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3.1.2ch再生で立体的に音が広がる

B&W初のアトモス対応サウンドバー「Panorama 3」

2022年05月13日 11時00分更新

ストリーミング再生にも対応、ハイレゾ信号の処理も可能

 ネットワーク連携機能としては、AirPlay 2、Bluetooth(aptX Adaptive、48kHz/24bit対応)、Spotify Connect、Alexa-castなどに対応。ボイスコントロールでの選曲や音量など簡単な操作が可能。テレビにApple TVを接続することでApple Musicの空間オーディオ(ドルビーアトモス)コンテンツを再生できる。ただし、Amazon Musicの楽曲はステレオ再生のみとなる。

 初回利用時にiOS/Android用の「Bowers & Wilkins Music App」から通信など本体の設定が必要。このアプリからDeezer(有料)、SoundCloud、TuneIn、NTS Radioなどのストリーミングサービスを利用できる。ハート型アイコンのLoveボタンを押すことで、ユーザーの趣向を学習し、レコメンドする機能も持つ。今後もオンラインアップデートで、マルチルーム再生など機能拡張をしていく予定とのこと。

アプリで現在再生中のフォーマットを確認できる。

 なお、コンセプトのひとつにオールインワンでの完結があるため、システム拡張は予定していない。同じB&W製品ではあるが、「Formation Bass」などと組み合わせた2.1ch化やリアスピーカーの追加などはできない。また、ハードウェアの仕様としては96kHz/24bitのハイレゾ再生に対応しているが、現状では対応ストリーミングサービスで国内展開をしているものがないため、Deezer HiFiの48kHz/16bit、もしくはaptX Adaptiveの48kHz/24bit品質が最高品質となる。

写真は65インチのソニー製テレビとの組み合わせ。奥行などを確認してほしい。テレビ側のスタンドが低めでも違和感なく設置できる。

 専用アプリまたはテレビリモコンを利用したHDMIコントロール(CEC)で操作するため、リモコンは付属しない。そのため、サウンドモード切り替えや自動音場補正機能(Room EQ機能)などもなく、スピーカー専業メーカーのB&Wが最適にチューニングした音を買ってすぐに使える点を重視している。Room EQを用意しない理由としては壁面や天井の反射を再生に活用しないためだという。

 国内テレビ市場では昨夏の段階で、50インチオーバーが販売台数構成比で36%と大画面化が進んでいる。55インチ以上の有機ELテレビを購入するハイエンド層に向けたサウンドバーであり、多機能と高音質を求めるユーザーなら注目の機種だ。

リアルサラウンドのような自然な再生音、ある程度の広さの部屋で

 D&Mホールディングスの試聴室で短時間だがデモを体験できた。

 Deezer HiFiで再生したロスレス品質のステレオ音源から始まり、Amazon Prime VideoやDisney+の映画、ドルビーのデモディスクの再生などを順に体験した。

 全体を通した利点に、サブウーファー以外はほぼ同一のユニットで統一したことによるつながりの良さがある。サウンドバーでありながらHi-Fiスピーカーに近い落ち着き感があって、刺激的な要素が少ない素直な再生音だ。

 バスレフ型ではなく密閉型の機種ということもあり、43Hzまで伸びる低域はふくらみがなくタイト。また定位感が非常によく、ステレオ再生であればボーカルはセンターにしっかり定位し、それを取り囲むように伴奏が広がる。映画であれば、音の動きや臨場感の描き分けなどシーンに合った忠実傾向の再生音が楽しめた。

 細かく聞くと、設置方法の関係か定位が下からになってしまったり、高域があまり伸びずに引っ込む印象もあった。ここはラック設置でも少し本体を持ち上げたり、なるべく高いポジションをキープするようにしたりする工夫が必要だろう。メーカー推奨の視聴距離は2.5m程度とのことだが、あまり近づきすぎると、音が下から聞こえ、かつアップファイヤリングのスピーカーの効果も得にくいので、ある程度離れたほうが帯域バランス的にも音場的にも自然な再現になる印象を持った。適切な距離を取り、正面で聴くと、広い映画館で中央の席に陣取ったときのような満足感あふれる音表現を感じ取れる。

 ちなみに再生時はDSPを用い、自動的にアップミックスが行われる。2chソースの場合はイネーブルドスピーカーを使わないよりHi-Fiに近い再生となる。5.1ch以上のサラウンドソースではアップミックスされ、常にイネーブルドスピーカーを使う設定になるそうだ。

付属する壁掛け用金具

 メーカー推奨では50インチクラスのテレビを……ということだが、ある程度距離をとっても迫力ある画面サイズと考えると、70インチ、80インチクラスのテレビも視野に入れてもいいかもしれない。そうすれば簡単かつシンプルでありながらも、リッチな再生環境が得られるに違いない。

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