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「先生よりもYouTube」昭和生まれの親が知らない子どもの学習事情

2022年09月02日 19時00分更新

 昭和生まれの親にとっては衝撃だった。いまどき子どもたちが勉強方法を知りたいと思ったときに頼るのは先生ではなくYouTubeだという。

 コクヨが勉強アプリ「Carry Campus」のユーザーと「Campus勉強カフェ」の参加者を対象に実施した「中高生の学習方法と探究に関する調査」によれば、勉強方法の情報収集は「学校の先生」を抑えてYouTubeが最多という結果になった。3番目に多かったのはInstagramだ。

 調査によればデジタル学習ツールを日々の勉強に取り入れている中高生は半数以上になるといい、まさにデジタルネイティブ世代という結果になった。

 もう1つ、いまどきの学習事情で親世代が知っておかなければならないのは「探求学習」だ。

 高校の授業では今年から「総合的な探究の時間」が必修化した。探究学習とは自分から課題を見つけ、周囲と協力しながら解決をめざすもの。答えのない問いに立ち向かう力をつけるための学習だ。調査によれば、「探究学習」を必要な学習だと考えている中高生は全体の約7割に及ぶ。

 同じく調査によれば、中高生の2割以上が学校以外でも個人的に探究学習をしているという。

 実際、探究学習の体験機会は学校以外にも広がりつつある。

 たとえば8月30日付けの朝日新聞デジタルによれば、千葉県流山市の学童施設「アフタースクールcommon おおたかの森S・C校」では、ミニ四駆作りを通じて遊びながら電気で動くものの仕組みを考える、独自の探究学習プログラムの体験イベントを開催しているという。

 コクヨでは自分らしい生き方の実現のために拡大する新しい学習ニーズをサポートする事業領域を「探求学習領域」と定義し、7月30〜31日に開催した体験型イベント「Campus勉強カフェ」でも探求学習授業を実施していた。

 デジタル化によって社会が変化し、正解が1つだけとは言えなくなった時代。小学校で情報リテラシー教育が始まったとき「最初に教育が必要なのは親世代ではないか」と言われたが、親世代も昭和版から令和版に常識をアップデートして、子ども世代に追いついていこうとするくらいの気持ちで教育方針を考えたほうがよさそうだ。

 
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