創業者の娘であるMeng氏がついに輪番会長に
制裁を科しているアメリカにはどう見えるか
Meng氏といえば、2018年12月に乗り継ぎで降り立ったカナダで、詐欺罪などの容疑で逮捕、2021年9月に釈放されるというドラマチックな出来事が記憶に新しい。
Meng氏は2021年のレポート発表時にプレスの前に姿を現し話題に。CFOに加え輪番会長も務めることも明らかになっていた。いつ実際に輪番会長になるのかが注目されていたが、この4月1日から輪番会長に就任した。
同社は6ヵ月おきに会長が交代する輪番制を導入しており、Meng氏は先述のEric Xu氏、Ken Hu氏と共に輪番会長を務める。Meng氏がトップに立った一方で、これまで輪番会長の1人だったGuo Ping氏は監査委員会委員長となっている。
輪番会長は、変化するビジネス環境や社会に対応するために1人ではなく複数が企業を率いるべきだという創業者のRen Zhengfei氏(任正非)の考えに基づく制度だ。任期中は、CEOとして行動する権限を持つ。
その輪番会長にMeng氏が就任するということが、米国に対してどのようなメッセージとなるのか。なお、決算発表時に記者からの質問に対し、「ファーウェイの輪番制は個人のリーダーシップではなく集団的なもの。個人と会社の運命を結びつけることはしない」と返している。
Meng氏はまだ輪番会長がスタートする前の決算発表にて、研究開発への投資に触れながら、デバイスの入れ替え、基板の再設計、OSなどの開発を進めているとしている。
筆者紹介──末岡洋子
フリーランスライター。アットマーク・アイティの記者を経てフリーに。欧州のICT事情に明るく、モバイルのほかオープンソースやデジタル規制動向などもウォッチしている
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