「まるで夢を観ているみたいだった」と語る岸さんのベストバウトの試合は?
キャスター岸 大河さんと振り返るVCT・ZETA DIVISIONの軌跡、今後の日本チームへの期待や課題も聞いた
応援の熱と冷静さのバランスは難しい
視聴者に熱も情報も伝わるよう試行錯誤を繰り返す
──そのほか、キャスターとしての課題などはありますか?
岸さん:今後女性限定の大会「VCT GAME CHANGERS」も控えていますので、女性のキャスターが増えてくれればいいなと思っています。また、多くの大会が控えていますので、単純に実況・解説をする人の人数も増えて行けばいいなと思っています。
──今回のVCT 2022 Stage 1 Mastersでは、キャスターの皆さんの応援や勝利したときの喜ぶ姿にも、かなり反響がありました。この“応援”と“実況”のバランスについてはどう考えられていますか?
岸さん:日本語配信については、多少応援に力を入れてもいいとRAGEさんやVALORANTjpさんに許可をいただいているので、しっかりと日本を応援しながらお届けすることができました。しかし、その中で自分をどうコントロールすればいいのかという部分については、昨年からとても迷っていました。
──なるほど、結構迷われていたと。
岸さん:応援に力が入りすぎると、どうしてもうるさくなってしまいますし、それが薄いとせっかくの日本語配信なので寂しくなってしまうしと、どのようにいい塩梅を取って行くかというのは、昨年からずっと模索していましたね。今年に入ってからも調整しつづけていたんですけど、意外と難しくて(笑)。応援をしつつ、冷静な頭で内容はしっかりとお伝えできるということを重点に置いて実況・解説できるように、まだ模索段階ではありますね。
──結構バランスを取るのが難しそうですね。
岸さん:日本語は抑揚が付けにくい言語です。英語には単語ごとにイントネーションやアクセントがあって、そこで抑揚をつけるのですが、日本語にはそれがありません。じゃあどうやって熱を込めつつしっかりと伝えるかというのは、最近になって段々わかってきたという段階ですね。また、今後は少しまろやかにしていこうと思います。
──というと?
岸さん:ずっと今のように応援に重きをおいた実況・解説をし続けるのもくどいなと思っていますので、変化を加えていく必要があるなと。もちろん応援しつつの実況・解説は続けていこうと思っていますが、視聴者の皆さんの熱を絶やさずに、冷静に実況できるようなかたちを模索し、日々の空いた時間などに考えています。
──ありがとうございました。
今後の「2022 VCT Stage2 Challengers Japan」も要注目!
今回、キャスターとしてチームの皆さんの近くで試合を観続けてきた岸さんにVCT 2022 Stage 1 Mastersの振り返りや、今後の日本チーム・eスポーツシーンの課題、キャスターとしての考え方などを聞くことができた。
また、個人的にもかなり心を打たれた今回の実況・解説についても、熱さと冷静さのバランスをしっかり考えられているというのがわかり、さすがプロだなと感じた。5月11日からは、新たな戦い「2022 VCT Stage2 Challengers Japan」も始まっている。今後は岸さんをはじめ公式キャスターの皆さんが実況・解説する試合も出てくると思われるので、VALORANTのeスポーツシーンが気になっている人は、ぜひチェックしてみてほしい。
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