1800年の歴史を持つ、縁むすびの神様
鳥飼八幡宮は、1800年の歴史を持つ神社で、縁むすびや願い事成就の神様として、地域の人々に長く愛されてきたという。
宮司の山内圭司氏は「鳥飼八幡宮はリアルでの参拝者も増加しているが、多くの神社は厳しい状況にある。人口減少に加えて、氏子意識がなくなり、寄付や祈願の初穂料で成り立っている神社は、ひと握りに過ぎない。神社に受け継がれる祭りも縮小傾向にある。毎年、1000社の神社が無くなっている。時代に合わせて打ち手を考えないと、歴史を積むことはできない」と指摘する。
「メタバース空間では、物理的な困難が無くなり、世界中のどこからでも鳥飼八幡宮に参拝でき、神様に手を合わせることができる。神社に縁がなく、興味を持たない人たちにも、足を運ぶきっかけになる。さらに、様々な人との交流や、新たなプロジェクト、ビジネスが生み出され、人と地域を活性化させたいという思いがある。ワクワクする鳥飼八幡宮を届けることができると期待している」とした。
また、「メタバース神社はリアルの鳥飼八幡宮に足を運んでもらうきっかけづくりが目的である。現時点ではすべてを無料で提供し、お賽銭も投げるだけで課金はされない。だが、将来的には、お守り、お札、祈願を有料化することも考えたい。また、世界の人たちに向けて、日本の清貧性を伝え、神道や日本神話の世界観を伝えるツールに育てたい」とした。
次のステップとして、英語表記を用意したり、季節ごとのイベントを開催したりといったことも検討している。宮司自らがメタバース空間に登場し、参拝者と交流するといったことも考えている。
鳥飼八幡宮には、年間30万人が訪れているが、「メタバース神社では、30万人を超える参拝を期待している」と述べ、「リアルでも、バーチャルでも参拝することができる。全国の神社に、この取り組みをモデルケースにしてもらいたい」とした。
手軽なDX体験、神社の情報発信も再設計が求められる
EYは、全世界150カ国以上で展開。約36万5000人の専門家が在籍し、アシュアランス(監査)、ストラテジー・アンド・トランザクション(M&A支援)、コンサルティング、 税務の4つのプロフェッショナルサービスを提供している。
日本では、EY新日本監査法人、EYストラテジー・アンド・コンサルティング、EY税理士法人、EY Japanの4社で構成。「EY Japanには、テクノロジーのチームがあり、クライアントテクノロジーハブを通じた活動を行っている。また、福岡を拠点に、EYのグローバルアセットを活用し、日本のDX案件を牽引するEYデジタルハブ福岡を、2021年10月に設立。東京でのコンサルティング案件に、福岡のエンジニアが参加。地元企業や自治体などと連携し、DX案件の構想から実現までを支援しているという。
EYデジタルハブ福岡が、2022年秋から、鳥飼八幡宮と協業をスタート。「今回のメタバース神社は、神社として新しい挑戦をしたいということから始まった。とくに若い人たちに向けて情報発信のやり方を見直したい、神社を訪れる人たちの体験を再設計したいということからスタートしている」という。
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