Z590チップセット搭載のマザーボードはIntel第11世代Coreにも余裕の電力設計とVRMの放熱設計
次世代インターフェースをフル装備したスペックは長期にわたって使い続けられる安心感「MPG Z590 GAMING CARBON WIFI」
オーディオはコーデックにRealtek ALC4080を採用。まだあまり情報がない新チップだが、信号帯域幅を広げノイズが少ない高音質の音を楽しめるとされる。オーディオグレードのコンデンサなどとの組み合わせで同社Audio Boost 5を構成する。
M.2スロットは3基。#1はCPU直結でPCI Express 4.0(第11世代Core時)x4。なお、第10世代Coreとの組み合わせではM.2 NVMe SSDを挿しても認識されなかった。#2と#3はチップセット接続でPCI Express 3.0x4またはSerial ATA 3.0接続だ。そして部分的に拡張スロットなどと排他利用になる。M.2ヒートシンクは同社のM.2 Shield Frozr。チップセットヒートシンクとデザイン的に一体となる形状だ。#2スロット用のヒートシンクはとくに大きくネジ4本、#1、#3スロットのものはネジ2本で着脱できる。
拡張スロットはビデオカード用の最上段スロットがPCI Express 4.0(第11世代Core時)x16。2番目のx16スロットを併用する際はPCI Express 4.0 x8+x8またはx8/x4+x4となる。3番目のx16スロットはチップセット接続なのでPCI Express 3.0 x4動作。ほか、PCI Express 3.0 x1スロットが2基ある。
無骨ヒートシンクはデザイン○&放熱効果も○
今回は少し長めにお借りできたので、MPG Z590 GAMING CARBON WIFIの特徴である無骨ヒートシンクの性能を確認してみた。第11世代Coreが未発表なので現行第10世代ではもっとも消費電力が大きいと見られるCore i9-10900Kを使用。CINEBENCH R23のAdvanced BenchmarkからCPU(Multi Core)のテスト時間10分を選択し、HWiNFO64のログデータ[MOS(マザーボード上MOSFET内センサーの値)]を取得してみた。バラック状態での計測で、使用したCPUクーラーはサイドフロー型のサイズ 虎徹MarkII(製品付属PWMファンで最大1,200rpm)。そのほかファンは一切組み合わせず、室温24℃の状態でテストした。
グラフのタイムラインで1秒時からベンチマークがスタートし、カーブを描きながら温度上昇をはじめる。ベンチマーク中のクロック倍率は全コア49倍が継続していた。およそ55℃になるとカーブが緩やかになり最大温度は65℃だった。このとき、CPU温度(CPU Packages)は95℃、CPUソケット温度は63.5℃。65℃という結果はなかなかよい。エアフローが乏しい状態で、CPUソケット部分に仕込まれた温度センサーとさほど変わらない温度に抑えられているのは効率よく放熱が行なわれていることを意味していると言えるだろう。もちろんケースにおさめて適切なエアフローを与えればより冷える。800rpmのファンを1基、斜めから当ててみると同条件のベンチマークでMOSFETは61.5℃まで温度が下がった。
MPG Z590 GAMING CARBON WIFIはアッパーミドルとハイエンドの間。メインストリームユーザー視点ではやや高価な製品だ。ただしその価格に見合う部品を採用し、次世代ハイエンドCPUに対しても余裕の電力設計、VRMの放熱設計を取り入れている。そしてそれがカーボンというコンセプトにもとづいてデザインと融合しているところがポイントだろう。
次世代I/Fをフル装備したスペックも今後長期にわたって使い続けられる安心感がある。2.5GbEとWi-Fi 6E、USB 3.2 Gen2x2 Type-C。そしてオプションとなるがThunderboltカードへの対応もポイントに挙げられるだろう。ゲーミングは当然、ゲーミング以外にも業務や普段使いで快適な高性能PCを組むためのベースマザーボードとしてオススメだ。
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