高い拡張性・豊富な機能面はROGハイエンドの証
続いてインターフェースを見ていこう。まずバックパネルは、USBポート数に圧倒される。USB 3.2 Gen2はType-Aが7、Type-Cが1と、合計8ポートが利用可能だ。その上、USB 3.2 Gen1もType-Aが4ポートある。内部にもフロントUSB 3.2 Gen2 Type-CヘッダーおよびUSB 2.0ヘッダーを搭載しており、USBポート不足でハブが必要になることも少ないだろう。
そして有線LANは2.5GbEと1GbEとデュアル構成だ。2.5GbE側は定評あるRealtek RTL8125、1GbE側はこちらも定評あるIntel I211-AT。速さで言えば2.5GbEのほうがよいが、まだ環境が1GbEということであれば、Intel I211-ATで安定性を狙うという選択がある。無線LANはWi-Fi 6対応のIntel Wi-Fi 6 AX200。
オーディオは同社ROG SupremeFX S1220を用い、ESSのDAC「ES9023」を組み合わせている。コンデンサはニチコン製。ROG Sonic Studio III、DTS Sound Unboundなどソフトウェアからも強化されている。
ストレージは比較的大人しい。Serial ATA 3.0は8ポートあるが、M.2スロットは2基だ。ただしM.2は2スロットどちらもPCI Express 4.0 x4/Serial ATA 3.0両対応。そしてPCI Express拡張スロットやSerial ATAポートとの排他関係はないようだ。この点、数は少なくてもシンプルに利用できる。
拡張スロットはPCI Express x16×3、PCI Express x1×1。x16スロットはCPU直結の2本がx16またはx8+x8レーンのコンフィギュレーションで、NVIDIA SLIにも対応している。残る1本はチップセット接続でx4レーン固定。本数として見れば、とくにx1スロットが少ないが、実質的に利用可能なカード数として数えれば、ATXでもこのあたりの数が妥当なのだろう。
ROGはゲーマーだけでなくオーバークロッカー向けという側面もある。そのため水冷、あるいは液体窒素といったエクストリームな冷却手段なども視野に入る。そうした用途のための機能も潤沢だ。まず必須の機能として、オンボードの電源/リセットボタン、POSTコード表示LCD。また、ボード下辺にはLN2モード用のジャンパ、セーフブート・リトライボタン、スローモード用スイッチなどが見られる。
そして最後にLEDイルミネーション。Darkという製品名でLED非搭載を想像したが、VRMとチップセットのヒートシンクカバーにはLEDを搭載している。とはいえ、比較的大人しい演出と言えるかもしれない。VRMヒートシンクカバーはROGロゴ、チップセットヒートシンクカバーはROGのエンブレムがLEDで浮かび上がるが、そのほかの部分は光らない。周囲もほとんどがブラックなので反射も少ない。
見た目は前モデルに近いが重要な部分でアップグレード
ROG Crosshair VIII Dark Heroは、ROG Crosshair VIII Heroのデザインを踏襲しつつ、ブラッシュアップした製品ということになるだろう。LEDを搭載しているとは言え、ブラック感が増したことで、おそらくケース内でほかのLEDパーツに主役を渡すことになるのではないだろうか。LEDイルミネーションは、すべてのパーツを発光させるのもハデでよいが、一方で主役、脇役でメリハリをつければ、そのPCがどの用途に特化した製品なのかをアピールしやすくなる。
チップセットヒートシンクがパッシブクーリングへ、電源回路のMOSFETがさらに強化されたのも注目点だ。ROG Crosshair VIII Dark Heroはチップセットファンがない分、AMD X570マザーボードの中で比較をすれば静音性が高い。さらに電源回路の効率が高いならば、内部温度上昇を抑えられ、ケースファンの回転数を少し抑えられるということも期待できそうだ。
ROGの中でもCrosshairは上位のモデル。かなり高価になると思われるが、2020年以降、長期に渡って現役でいられるマザーボードだ。
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