターの調整機能もかなり進歩しているが、ここまで手間いらずなのは本機が初めてだ。最終的に手動の微調整でわずかな台形歪みを調整した程度で済んだ。設置や調整はかなり簡単だと感じた。
筆者の自宅には、ホワイトマットタイプのスクリーンを固定で設置しているので、テレビ用ラックを使って設置してみた。コツは投射する壁面やスクリーンに対して平行に置くこと、プロジェクターの前脚部分にある高さ調整機構を使ってきちんと水平に設置すること。画質を追究するなら、このあたりは不可欠だろう。
雑に設置しても自動的に図形歪み(四角のはずの画面が歪んで投影されること)などはかなり補正してくれるが、きちんと設置した方がデジタル補正による画質劣化を最小にできる。
超短焦点レンズでは、フォーカスのムラが目立ちやすい。しかし本機は周辺でフォーカスが外れるようなこともなく、4K解像度の映像を周辺までくっきりと再現できている。色ムラなどもほぼ気にならないレベルで、レンズ設計や画像調整技術の高さを感じた。
Fire TV Stickなどストリーミング端末との組み合わせも
接続端子は、背面にHDMI入力が3系統あり、うち1系統はeARC対応だ。このほかにUSB端子が2系統、アナログのオーディオ出力、光デジタル出力、有線LANなどがある。HDMI入力は、4K/HDR信号に対応するほか、Fire TVやChromecastなど、各社のストリーミング端末に対応。接続すれば、スマートテレビのようにも使える。オーディオ出力も、すでにHi-Fiアンプやスピーカーを持っている人にとって便利だろう。
入力の切り替えや設定用のシンプルなメニューも用意されている。Android OSを搭載しているようで、アプリを追加する機能もある。ただし、動画や音楽配信用のアプリには今のところ対応していないようだ。また、内蔵ストレージの管理画面があったり、画面ミラーリング機能もあったりする。このあたりは、ビジネス向けプロジェクターに近いメニュー構成だ。また、ワイヤレスヘッドホンに送信するだけでなく、内蔵スピーカーをワイヤレススピーカーとして使うためのBluetooth受信機能も備えている。このほか子供などがレンズをのぞき込んだときに、自動で映像を消して目へのダメージを回避するアイプロテクション機能も持つ。
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