ゴツさを感じさせる外見ながら、設置性や操作性はいたってスマート
最後になったが、M34WQの外見や設置性、操作性について紹介する。筆者の感想を一言で表すと「ゴツいけどスマート」。その要因について、まず外見から話していこう。
「ゴツい」印象をもたらしているのは、脚部の角張ったデザインだ。画面の厚みがあるとか、ベゼルの幅だとか、“デカさによるゴツさ”ではないことははっきり書いておくが、筆者の第一印象はこれであった。
一方で、設置性はいたってスマートだ。脚部がしっかりしているので安心して置けるうえ、高さや角度の調整幅が広い。VESAマウントにもしっかり対応している。スタンド付属状態での奥行きは24.43cmと特別コンパクトではないが、筆者のテストでは厚みが気になるほどではなかった。
本機の操作部は、背面のジョイスティックに統合されている。このスティックは反応が割と敏感なので、操作にはややコツがいるものの、慣れてしまえば非常に便利だった。スティックのほかにあるのは、KVM機能を呼び出すボタンだけで、余計なものがない。その点もスマートだ。
なお、外部入力端子はディスプレー下部に設けられている。右から、USB Type-A×2、USB Type-B×1、USB Type-C×1、Display Port×1、HDMI×2で、左端は電源となる。
マルチディスプレーを不要にするほど
作業用としても高いポテンシャルがある
ゲーミングディスプレーとして売り出されているM34WQ。だが個人的には、本機は作業効率を大幅に上げてくれるポテンシャルを秘めているようにも感じている。
筆者は27インチと21.5インチによるマルチディスプレー環境で、仕事や趣味に勤しんでいる。そんな私がM34WQを使っていたら、「ディスプレー1枚でも事足りるな」と思わされた。
というのも、本機の超横長な画面にウインドウを最大化表示したくなるケースはかなり稀。ひとつの画面内に3つほどのウインドウを横並びに表示してもストレスがないのだ。“マルチディスプレイ中毒”であった筆者ですらも納得させるだけの作業効率を、本機はひとつの画面で実現してくれた。
ゲーミングディスプレーとして極めて高い完成度を誇りながら、作業用ディスプレーとしての能力も高いM34WQ。価格は8万3600円と数字だけ見るとやや高額だが、その価格に違わぬ活躍を見込める一台だ。
執筆者紹介──ライター 畑野 壮太(はたの そうた)
アイテム情報誌「GetNavi」の編集、IT企業への勤務を経て独立したフリーライター。"体験をわかりやすく言語化する"を信条に、アイテムレビュー、イベント、インタビューなど、オールジャンルの取材・執筆を行なう。複数の媒体に寄稿をするほか、個人のレビューサイトも運営している。
執筆においては、“取材対象の製品やサービスを使ったら、ユーザーの生活がどう変わるのか”、具体的に言語化することを特に重視。ひとりの消費者としての目線を大切に、日々原稿と向き合っている。
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