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サイコム「Silent-Master NEO Z690/D4」をレビュー

本当に動いてる?Core i5-12400&RTX 3060搭載ゲーミングPCが生活音よりも静かだった件

2022年04月06日 13時00分更新

静音性の検証は専門設備が必要なレベル

 とはいえ、いくら言葉で「静か」だと言われても、その基準は人それぞれ。わずかなファンの音でもウルサイという人もいれば、キッチンの換気扇のそばにいても静かだという人もいる。また、世にある「静音PC」は自称に過ぎず、あくまで静音動作向けのPCパーツを使用しているという意味で、実際に使ってみるとそれほど静かではなかった……なんてこともよく聞く話だ。

 そこで、騒音計を使って実測してみようと思い、まずはアイドル時からテスト。耳を近づければファンが回転しているような音はするものの、50cmも離れてしまえばファンの音を把握できないほど、何も聞こえなくなった。理由は簡単で、自宅の生活環境音に完全にかき消されてしまったのだ。もちろん、騒音計の値は暗騒音より大きくなることはなかった。

 そして、「さすがに高負荷時なら生活環境音よりも高いだろう」とにらんでいたのだが、こちらも状況はほぼ変わらず。測定中の生活環境音(近所を走る車、冷蔵庫のコンプレッサー、隣の部屋のエアコンなど)のほうが、よっぽどうるさいようで、まともに測れなかった。

 一応、計測した騒音値を報告しておくと、高負荷時で37dB前後(前方、距離約1m)。部屋の暗騒音が35~37dBあたりなので、PCの騒音をまともに拾えているのかどうか微妙な値だ。アイドル時はいわずもがなで、無響室のような極端に静かな生活環境にならないと騒音値の測定は難しいだろう。

 というわけで、ここではサイコムが公開している騒音値を紹介しておこう。あらかじめ断っておくと、下記は従来モデル「Silent-Master NEO Z590」の検証結果になるため、参考数値として見ていただきたい。しかし、CPUクーラーやPCケースファンは同じものなので、そう大きく変わることはないだろう。

第三者機関にて実施した騒音検証の様子。壁からの音の反射や、外部からの騒音を防いだ無響室で実施している

距離50cmからの騒音値。アイドル時はわずか23dB、高負荷時でも31.6dBと驚くほど静かだ

 検証条件や詳細なデータはサイコムの製品情報ページで公開しているので、そちらを参照してほしい。ちなみに、住宅街にある自宅で窓やドアを締め切った場合の騒音値は30dB台前半と言われている。しかも、これは周囲の騒音がほとんどない深夜帯の場合なので、Silent-Master NEO Z690/D4は高負荷時でもかなり静かということになる。

作業やゲームに超集中したい人にオススメ

 実際に体験するまでは思考の外にあり、コストパフォーマンスだけでPCを選ぶと悩みの種になってしまいがちな問題が「動作音の大きさ」だ。ゲーム中はもちろんのこと、日々利用するメインPC(例えば、テレワーク用PCなど)としても使うということであれば、騒音は小さければ小さいほどいいはずだ。

 長時間かかる動画エンコードといった処理を夜間に行いたい、家族が寝静まった後でも気兼ねなくPCを使いたい、と考えているならなおさらだ。静音性はPC選びの超重要ポイントになりえる。静音も性能のうちだと考えている人であれば、Silent-Master NEO Z690/D4はきっと理想の1台になってくれるだろう。

 なお、今回は静音面を中心に紹介したが、次回は性能について紹介する予定だ。

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