週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

第44回NEDOピッチ「アグリテック ver.」レポート

月面でも農業を可能に 次世代のアグリテック技術をもつスタートアップ5社

2022年03月31日 11時00分更新

月面でも農業を可能にする
株式会社TOWING

 株式会社TOWING 代表取締役の西田宏平氏からは、高効率で持続可能な畑をベランダやビルの屋上などだけでなく、月面基地でも実現するという「宙農(そらのう)」というプロジェクトの紹介があった。

 「宙農」は、月や火星の土を、農業が行える土に変えるためのプロジェクトで、限定空間ならではの、循環農法が求められていることに応えるもの。さらに、ここで培われた技術を地球にも応用して土壌の改良にもつなげられるとしている。

 基本は国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構が開発した良質な土壌の微生物環境を再現する技術を実用化し、地力の高い人工土壌を作るもので、従来ではブラックボックス化しがちな構築を、コントロールしやすい状況で実現できる点がポイントだ。

 これにより、有機精密栽培の早期立ち上げ、安定化や、土メンテ期間の短縮化、炭素の固定や吸収効果も見込める。また、単位面積当たりの収益率も向上する結果が得られた。

 今後としては、実証のスケールアップで結果を出し、自社農園での応用、フランチャイズ展開、自社流通管理へと事業拡大を目指すという。

 宇宙での農地開発を含めて、持続可能な農業システムで社会貢献するためのパートナーやチームメイトを募集していると締め括られた。

 どのようなビジネスパートナーとのマッチングを求めているかという質問には、農業資材メーカー、農業を立ち上げたい企業、収穫された作物を活用したいという企業を求めていると回答。使いたい、という面では、食品としてだけでなく化粧品などの原料、材料としてなど様々な面での販路を開拓したい意向。特に、地方で持続可能な農業をしたいという企業や、脱炭素をめざす企業との連携を目指したいとしている。

 現在の課題に関しては、販路設計に課題を感じているので、そこを強化してゆきたいと強調された。海外展開に関しては、まだ日本での技術確立を行なってから海外へと展開したい意向を提示。海外の方が土壌に関しては改良の余地が多いので海外の販路にも期待していると見解が示された。

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

この特集の記事