Anker独自技術「GaNPrime」を採用し
3ポートの合計最大出力は65W
筆者が使う予定のピカチュウモデル(65W)のベースとなったモデルは「Anker 735 Charger(GaNPrime 65W)」で、Ankerの独自技術である「GaNPrime」を採用し、3ポートの合計最大出力は65W。PowerIQ 4.0を搭載していると記述されているが、超文系の筆者はあまり効能をよく理解できていない。今回の製品で最大のキーワードは「3ポート同時の急速充電の実現」らしいが、もちろんすべてのユーザーのケースにこれが当てはまるわけではない。
筆者宅のUSB充電器は、出力がType-Cのシングルポート製品だとAnkerのいくつかのモデルを使っているが、出力ポートがマルチポートの充電器に限ると、そのほとんどがCIOの製品が多い。今回はマルチポートでは初めてのAnker製品だが、ピカチュウモデルの外観色が決め手の衝動買いであり、購入時に細かなスペックチェックは忘れていた。
実際に3ポート出力のよく似たサイズのCIOのG65W2C1Aをピカチュウモデルと並べてもると、前も後ろも上も下も外観的には極めてよく似た雰囲気だ。実際にキッチンスケールで本体の重さを測ってみたところ、CIOは101g、ピカチュウモデルは125gだった。
同じ65WのUSB PD 急速充電器でも、重さはその製品の企画時期、発売時期、スペックによって多少異なる。半年に1回程度買い替えていれば、最新テクノロジーの最軽量、最高パフォーマンスの製品を常に活用できるだろうが、せいぜい数十グラムの差ならモバイルPCのケースを軽い製品に替えるだけで、100〜150gの差など簡単に吸収できてしまう。
GaN(窒化ガリウム)素子のPD対応マルチポート小型充電器は、今や旬のテクノロジーデバイスだが、多くのメーカーの説明で耳にするのは、65Wあるいは100W、120Wの急速充電器を使い、PD対応のパソコンやスマホ(タブレット)、スマートウオッチや時にはイヤフォンなどを複数同時充電するというなかなか魅力的な使用例だ。
各デバイスのバッテリーライフがそれぞれ異なるので、すべてのデバイス同時充電がどれほど意味のあることかは、ユーザーによりまちまちだ。しかし、できないよりできた方がよいのもある面、事実だ。ただ急速充電の規格がメーカーごとに多数あふれているために、ピンポイント的に組み合わせ機種を限定しない限り、どのデバイスでも3台同時急速充電なんて世界は存在しないので、期待過剰は禁物だ。
任意の3種類のデバイスの組み合わせによる3台同時急速充電が最大の目的であれば、65Wモデルではなく120W出力の製品が必要な場合も当然あるだろう。総出力が2倍近くになれば、本体重量も1.5倍近く増加するのが普通だ。モバイル環境ではなく自宅やオフィスでの使用なら、その程度の重量差は誤差の範囲かもしれない。
実際に筆者もThinkPad X1 NanoとGalaxy Z Fold4、Pixel Watchの3つでやってみたが、いずれも問題なく充電そのものはできた。もちろん総出力が65Wなので、3台同時急速充電なんて奇跡は普通は起こらないと信じている。
パソコンの急速充電に関しては、1ポートの単体使用では問題ないが3台同時急速充電となれば多少細かな事前分析やトライ&エラーが必要で、机上の計算だけでも満足できないケースはあるだろう。
デバイスを3台同時に充電開始した場合、低出力でも必要十分なスマートウォッチやイヤホン、スマートフォンへの充電が終了した時点で余裕となった出力がパソコンの接続されたポートに集中出力して、時間差でなんちゃって3台同時急速充電が実現するという感覚だろう。ちんたら充電に我慢できなければ、120Wや150Wの大出力急速充電器の出番だ。
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