アプリケーションファーストのスパコン
富岳は、浮動小数点演算での性能評価を行う「TOP500」では、世界1位の座を譲ったものの、現在も実際にアプリケーションを稼働させた性能評価である「HPCG」、ビックデータ処理での性能評価を行う「Graph500」では、依然として世界トップの座にある。3年を経過しても、5冠のうち2冠を維持しているのは異例だ。
「富岳の特徴は、特定のベンチマークだけが優れているのではなく、様々な領域で高い性能を誇る点にある。スポーツに例えるならば、100メートル走だけでなく、マラソンでも、重量挙げでも高い成績を残しているのが富岳である。また、幅広いアプリケーションが利用でき、それらは富岳が稼働したタイミングから利用できるように準備してきた。だからこそ、飛沫飛散シミュレーションも、富岳が本格稼働する前からアプリケーションを利用し、実施することができた。Society 5.0に貢献するためにターゲットとしたアプリケーションでは、かつての京に比べると、平均で70倍以上の性能を誇り、応用範囲も幅広い。ハードウェアによる高い計算性能だけが富岳の成果ではない。富岳の成果は、システムソフトやアプリケーションなどのソリューション全体に及んでおり、富岳は、アプリケーションファーストスパコンだといえる」と力を込める。
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