JAPAN INNOVATION DAY 2022「プレシードVC・アクセラが語る、地方エコシステム、ESG、Web3によるスタートアップのゲームチェンジ」レポート
地方で活動するVC、アクセラレーターが見るスタートアップの可能性
Web3で変わるゲームのルール
テーマが“Decentrize”ということで、この時期にWeb3やNFTを話さないわけにはいかない。その定義や内容については色々なところで語られているので、VCの2人には日本のスタートアップの現状を語ってもらった。
この分野での起業相談は増えているか、との問いに両者は「当然増えている」と答える。とはいえ、数年前のAIブームのときに「とりあえずピッチデックにはAIと書いておく」ような風潮があったように「とりあえずNFTと書いてある」ようなものから、本質を捉えたアイディアまで、その内容は千差万別とのことだ。
またWeb3やNFTという意味では、VCの視点からは悩ましい面もある。Web2ではGAFAのようなプラットフォームが市場を支配し、その上での経済性を考えていたが、Web3の世界観ではそれが“Decentrize”される、つまり共創のルールが根本的に異なる可能性があるからだ。ビジネスモデルやマネタイズポイントにも影響するため、どういった成功パターンがあるのかゼロから考えなくてはならない点には注意が必要だ。
また2022年3月の段階では、Web3やNFTはまだ黎明期であり、裏返せば一部のユーザーだけが盛り上がっている状態とも言える。木村氏は「今は初期のインターネットみたいな状況。普及するまでの2〜3年をどう乗り越えるのかの戦略を、投資検討の際には聞かせてほしい。あまり風呂敷を広げすぎず、誰・どのコミュニティに対するサービスなのかが重要」と語る。その上で「オープンサイエンス」「DeSci(分散型科学)」といった領域には注目しているそうだ。
まだまだ喋り足りない様子ではあったものの、セッションはここで終了。今回語ってもらった地方エコシステム、SDGs、Web3といった領域は、まだまだ始まったばかりの領域で、これからどんどんと進化していくだろう。VCやエコシステムビルダーと協力しながら、新しいエコシステムが作り上がっていくことを期待している。
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