毎月3000作以上の投稿から新人を探し出す
細野 ここでもう1つ、成長のポイントという意味ですと「少年ジャンプ+」は新人主義だということです。
なぜ新人作家にこだわるのかと言えば、大ヒットするマンガは時代性と結構関係があるのではと思っているからです。その時代にウケている事柄だったり、みんなが心の奥で思っていることだったり……。
そして、その時代を作るのはみなさんのような若者だと思っています。若者=読者に描き手が近いほうがヒットする、ヒットになりやすいのではと思いまして、新人主義をとっています。
また、新人と言っても、単に若い人ということではなく、他誌出身の作家さんも新人と考えて育てています。
そのための仕組みとして、「ジャンプルーキー!」というものをやっています。これは「少年ジャンプ+」創刊から続けていまして、簡単に言うと漫画家さんたちが自分の作品を投稿して公開できるサービスですね。
現在、投稿者は月に2000人以上。1人1本以上投稿しますので、投稿される話数は3000〜4000作に上っています。これらの作品を「少年ジャンプ+」の編集者で全作品読み、有望な人に連絡して「一緒にマンガを作りましょう」と育てています。
そしてここで「少年ジャンプ+」の現在を。すでに少し言及しているので、ここはサラッとやっていきます。
「少年ジャンプ+」は現在、連載作品が70本以上あります。2014年の創刊からこれまでに341本の連載作品が始まっていますから、逆に言うと270本くらい終わっている、ということになります。
ヒットを測るバロメーターと言えるものとして映像化が挙げられますが、『SPY×FAMILY』『サマータイムレンダ』といったアニメ化のほか、直近ですと『カラダ探し』という実写映画が公開され、興収も10億円とヒットしました。このほかにも次々とメディア化が決まっていまして、非常に注目していただいているのかなと思っています。
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