実アプリ系ベンチマークでテスト
次は「PCMark 10」と「3DMark」のストレージベンチマークを実行していこう。
まずPCMark 10の「Full System Drive Benchmark」を実行すると、総合スコアーは3927を記録した。同テストはAMD環境ではいまひとつスコアーが伸びない傾向にあるが、ESの段階で4000に迫るスコアーは悪くないだろう。
最後はゲーミング環境のストレージ性能をシミュレートしてスコアーで示す3DMarkの「Storage Benchmark」だ。
最速クラスのPCIe 4.0 NVMe SSDでも3000台のスコアーが多いなか、本製品は4000スコアーを記録した。PCMark 10の「Full System Drive Benchmark」と同じく、AMD系ではスコアーがあまり伸びない点を考えると、かなり優秀と言えるだろう。ランダムまわりが最適化された製品版では、さらにスコアーが伸びる可能性もあるので、期待したいところだ。
エアフローの確保など冷却には配慮は必要
PCIe 5.0 NVMe SSDは、10GB/sを超えるアクセス速度と引き換えに、発熱量が増加している。この点はT700も同じだ。ESの影響もあるだろうが、エアフローのない環境では「CrystalDiskMark」を行っているだけで、サーマルスロットリングが発生する80℃に達することもあった。
パフォーマンスチェックに使ったヒートスプレッダーモデルだけでなく、ヒートスプレッダー無しモデルにマザーボード付属の大型M.2ヒートシンクを使用した状態も試してみた。
結果はファンで風を送った状態で、最大温度は81℃に達していた。「CrystalDiskMark」の結果に低下は見られなかったが、「HWiNFO64 Pro」を使ったアクセス速度のログには、80℃に達した時点で速度ダウンが発生していた。
ESなうえ、両面実装の2TBモデルかつ、テスト環境が基板裏面からの冷却が行えない仕様、さらにM.2スロットへエアフローを生まない水冷クーラーの搭載といった点も影響しているが、やはり冷却面には注意が必要だろう。
とは言え、今回テストしたT700はかなり期待できるパフォーマンスを発揮した。最速を目指すPC自作ユーザーにとって注目の製品になることは間違いなしだろう。ネックとなる冷却強化も、これまでのPCIe 5.0 NVMe SSDにはなかった基板のみモデルがラインアップされているので、かなり楽と言えるだろう。
正確な発売日は未定だが、近いうちに店頭に並びそうなので、発売後に環境ごとのパフォーマンスや、キャッシュ枯渇時の挙動、温度推移などを、改めてテストしたいと思う。
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