アップル「watchOS 9」パブリックベータ試用レポ! フィットネス&ヘルスケアの機能がさらに充実
今秋に、アップルによる正式リリースを控えるApple Watch向けの新しい「watchOS 9」のパブリックベータが公開されています。ますます便利になりそうな次期OSの気になる進化について、6つのポイントに迫りたいと思います。
watchOS 9のパブリックベータテストはApple Beta Software Programからテスト参加者としてApple IDとデバイスを登録すれば誰でもメンバーになれます。ソフトウェアは無料でダウンロードとインストールができます。
watchOS 9はSeries 4以降のSEを含むApple Watchに導入可能。iOS 16のパブリックベータを入れたiPhone 8以降のデバイスにペアリングが必要です。正式リリース前のベータ版ソフトウェアなので、まだすべての機能がテストできるわけではありません。正式リリース後も最新のApple Watch Series 7だけで使える新機能もあります。
パブリックベータ版のOSには一部不具合が含まれている場合もあります。そのため、現在メインとして使っている端末にではなく、サブ機としてるApple WatchやiPhoneが手元にあれば、そちらに導入することをおすすめします。
アップルの最新OSのパブリックベータ版の画面は一般に公開することが禁じられていますが、本稿では特別に取材許可を得たうえで掲載しています。
【watchOS 9の進化点 その1】
「ワークアウト」の新機能で体を動かすモチベーションが高まる
Apple Watchはユーザーの健康を維持・増進するフィットネスデバイスとして、あるいは日々の健康をユーザーに密着しながら見守るヘルスケアデバイスとして、その人気がますます広く定着しつつあります。最新のwatchOS 9はフィットネスとヘルスケアの両側から再び大きく進化しました。
最初にフィットネス系の進化としてワークアウトアプリの新機能を紹介します。watchOS 9ではワークアウト中に多くのデータをApple Watchの画面で確認できるようになりました。インターフェースも改善され、様々なデータがスムーズに見られます。
筆者はこれまでApple Watchを着けてランニングをしている間に、アクティビティリングの現状を知りたくても都度コンプリケーションなどをタップしてアプリを開く必要があることに、ストレスを感じていました。watchOS 9からはワークアウト中にDigital Crownを回せば、任意の情報を並べた複数の画面に素速く切り換えられるようになります。
ワークアウトの強度レベルの指標となる「心拍数範囲」のほか、走りながら体から出力されるパワーを瞬間的に計測する「ランニングパワー」など、Apple Watchの画面に表示できる情報も一気に増えました。画面に表示したいデータは設定を変えて選べます。
筆者は、Apple Watchを着けて走ることを習慣にしています。速く走ることや沢山汗をかくことが目的ではなく、美しいランニングフォームを保ちながら走り、筋肉をバランス良く付ける(落とさない)ことを目指しています。そのため、筆者にとってはwatchOS 9から「ランニングフォーム指標」が参照できるようになったことが大きなニュースなのです。
ランニングフォーム指標を構成する「上下動」「接地時間」「歩幅の長さ」は走りながらウォッチの画面で見たり、あとからiPhoneのアクティビティアプリから詳細を振り返ることもできます。
それぞれの指標が示すものや、個人のデータの変化をどう読めば良いのかがグラフを見るだけではよくわかりません。別途自分で調べたり、詳しい人に聞く必要があります。
watchOS 9から、ワークアウトのペース管理やカスタマイズの機能も充実しました。ユーザーがワークアウトの成果達成に、いっそう前向きになれる機能も増えています。
だからこそ、アップルには次のステップとして、Apple Watchが取得する沢山のワークアウトデータをベースとした「コーチング」のサービスを充実させてほしいと思います。Apple Fitness+のサービスを待ち望んでいる日本のApple Watchユーザーも大勢いるはずです。時は来た、それだけです。
HealthKitのフレームワークによりApple Watchが取得したランニングフォーム指標から、丁寧なコーチングまで提供してくれるサードパーティのアプリにも期待したいです。
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