使い勝手は全般的に良好! 密閉性、装着製の高さは外出時も安心
「m-Five True Wireless」を実際に使ってみた。試用時にiPhone 12は未到着だったので、ペアリング先のスマホは2年モノのiPhone XRである。ペアリング自体はなんの問題もなく完了。その後はケースから取り出せばBluetooth接続され、ケースに収納すれば切断される。使っていてペアリングをやり直しするような事態にはならなかった。
装着具合については、耳の形や大きさといった問題もあるから一概に言えないかもしれないが、筆者の場合はデフォルトで装着されているMサイズのイヤーピースでピッタリ。本体が耳の形状に近いためか、イヤーピースのサイズが良好なことも手伝って装着感は良好だ。
最近は電車や地下鉄において完全ワイヤレスイヤホンの落下事案が多いため、鉄道各社が注意を喚起していると話題になっているが、筆者の場合は本体が落っこちてしまうような不安感はなかった。また、密閉感も遮音性も高い一方、鼓動が聞こえるような不快感はない。高過ぎる密閉感を嫌う人もいるのでその点は筆者の好みに合っているといえるだろう。
「m-Five True Wireless」にはタッチコントロール機能が搭載されている。詳細はマニュアルのトップページに記載されているが、イヤホン本体の「JAYS」ロゴ付近をシングルタッチ、ダブルタッチ、トリプルタッチ、長押しすることで、音声の再生や停止、着信応答、ボリューム変更といった各種操作が可能となっている。
タッチ操作・長押し操作ともに、筆者の場合はほとんど誤操作はしなかった。ただしそれは意図して操作しているときの話。装着するときに、うっかり右側本体のロゴ部分を長押ししてしまって、ボリューム爆音で再生が開始されてしまう(逆に左長押しだとほぼ無音に)、という誤操作が何度かあった。装着時に指で触れる部分には注意が必要だ。
装着して外出し、音楽を再生しながらその辺を歩いてみたり小走りになってみたりした。完全ワイヤレスイヤホンはブチブチ切れるのがストレスになることも多いが、少なくとも筆者が試用している間にブチブチ現象は発生しなかった。
音質については(筆者の耳程度で大きなことを語れるとも思っていないが)高音にも低音にも「イヤなところがない」と感じた。筆者の耳への密閉度が良好だからかもしれないが、電車の中などノイズキャンセラーがあったらもっと快適かな、と思うような場面でも普通に音楽は楽しめるし、動画音声も聞き漏らすようなこともなかった。これらについては、同時に試用した「m-Seven True Wireless」でもほとんど違いはないと感じた。
ただ「m-Seven True Wireless」と比較してちょっとだけ性能差を感じたのは、先に少し触れたが、コーデックがSBCである点だ。動画やアニメの鑑賞については脳が補完する程度のズレだからかもしれないが、ほとんど気になることはなかった。
しかしスマホゲームについては(あまりシビアな音ゲーをやりこんだことがないので大したことは言えないものの)、テストプレイした某ゲームにおいて画面タッチとのズレが正直気になった。本気でスマホ音ゲーをやりこむユーザーにとってはSBCコーデック回避は常識なのかもしれないが、初めて完全ワイヤレスイヤホンを使うユーザーなら、その点については注意が必要かもしれない。
次に、パソコンとペアリングしてオンライン会議に使ってみた。マルチペアリング機能はないようなので、スマホとのペアリングはいったんスマホ側から解除する必要があった。ペアリング自体は問題なく、音声の遅延についても音ゲーで感じたような違和感はない。内蔵マイクの音の拾いも良好で、途切れる、聞こえにくいというようなことはなかった。
逆に、「いつも使っている有線マイクよりも呼吸音が入ってないよ」「背後のラジオの音も拾ってる」なんてことをテスト相手から指摘されてしまうほどだった。
まとめ:質実剛健完全ワイヤレスイヤホンとして買いの1台
ひと通り試用してみたのだが、とにかく「m-Five True Wireless」は、デザインと機能をバランスよく両立した完全ワイヤレスイヤホンという印象だった。1万円を切る価格帯における完全ワイヤレスイヤホン市場では熾烈な競争が続いているが、そのなかでもダークホース的アイテムとして注目できるだろう。
それこそ“尖った”機能はないものの、基本性能に抜かりはなく、コストパフォーマンスも良好に感じられる。そして言うまでもなくデザインが素晴らしい。手堅くて悪目立ちせず、IKEAの家具を彷彿とさせる「北欧デザイン」のイメージに近いと言える。「ほかの人とあまりかぶりたくない、でも機能はちゃんとしてて価格はそこそこな完全ワイヤレスイヤホンを……」という欲張りな希望をお持ちの人にもお勧めできる製品だ。
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