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iPhoneできれいな動画を撮るために、事前に確認しておきたいカメラ設定とは?

2023年09月21日 09時00分更新

各種の設定は撮影内容や状況に応じて見直そう

 次に、撮影内容や状況に応じた設定を確認していこう。これらを適切に設定しておけば、イメージした映像を撮影しやすくなる。

【解像度/フレームレート】
 初めに確認したいのは、「解像度」と「フレームレート」だ。撮影の目的にもよるが、解像度は、可能なら4Kがおすすめ。理由として、4Kの高解像度で撮影しておけば、撮影後の編集で融通が利くからだ。例えば、「被写体に少し寄りたい」という場合に、映像の美しさを損なわずに寄れるというメリットがある。

 また、HDで撮影した映像と、4Kで撮影してHDにダウンスケールした映像とでは、同じHD動画でも後者のほうが美しいのである。ただし、4Kは容量を圧迫するので、iPhoneの内蔵ストレージの空き容量がシビアな場合は、HD撮影のほうがいいだろう。

 フレームレートは、1秒間に構成される画像の枚数のことで、単位は「fps」。この値が大きいほど滑らかな動画になる。ちなみに、映画は24 fps、テレビは30 fpsが一般的だ。そのため、シネマティックな効果を求めるなら24 fps、一般的な動画なら30 fpsに設定するのが基本。スポーツやアクションのような速い動きを捉えたいなら、60 fpsに設定するのが最適だ。

設定アプリで「カメラ」→「ビデオ撮影」をタップ。解像度とフレームレートの組み合わせで最適なものを選択する。最もポピュラーな設定は「4K/30 fps」だ。

 なお、撮影中にも解像度とフレームレートは変更できるが、撮影中に変更するとミスが起こりやすいので、あまりおすすめしない。ただ、何か事情があって急遽変更したいとき、方法を知っていればすぐに対応できるので、やり方は覚えておこう。

横向きで撮影している場合は左上に解像度とフレームレートが表示されている。ここをタップすると、それぞれの値を切り替えられる。

【手ぶれ補正(拡張)】
 iPhone 14シリーズ以降では、「手ぶれ補正(拡張)」を設定できる。これは、ビデオ撮影とシネマティックモード撮影時に、わずかにズームインして撮影することで手ブレを軽減させる機能だ。iPhoneを手持ちで撮影するなら、オンにしておいたほうがいいだろう。

解像度の項目の下にある「手ぶれ補正(拡張)」をオンにする。若干画角が狭くなるが、手ブレを軽減させる効果がある。iPhone 14シリーズでのみ設定できる。

【アクションモード(低照度)】
 iPhone 14シリーズ以降では、ビデオ撮影時に片手で撮っても手ブレを極限まで軽減できる「アクションモード」という機能が利用できる。しかし、アクションモードの使用シーンは晴れた日の屋外を想定しており、相応の明るさがないと機能しない。つまり、建物内や日陰などでは正常に機能しない可能性がある。

 そこで、「アクションモード(低照度)」の出番。これは、アクションモードを強化するもので、暗い場所でも最適化して撮影できるようにする機能だ。アクションモードをよく利用する人は、オンにしておくといいだろう。

「アクションモード(低照度)」は必要に応じてオンにしよう。アクションモードを利用しているとき、暗い場所でも画質が安定する。アクションモードを使わないなら、オフのままで問題ない。iPhone 14シリーズ以降でのみ設定できる。

【HDRビデオ】
 HDRとは、High Dynamic Range(ハイ・ダイナミック・レンジ)の略称で、写真や動画で撮影したものを、実際と近い明るさで表現する技術のこと。明るい部分と暗い部分の両方の明るさを記録し、それらを合成することで、より広い明るさの範囲を表現することができる。

 通常の動画では、明るい部分が白飛びしたり、暗い部分が黒つぶれしたりすることがよくあるが、HDRビデオではそのような現象を抑え、より自然な見た目の動画を撮影できる。また、通常の動画では1フレーム当たり8ビットの情報を記録するが、HDRビデオでは1フレーム当たり10ビット以上の情報を記録できる。そのため、より細かな色彩表現が可能なのだ。

 ただし、情報量が増えるため、ファイルサイズは大きくなる。iPhoneのストレージ容量に応じて、設定のオン/オフを決めたほうがいいだろう。

「HDRビデオ」をオンにすると、映像をより自然な見た目にできる。ただし、ファイルサイズがやや大きくなるので、ストレージ容量に余裕がない場合はオフでもいい。

【FPS自動調整】
 「FPS自動調整」は、iPhone XS/XR以降のモデルで利用できる機能で、明るさが足りない場所ではフレームレートを自動的に下げて、明るさを維持するというものだ。一般的に、フレームレートが低いと映像は明るくなり、高いと暗くなる。

 FPS自動調整を有効にしておくと、撮影中に明るさが足りないと判断されれば自動的にフレームレートを24 fpsへ下げて、映像の明るさを確保するようになる。暗い場所でも撮る可能性があり、明るさを優先したい場合はオンにしておこう。

「FPS自動調整」をタップ。「オフ」「30 fpsを自動調整」「30 fpsと60 fpsを自動調整」の中から選択できる。この機能を使うなら「30 fpsと60 fpsを自動調整」を選んでおけば間違いはない。

【カメラをロック】
 「カメラをロック」とは、ビデオ撮影中にレンズを切り替えられないようにする機能。最近のiPhoneは3つのレンズ(超広角/広角/望遠)を搭載しているが、撮影中にズームを利用すると、指定の倍率に到達したときにレンズが切り替わる。その際にカクッとした感じが出てしまうのだが、これを防ぐための機能だ。

 例えば、超広角の0.5倍で撮影しているときに3倍までズームインした場合、「カメラをロック」がオフだと、1倍に達したときに広角レンズに切り替わって、一瞬カクッとなる。しかし、「カメラをロック」をオンにしておくと、1倍に達しても超広角レンズを使って撮影するので、カクッとすることなくスムーズにズームされる。

 ただし、この場合はデジタルズームとなるため、画質が落ちるのがデメリット。また、レンズが切り替わらないので、ズームの範囲も狭くなる。よって、撮影にズームを多用する場合は、レンズが切り替わる際の感じをあらかじめ確認しておき、オンにするかしないかを決めたほうがいいだろう。ズームを使わない場合は、オフのままでも問題ない。

「カメラをロック」をオンにすると、ズームを使った際にレンズの切り替えがされなくなる。スムーズなズームを確実に行いたい場合はオンにしよう。

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