Xe Graphicsベースの内蔵GPUで従来比1.5倍の性能
Core i9-11900Kなど、Rocket Lake-SことデスクトップPC向け第11世代Coreが正式発表!
新チップセットはPCIe 4.0とUSB 3.2 Gen 2x2に対応
Rocket Lake-Sは、すでに各マザーボードメーカーから販売が始まっている、インテル500シリーズ・チップセット搭載マザーボードで運用するのがオススメだ。前世代のインテル400シリーズ・チップセット搭載マザーボードでも動く(B460とH410は除く)が、PCI Express 4.0(PCIe 4.0)はサポートしていないので、Rocket Lake-Sをフルパフォーマンスで生かせない。
Rocket Lake-SではDMI(CPUとチップセットをつなぐバス)こそ、PCI Express 3.0(PCIe 3.0)のままだが、8レーンと従来(4レーン)より倍増。CPUから伸びるPCIe 4.0はインテル500シリーズ・チップセット搭載マザーボードでは20レーン使える(グラフィック用の16レーン+NVMe SSD用の4レーン)が、従来世代のマザーボードではグラフィックのみの16レーン(しかもPCIe 3.0接続)となるからだ。
また、インテル500シリーズ・チップセット搭載マザーボードはUSB 3.2 Gen 2x2ポートを標準で備える点も魅力的だ。徐々に対応製品が増えてきた同規格のストレージなどを最高速度で動かしたい場合は、インテル500シリーズ・チップセット搭載マザーボードで決まりだろう。
一方で、Comet Lake-Sはインテル500シリーズ・チップセットの種類に関係なく動かせるが、当然PCI Express 4.0などの新機能が使えるわけではなく、その運用は限定的なものとなる。
チップセットのラインアップは上から順にZ590、H570、B560となるが、従来は「Z」グレードにしか許されなかったメモリーのOCが、今回は「H」/「B」グレードでも解放している。もちろん、OCはそれ自体が製品保証外の行為だが、今後は手頃なマザーボードとCPUの組み合わせでも、手軽にパワーアップできる可能性が上がった点は評価すべきだろう。
しかしながら、メモリーまわりには懸念材料もある。というのも、上記スライドにある「Gear 2」の表記だ。これはメモリーのFCLK比の話で、Gear 1の場合はFCLK比1:1動作、Gear 2の場合はFCLK比1:2動作になる。Rocket Lake-SのDDR4-3200対応は、Core i9-11900Kと同KFがGear 1、その他はGear 2動作になるのだ。このFCLK比は1:1動作が理想で、1:2動作ではパフォーマンスが落ちるアプリもある。
つまり、Core i9-11900Kと同KF以外のCPUでは、場合によってはGear 2動作のDDR4-3200で動かすよりも、Gear 1動作のDDR4-2933で動かしたほうが良いケースが出てくるということだ。この点が「DDR4-3200対応」という新規ポイントの歯切れを悪くしているように感じるのは筆者だけだろうか。もちろん、具体的にどの程度の影響が出てくるかは今後検証していく予定だ。
そのほか、別途マザーボードに専用チップの実装が必要なディスクリート対応ではあるが、Wi-Fi 6EやThunderbolt 4をサポートするのもポイントだ。しかし、Wi-Fi 6Eについてはまだ日本の法整備が終わっておらず、まだ使えない。もろもろの環境が整ったら、各マザーボードメーカーが日本向けにもドライバーを配布し、使えるようになると思われる。
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