契約後にする設定は回線を振り分けることくらい
その後、元々使っていたSIMと機能を振り分ける「モバイル通信プランを追加」のウィザードに自動で進まなかったので、手動で設定したが、本来ならSIM振り分けのウィザードが表示されるはず。筆者の場合は数時間後に突然ウィザードが出たので、そこであらためて設定した。
今回開通させた楽天回線はデータ専用で、筆者は「副回線」とした。iPhoneではSIMごとにあらかじめ用意された名称から選んだり、自由に名称を追加できる。通常は元の回線が「主回線」となっていることが多いので、筆者は「モバイルデータ通信」を選んだが、さらにわかりやすく「楽天モバイル」などと入力してもいいだろう。
回線の振り分けはウィザードで進むが、今回の回線はデータ専用なので、データ通信だけ「副回線」を使うようにし、ほかはメインの回線のままにしておく。デフォルトの音声回線にデータ専用回線を選んでしまうと通話の発信が難しくなる。これでWi-Fi以外のデータ通信は楽天モバイルを使う設定になった。もし、データ回線を切り替えたい場合は「設定」→「モバイル通信」からモバイルデータ通信の回線を切り替えればいい。
また、メイン回線がMVNOの格安SIMだった場合、APN設定などの構成プロファイルを読み込む必要があるケースが多いが、楽天モバイルは構成プロファイル不要で自動設定される。eSIMの設定が済んだら通信を開始。また、うまく通信できない場合は、再起動(電源オフにしてもう一度電源オン)してみると、うまくいくことが多い。
これらの操作は、楽天モバイルに限らず、2つのSIMを使う場合の設定とまったく同じだ。iPhoneの場合はアップルのウェブサイトに説明(https://support.apple.com/ja-jp/HT209044)があるので参考にするといいだろう。Androidでも基本的な考え方は同じだが、メーカーごとに複数SIMの設定方法に違いがあるので、手持ちの機種でよく調べて設定してほしい。
でも普通に使うなら音声タイプのほうがいいんじゃないか
さすがに「ワンクリック」ではないものの、無事に一瞬で開通してしまった楽天モバイルのデータタイプだが、よく考えてみると、そもそも料金も同じなのだから、本人確認書類が用意できて、eKYCによる本人確認ができるなら、音声通話タイプの方が便利だろう。特に物理SIMで申し込むなら、時間がかかるのは一緒だ。
特に楽天モバイルの場合は、音声通話タイプならRakuten Linkを用いることで国内通話がかけ放題だ(データタイプでもSMSは利用可能)。また、開通時の特典も音声通話タイプの方が多い。ポイント還元だけでなく、今なら1円で買えるスマートフォンが用意されており、さらに友達に楽天モバイル利用者がいるなら紹介特典などもある。
データタイプも特典がないわけではなく、初月はポイントで最低料金分相当の1081ポイントが還元され、「実質3GB相当無料」とアピールされているが、音声タイプにはかなわない。そしてなによりも楽天カードを持っていなくても利用できる。
しかし、データタイプならではの利点もいくつかあり、たとえば、余計な通話発着信ができないといった点などを本連載でもまとめて紹介している(「以前は主流の格安SIMのデータ専用回線 今でもこんな用途に便利!」)。ただし、今回のデータタイプはSMSが使えるため、不要なSMSは来るのでその点は注意が必要だ。
それでも楽天モバイルでの新規開通は、070から始まる過去に他人が使った可能性が低い番号が割り当てられる傾向があるため、他の事業者に比べると、以前の利用者と混同した迷惑電話がかかってくることは少ないかもしれない。
とにかく早く開通させたい人に便利
本領発揮は同じ方法で音声タイプが契約可能になってから!?
楽天カードユーザー限定という非常に高いハードルがあるものの、eSIMならではの利点を活かして、ここまで早く開通できる点は評価したい。国内事業者において、費用面まで含めて現在最もeSIMの利用が便利な楽天モバイルならではの仕組みと言えよう。
今後はデータタイプで開通させた回線を通常の音声タイプに変更できるようにしたり、そもそもこの方法での音声タイプの契約を可能にすることを狙っているようだ。その際は楽天モバイルユーザーの拡大につなげられる可能性がある。
もし、楽天カード持ちで、1分1秒を惜しんでいますぐ回線が欲し人がいるなら、楽天モバイル データタイプの開通の速さを実感してみてはどうだろうか。
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