4Kになったら突然覚醒した
「Microsoft Flight Simulator」
「Microsoft Flight Simulator」はAPIにDirectX 12を選択。画質は“ULTRA”、アンチエイリアスは“TAA”に設定した。ランディングチャレンジ“シドニー”で一定時間飛行した時のフレームレートを計測した。カメラは常時機外後方に固定している。今回はレビュー用に提供されたβビルドを利用している。
Microsoft Flight Simulatorは最近のアップデートでエンジンが改修され、劇的にフレームレートが改善したが、フルHD〜WQHDではRTX 4090 FEのパフォーマンスはまったくと言っていいほど出ていない(ただし、βビルドという点に留意)。むしろ、解像度が低い設定ではRX 6950 XTのほうが優秀まである。解像度が上がってもどのGPUでも50fps程度が出ていることから、強烈なCPUバウンドは解消されていないと考えられる(リアル志向のシミュレーターなので仕方ない話だが)。
しかし、Microsoft Flight SimulatorはDLSS Frame Generationに対応している。前回解説した通り、DLSS Frame GenerationはCPUバウンド時に輝く技術である。DLSS Frame Generationについては後ほど改めて検証することにしたい。
4Kでライバルをようやく上回った「Far Cry 6」
ここからはレイトレーシングありのゲームでの検証となる。「Far Cry 6」では画質は“最高”、高解像度テクスチャーやVRS(FidelityFX Variable Shading)、レイトレーシング等もすべて有効化。ゲーム内ベンチマーク再生中のフレームレートを計測した。
フルHD〜WQHDでは、RX 6950 XTがRTX 4090 FEを押さえ込んでいる。レイトレーシングの性能はGeForceがRadeonを圧倒しているのにこの結果が出るということは、このゲームがRadeonに対する最適化が進んでいるというよりも、GeForceのパワーをうまく使えていないと言うほうが正確な表現のような気がする。GeForceだと全然回らないというのは同じUBIの「Assassin's Creed Valhalla」でも観測されたことである。
ただ、解像度を4Kまで上げると、フレームレートが落ちないRTX 4090 FEがトップに立つ。後ほど解説するが、このゲームはGeForceで回らないぶん、電力も使わないためワット当たりのフレームレートはRX 6950 XTよりも高いのだ(かといって、Far Cry 6のためにRTX 4090 FEを買えと言うつもりはないが……)。
ほぼフレームレートが変化しなかった
「Marvel's Spider-Man Remastered」
「Marvel's Spider-Man Remastered」では、レイトレーシングを含む全画質設定を最高設定とし、アンチエイリアスはTAAを選択した。マンハッタンのマップ内を移動する際のフレームレートを計測した。
このゲームもFar Cry 6と同様に、フルHDでは仕事が少ないためにGPUのパワーを上げてもフレームレートが上がりにくい設計であることが窺える。ただし、レイトレーシング系の設定が重いせいか、RX 6950 XTは今回1人負け的な様相を呈している。
WQHDでもRTX 4090 FEは最低フレームレート以外大きなメリットを出せずにいるが、4Kになると他が落ち込むことで相対的にRTX 4090 FEのパフォーマンスが高く見える。このゲームの魅力の1つであるシネマティックな映像美を最高の設定で楽しみたい人には、RTX 4090 FEは悪くない選択といえるだろう。
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