2022年2月16日開催 イチロクカンファレンスvol.40@オンライン「特許庁ベンチャー支援班と考えるスタートアップの知財戦略」レポート
スタートアップのあるあるトラブルにも知財が役立つ
特許庁のスタートアップ支援施策
特許庁の今井氏は、特許庁が提供するスタートアップ支援施策を紹介。スタートアップ向けサイト「IP BASE」のコンテンツ、知財アクセラレーションプログラムIPAS、オープンイノベーション促進のためのモデル契約書ver.1.0、3カ月で審査結果が出るスーパー早期審査、特許手数料等が3分の1になる減免制度、知財総合支援窓口について説明した。
IP BASEは、スタートアップへの知財マインドの醸造と知財専門家とつながることを目的に運営されている。情報提供として、国内外スタートアップの知財戦略事例集、先輩スタートアップに知財への取り組みを聞いたインタビュー記事、全国で開催している知財イベント情報を掲載。2021年からはYouTubeチャンネルも開設し、知財の基礎情報や支援施策をわかりやすく解説する5分程度の番組を配信している。 IPBASEでは、知財に関する取り組みに意欲的な人材や組織を表彰するアワード企画IP BASE AWARDも実施している。
知財アクセラレーションプログラムは、創業期のスタートアップに対して知財メンタリングチームを派遣し、知財戦略の構築を支援するプログラム。過去3年間で40社を支援し、IPAS支援開始後に出願された特許は224件、資金調達した企業は25社、1社はM&Aを実現している。今年度は20社に対して5カ月のメンタリングを実施。またIPASの支援内容を横展開するため、成果をまとめた各種事例集はIP BASE、成果報告会の動画がYouTubeチャンネルで公開されている。IPASに興味のある方はチェックしてみては。
ランニングをもっと自由に、みんなが楽しめるアプリやサービスを展開
コロナ禍ではひとりで気軽にできるスポーツとしてランナー人口が倍増し、ランニング頻度も高まっている。年齢を問わず生涯続けられ、健康促進効果も期待できる。株式会社ラントリップは、レース競技とは違った数字にこだわらないランニングの楽しみを世界へ広めることを目的に、全国のランナーとつながるランニング専用SNSアプリ「Runtrip」を中心に、コース検索サイト、ランニングギア情報の配信、自社ブランドのECサイト運営、バーチャルレースの開催など幅広いサービスを展開している。
「Runtrip」はInstagramのようにランニングのログを投稿し、ランナー同士で「Nice Run」を送ったり、コメントで応援し合うことで走ることのモチベーションになる。 2020年からはオンラインでマラソンを開催できるプラットフォームを運営し、毎月第4土曜日にバーチャルレースを開催。1日あたり最多で2.7万人が参加する国内最大級の規模に広がっている。今後は、SNSアプリにイベント参加機能やラン計測機能などを統合したアプリへと発展させていく計画だ。
ウィンドサーフィンなど広域スポーツをリアルタイムに観戦
N-Sports tracking Lab合同会社は、超リアルタイムなスポーツトラッキングツールを開発している2019年設立のスタートアップ。2017年からウィンドサーフィンのW杯が横須賀市津久井浜で開催されているが、岸から遠い沖で試合が行われているため、せっかく現地に行っても大会の様子を観戦することができない。
同社は、LTE通信で常時GNSS等の位置情報データをクラウドに送信し、マップやCG上に可視化することでリアルタイムにレースを観戦できるアプリを開発。ウインドサーフィンW杯のほか、ボート競技、海外スタンドアップパドルW杯、セーリング競技など広域スポーツの配信サービスを提供しており、現地でのパブリックビューイングやウェブブラウザ―でのオンライン観戦が可能だ。
またトレーニング向けに、位置情報に加えて、ボートなどに取り付けたセンサーから傾きや風向などを検出し、コース取りの戦略立案や効率の良い走り方を分析するスポーツパフォーマンス分析機能を提供している。
今後は、より高頻度に正確なデータを計測するため準天頂衛星システム「みちびき」の位置情報を利用したデバイスの開発、バーチャル大会など新しい形態のスポーツイベントへの対応、企業や部活でのスポーツ分析の導入も計画している。
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